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世界の「住所」の物語 通りに刻まれた起源・政治・人種・階層の歴史
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 原書房 |
発売年月日 | 2020/09/19 |
JAN | 9784562057917 |
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世界の「住所」の物語
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商品レビュー
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8件のお客様レビュー
「『住所』が無いと何が起こるのか」 手に取った本のテーマが普段じっくり考えないものだと、大抵面白くないと感じて終わる。(※あくまで個人の見解です) 本書を高評価したいと思ったのは、上記のテーマが(邦訳のタイトルを裏切らず)物語形式に進行されていたから。それも面白く味付けされて。 ...
「『住所』が無いと何が起こるのか」 手に取った本のテーマが普段じっくり考えないものだと、大抵面白くないと感じて終わる。(※あくまで個人の見解です) 本書を高評価したいと思ったのは、上記のテーマが(邦訳のタイトルを裏切らず)物語形式に進行されていたから。それも面白く味付けされて。 著者(作家。米ノースカロライナ州出身、ロンドン在住)が調査した世界各地の「住所」にまつわるストーリーが集結。「住所」という概念はどのようにして誕生したのか、また、人は住所に何を求めているのかが綿密に記されている。 次の行でいきなり別の人物紹介に突入したりと、人によっては戸惑うノリかもしれないが、個人的には逆にノリノリで読めた気がする。(うまく表現できないけど、相手の話が突然変わっても面白いから「うん、何なに?」と許せちゃう感じ笑) 全体的に「通り/ストリート」の命名をめぐる話が目立っていた。どんな名称にするかでその場所の印象や歴史的意義が変わってきたりする。 イギリスでは「〇〇ストリート」という住所にある物件の平均価格は「〇〇レーン(lane)」の住所の物件の平均価格の半額以下なんだとか。専門家曰く「ストリートチルドレン」など、「ストリート」から良からぬ響きを連想してしまうらしい。なかなかに面白い一例だったし、ふと『メリー・ポピンズ』のバンクス家を思い出した。中流家庭にあたる彼らの住所は、「桜通り」(Cherry Tree Lane)である。 東京の章もわが国のことながら新鮮だったなー。 東京では通りに名前をつけるのではなく、区画に番号をつけている。通りは区画と区画の間にある空間でしかない。ストリート名について国単位で揉める理由がいまいちイメージできなかったのはこのためか、とここで判明した。 区画を重んじる秘密を「西洋人と日本人の(文字の)書き方の違い」に見出した専門家も笑けるくらいに鋭い笑 文字を練習する際西洋人は線の上であるのに対し、日本人はマス目の中に文字を書いていく。都市デザインにおいても西洋人は線(通り)を、日本人はマス目(区画)で見るようになっていったのではないか? 日本人の、(何事においても)全体を見渡すのが苦手な特質も、まさかここから来ているのか…?! 「住所は人々を貧困から救うもっとも安価な手段のひとつ」 「誰もが顔見知りだから住所は必要ない」というウエストヴァージニアの住人の証言には唖然としたが、世界にはリアルに住所がなくそれを必要としている人々がいる。 郵便物の発送から徴税、警察にとっては逮捕するにあたっての手がかりにもなる住所。しかし彼らにとって住所を持つことは、それ以上の意味合いがある。銀行口座を開設するため、スラム街から抜け出すため、仕事を得るため、アイデンティティの一つにだってなる。 「自分が誰でもない人間ではなく、素性のたしかな人間であることを社会に示すためのツール」という言葉が、このテーマについて気にも留めてこなかった自分を揺るがした。
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おもしろそうな部分だけ読んで終わってしまったが、世界には今も住所がない地域があるということ、住所の由来、住所がどうやって決められてきたかなどについて、各国の歴史的背景や政治的戦略、民族性、宗教などいろんな要素から考察されていて興味深かった。
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住所について考えたことがなかったが、住所の歴史から、ある場合とない場合のメリット、住所がもたらす議論について多様な国や社会の観点から触れていて、とても面白かったです。
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