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遠くの街に犬の吠える ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2020/09/12 |
| JAN | 9784480436917 |

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遠くの街に犬の吠える
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商品レビュー
4.4
15件のお客様レビュー
遠吠えを集める冴島くん 編集者の茜さん 茜さんの友人の代筆屋の夏子さん 筆者の吉田さん 白井先生の教え子だったり かつて先生の元でアルバイトしていたり どこかで白井先生と繋がっていた4人 白井先生が亡くなって 改めて思うこと 先生の青いインクのにじんだ文字 夏子さんとの思い出 そ...
遠吠えを集める冴島くん 編集者の茜さん 茜さんの友人の代筆屋の夏子さん 筆者の吉田さん 白井先生の教え子だったり かつて先生の元でアルバイトしていたり どこかで白井先生と繋がっていた4人 白井先生が亡くなって 改めて思うこと 先生の青いインクのにじんだ文字 夏子さんとの思い出 そんなことを辿りながらも 冴島くんは聴こえる遠吠えを探していくし、 茜さんは天狗の詫び状を見に出かける 白井先生の『本は声ですから』の 言葉通りこの本からさまざまな 声を聴いたような気がする 時々遠くを見つめる癖は 自分もある その時何かを聴いていたのかそれは わからないが あるいはメガネが曇っていたかもしれない 天狗の詫び状は本当にあるようです ぜひ見てみたい 羊羹もいただきたい 天狗は大好きなので‥
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遠くから聞こえる、それは距離だけでなく時間、感情的な点での。 事実とフィクションないまぜの、あわいの時間の冒険ストーリー。 吉田作品らしく、繰り返しのモティーフが後の疑問の手がかりになるスタイル。 もう二度と戻らない人と時間との遠い記憶を手繰るような、かそけき柔らかな物語だった。
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「✕✕になった✕✕✕✕✕の✕✕✕✕は「音✕✕✕者」だった。おもに✕✕を✕✕とし、✕✕✕✕の中にとどまらず、おおげさに云えば、✕✕✕の………」 何だ何だ!? こんな伏せ字だらけの文章から始まる本書。 本編に入る前の1ページが、この謎の伏せ字文章にあてられている。 どう読むかは君たち...
「✕✕になった✕✕✕✕✕の✕✕✕✕は「音✕✕✕者」だった。おもに✕✕を✕✕とし、✕✕✕✕の中にとどまらず、おおげさに云えば、✕✕✕の………」 何だ何だ!? こんな伏せ字だらけの文章から始まる本書。 本編に入る前の1ページが、この謎の伏せ字文章にあてられている。 どう読むかは君たちの自由ってこと? もう既にワクワクだ♪ と思って読み始めたら、 これは白井先生編集のバッテン語辞典であることが想像できた。 とはいえ分かるのはここまでで、伏せ字部分については相変わらず謎のまま。 やっぱり、どう読むかは私たちの自由ってことだ。 「読めないけれど、そこに物語があるという状況こそ、真に豊かな鉱脈を有していると云える。」 「読めないからこそ、物語は自在に伸縮して、どこまでも変幻しうる。」 遠く過去からやってくる音を拾いたいと集音マイクをかたむける冴島くん。 手際よく押しの強い編集者の茜さん。 学生時代にお世話になった煎餅好きの白井先生。 代筆屋を店仕舞いすることにした夏子さん。 バラバラのパーツであった登場人物たちが、読み進めるにつれ繋がってゆく。 「そこに、偶然は働いていないのか。 それとも、世の中というのは、おしなべてこんなものだろうか。」 「とはいえ」の章が好きだ。 私が知るはずのない白井先生だけど、何故か懐かしいような、自分の思い出の何処かに白井先生が存在しているような、不思議な切なさだった。 「花の降る音」の章も好きだ。 特に、吉田くんが冴島くんの録音した雨の降る“音”に“濡れる”シーンが好き。 そのうちに雨が小降りになって、風が頬を撫で、ふと気付くと花の降る音に包まれていたという素敵なシーンだ。 ラストの「天狗の詫び状」の章にはじーんときてしまった。 夏子さんは先生からの最後の手紙を本当に捨ててしまったんだろうか。 いや、読んでいるはず! だから急に女性らしく変身し、引っ越し先についても「なんだか変わりたくなくて...」なんて茜さんに明かしたんだ! 白井先生の、ここにある確かな気持ちが、どうか夏子さんに通じていますように。 本書の作りも素敵だった。 タイトルページが見開きのモノクロ写真であることも、 本編が数行書かれてからタイトルページへと移行するのも、 素敵な作りだなぁと思った。 冒頭の伏せ字だらけの文章にしても同様だが、吉田さんの仕組んだ素敵な仕掛けを逃さず味わいたくて、1ページ1ページ、大切にページを捲った。 毎度のことながら、あとがきも素敵だった。 「人は、夜のさみしさや心もとなさを紛らわすために様々なものを発明しました。小説もそのひとつです。夜ふけにひとり静かに本を開くことは、ページの向こうにある遠くの街に耳を澄ますことでもあるでしょう。」 (遠吠えの聞こえる夜―後書にかえて より) 「文庫版のための後書」が添えられていたのも、ファンには嬉しいところ。 「つむじ風食堂の夜」の十字路の「十」を一捻りすると「✕」になり、 「その変貌ぶりに、少々うろたえました」 というお話も楽しい。 そこからの、 「「✕」=バッテンとは、いったい何でしょう」 との読み込みも興味深かった。 「この、正と負の共存―――「ない」と「ある」の共存を引き受けた「✕」という記号にいたく感じ入って、この小説を書きました。」 と吉田さんは仰有る。 ということは、この小説を通じて吉田さんが仰りたかったことを、白井先生が代弁していたのかな。 物語は“吉田くん目線”で語られるのだけれど、主役は白井先生のように感じられた。 白井先生がどうか思い残すことなく一生を終えられていますように。 いや、それならきっと大丈夫だ。 その事は、夏子さんへ宛てた白井先生の最後の手紙が証明してくれている。。。
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