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吠えない犬 安倍政権7年8か月とメディア・コントロール
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2020/10/30 |
JAN | 9784575315820 |
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吠えない犬
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
池上彰さんの本でもしばしば指摘されていた、安倍政権の行き過ぎたメディア圧力。 安倍政権が行ってきたメディアへの介入が具体的に明かされている。 政権からメディアにかかる圧力は、日本よりアメリカの方がずっと深刻らしい。 黙らせたい記者のメールや電話の履歴は、こっそり調べられる。 ...
池上彰さんの本でもしばしば指摘されていた、安倍政権の行き過ぎたメディア圧力。 安倍政権が行ってきたメディアへの介入が具体的に明かされている。 政権からメディアにかかる圧力は、日本よりアメリカの方がずっと深刻らしい。 黙らせたい記者のメールや電話の履歴は、こっそり調べられる。 アメリカのメディアのこともよく分かり面白かった。 著者は、「メディアは権力を監視する役割がある」と考えているから、権力に媚びるメディアを評価しない。 読売新聞(日本テレビ)、産経新聞(フジテレビ)、NHKが政権寄りで、 朝日新聞(テレビ朝日)、毎日新聞(TBS)が政権にモノ申す側だ。 日経新聞や東京新聞については記載がないので不明。 メディアコントロールをやってきた当事者は菅氏。 東京新聞の望月氏への露骨な嫌がらせ行為は誰もがテレビで見たとおりだ。 安倍政権に批判的なコメンテーターであった、古賀茂明、岸井成格、膳場貴子、国谷裕子、古舘伊知郎が相次いで番組から消えた。 画面に映らないチーフプロデューサーまでも異動させられている。 読売テレビは「ミヤネ屋」のコメンテーター青木理を切った。 メディアが権力に抑圧されていて、言論の自由度が下がっていると感じる。 第1章 コロナ・ショックと安倍政権の迷走 トランプは専門家の意見に激しく攻撃する。対して安倍はあからさまに無視する。 トランプも安倍もどちらもコロナに対する手立てはなく、できることは経済政策くらいだった。 第2章 トランプ大統領vsメディアの攻防戦 FOXニュースが共和党寄り、CNNは民主党寄りであることを知った。 FOXニュースはトランプの発言こそが真実であるかのように報道するので共和党支持者に信頼されている。 CNNはファクトチェック判定でも信頼度が高く、民主党寄りというよりトランプの嘘を指摘しているだけだ。 第3章 安倍政権のメディア・コントロール 総選挙前の報道機関への「公正な報道を」という圧力は覚えている。 「報道ステーション」の放送内容への度重なる抗議。 メディアを選別した単独インタビューで自説を展開することが増えた。 メディア幹部との夜の会食が多すぎることを東京新聞が暴く。 ファクラーさん自身が「政権を批判する記事は書くな」と中国と同じようなことを言われた。 タフな質問が飛んでくる日本外国特派員協会の記者会見に安倍総理は一度も応じなかった。 第4章 メディアの自壊 メディアには権力を監視するという使命があるはずなのに、日本はメディア同士で喧嘩している。 A社に官邸から圧力がかかると、Y社もS社が追い打ちをかけるようにA社を非難したりする。 新聞社は販売部数競争もしているが、どこも年々部数が減っている。他社攻撃はメディア不信に繋がるだけだ。 第5章 ネット右翼と安倍政権 安倍政権はネット右翼を利用した。 左翼の批判的投稿へのバッシングは自ら手を下さずネット右翼にまかせた。 第6章 権力vs調査報道 朝日新聞が権力側から圧力を受けた時の様子が第4章の補足のように書かれている。 第7章 失われる自由 「世界報道自由度ランキング」で70位前後を行き来している日本 安倍政権になってすぐ、特定秘密保護法を成立させたことが大きい。 取材記者も委縮させるが、重要な秘密を握る情報源の口封じとなり、内部告発者が逮捕される含みを持たせた。 何が特定秘密かは、各省庁が決めることができるので、にらまれたら摘発されてしまう。 重要な情報については、ハッキングされ外部に流出されるニュースがしばしば報じられる。 デジタル後進国の日本は危機感が薄く、日本政府や企業が被害に気づいていない可能性もある。 第8章 不確かな未来 日本の新聞発行部数は激減している。 ニューヨークタイムズは「ウェブサイトを持つ新聞社」から「新聞を持つウェブサイト」になった。 外国人特派員の間では「日本の世論調査は全然信用できない」と言われている。 自社の論調を入れ込んだ誘導尋問のような世論操作に見えるようだ。 内閣改造後の岸田内閣支持率を列挙してみると、 読売35%、朝日37%、毎日25%、東京39%、産経39%、日経42% だった。 質問内容、調査対象者、調査人数まで調べていないが、毎日と日経の差は大きすぎる。 YAHOOニュースの16万人の投票結果だと、「全く期待しない」が90%超えてるんだけど…
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その国の国民ではないからこそ、その国の在り様が見えてくるということはあるのだろう。 とりわけ、筆者が長く携わってきたジャーナリズムという観点からみても、わが国の大手新聞やテレビというメディアのジャーナリズムは、特に第二次安倍政権以降、「表現の自由」という点に関して、危機に瀕してい...
その国の国民ではないからこそ、その国の在り様が見えてくるということはあるのだろう。 とりわけ、筆者が長く携わってきたジャーナリズムという観点からみても、わが国の大手新聞やテレビというメディアのジャーナリズムは、特に第二次安倍政権以降、「表現の自由」という点に関して、危機に瀕しているのである。 しかし、かつては首相の金脈を追求して退陣に追い込んだジャーナリストもいた。そんなジャーナリストの系譜を受け継ぐ新たなジャーナリストが、今までとは違うメディアを駆使しつつ、「権力の番犬」となることを信じていたい。
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※このレビューにはネタバレを含みます
この書籍に出会えて本当に良かった。自分の視野がまた広がった。 著者は、政治家や官僚などのエスタブリッッシュメント(支配層)による一体的な支配に対して日本の報道メディアが危機にさらされている現状を分かりやすくかつ危機感をもって解説している。 横の連携がない日本のタコツボ型ジャーナリズムに対して「なぜ会社の垣根を超え、権力と対峙して朝日新聞を擁護しなかったのか。このジャーナリズム精神の欠落こそが、日本の民主主義に大きな危機を招いている現実をメディアの人間は直視しないのだろうか。」「記者クラブメディアの一つの問題点は、記者クラブに所属している記者が取材先のコピーになってしまうことだ。価値観や問題意識のもち方に至るまで、記者が取材先と全部同じになってしまう」などと厳しく叱咤する。一方で政権による国民への説明に対しては、「記者から次々とタフな質問を浴び、完全にアドリブで答えていく。これが民主主義国家のあるべき記者会見のスタイルだ。」と主張する。 「吉田調書」「吉田証言」を巡る朝日新聞の対応を例に、安倍政権が朝日新聞をバッシングするために慰安婦問題を政治利用したことや、メディアが朝日新聞を批判するための論調に固執したことなど、コトの本質を報道できない朝日新聞を含む日本のジャーナリズムの危機を伝えている。 権力を監視するはずのジャーナリズム及び監視手段としての「調査報道」の衰退に対する危機感が伝わる迫真の一冊だ。
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