2021年日本はこうなる

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(編者)

• 販売会社／発売会社: 東洋経済新報社
• 発売年月日: 2020/11/06
• JAN: 9784492396582

商品レビュー

2021/04/25

人間行動には様々な「癖」がある。国内外で活用が進んでいるのが「ナッジ」である。ナッジとは、人間の性質に配慮しながらより良い選択を促すと言う意味で使われている。
ナッジは、2009年以来、個人の意思決定の自由を尊重しながら少ない財政コストでより良い選択を促すツールとして、様々な政策現場で使われている。

【具体例】
●資産形成：デフォルトの変更

英国が12年に導入したのが、何時を取り入れた私的年金制度NESTである。NESTで取り入れたのが「自動加入+オプトアウト」と言うナッジである。

任意加入の場合、意思表明を行わなかった場合は年金に加入しないため、デフォルトは年金日加入となる。

一方、「自動加入+オルトアウト」の場合、意思表明を行わなかった場合のデフォルトは年金加入となる。ただし年金への加入を希望しない人は脱退(オプトアウト)が可能であるため、年金に加入するかどうかの選択の自由は維持されている。

NEST導入後は年金加入者が急増し、直近では加入者割合が50%から80%近くまで上昇している。
このように多くの人はデフォルトを変更しない傾向にあるため「自動加入+オプトアウト」は強力なナッジである。

●防災・減災:社会規範への働きかけ

「現状維持バイアス」などによって非難は遅れがちである。

こうしたバイアスを変えるために、広島県では避難を促すな事を行った。具体的には、「これまでの豪雨時に避難勧告で避難した人は、周りの人が避難したから避難したと言う人がほとんどでした。あなたが避難する事は人の命を救うことになります」と言うメッセージを用いることによって、人々の社会規範意識や利他性に働きかけようとした。

ナッジメッセージと今までのメッセージについて、避難場所への避難意向を比較すると、今までのメッセージでは23.2%だったが、ナッジメッセージの場合35.7%と高まっている。

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▶︎教育改革

●求められる教員自身の育成法改革

信頼関係構築のための3つの方法

①卓越した授業スキル
単純に授業がうまく評判が良い。生徒が意欲的に参加し、指示もよく聞く。この場合、生徒が親に高評価を伝え、自動的に信頼を獲得できる。今では、アクティブラーニングを高いレベルで実現させるためのファシリテーション力等も重要だ。

②教育のプロとしての専門性
圧倒的な受験知識や進路指導力が明確な例である。保護者は様々な手段で情報収集をするため、油断すると教員よりも知識があると言うことになりかねない。他にも教育の情報は常に保護者のニーズだ。
今なら「指導要領改訂で何が変わる?」「なぜセンター試験がなくなる?」等に明快に応えられるかは重要である。
「学力の三要素」「認知能力」などのキーワードについても高いレベルで説明できなくては頼れる先生にはなれないだろう。

③良い先生としての振る舞いや行動
生徒への積極的な声かけや質問対応、こまめな心身の健康管理、親への誠実な態度や迅速な連携等の人間性が伝わる振る舞いは、保護者の理屈抜きの信頼感につながる。そして、それを下支えするのは、社会人に広く求められる、相手基準のビジネスマナーやコミニケーション法のスキルである。

2020/12/13

広く浅く2021年のトレンドを解説しているので、自分に関係のあるところだけを拾い読みしてもいいが、せっかくなので全部読むとそれなりに勉強になります。
むしろ自分の業界に関係のあるところは浅すぎて読む意味がないかもしれない。
宇宙開発関連がないのが少し物足りない。三菱重工はいちおファミリーなのに。