遠くの街に犬の吠える の商品レビュー
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結末に驚かされた。羊羹の例えが最も言葉を追求した感じがして心に残ってる。聞こえないものを聞こうとしながら読み進めていたのか、やけに気力を使う1冊だった。
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黒いようで透明なところもあり、澄んでいるようで何ひとつ見えない闇でもあり。 羊羹の描写が美しい。 読み終わった吉田篤弘さん作品の中で暫定1位です。 面白かったし、切なかった。
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内容がとっちらかっていてそんなに長い話でもないのに読むのが疲れた。 大きな3つの話の軸が無理やり交わり伏線回収としては気持ちのいいものでは無かった。 作品の黄昏た雰囲気は好み。
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ひと昔前の、雑居ビルや、懐かしい雰囲気の飲食店。 たそがれどきの、路地裏の静けさの中で、ふと耳にする犬の遠吠え。 吉田篤弘さんらしい、何とも言えない涼やかで澄んだ空気が流れています。 音で世界を見るようになった冴島君と、「音で小説を描いてみませんか」と提案してきた茜さんと、小説...
ひと昔前の、雑居ビルや、懐かしい雰囲気の飲食店。 たそがれどきの、路地裏の静けさの中で、ふと耳にする犬の遠吠え。 吉田篤弘さんらしい、何とも言えない涼やかで澄んだ空気が流れています。 音で世界を見るようになった冴島君と、「音で小説を描いてみませんか」と提案してきた茜さんと、小説家の吉田さんが登場するのですが、物語の主役は、もう少し別の所にありました。 とても密やかな恋のお話です。 膨大な量の声や音や映像がこの空気中を飛び交う中で、ラジオをチューニングするように、耳を澄ませば聞こえるのでしょうか。 封印されてしまった言葉たちが。 手紙には、電話と違って、時間のずれがあります。 幾つもの「偶然」によって織りなされる、吉田篤弘さん独特の世界。 手紙という響きが奥ゆかしく、もどかしく、胸がいっぱいになります。
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吉田篤弘さんの作品は、 読み終わるとふんわりあたたかい気持ちになります。 今のままでいいんだよって、 優しく包み込んでくれる作品。 そして登場人物がみんな素敵です。 それぞれ自分の生きる道をしっかり歩いていて、 周りと上手に調和しながら、 街に溶け込むように生活する。 この...
吉田篤弘さんの作品は、 読み終わるとふんわりあたたかい気持ちになります。 今のままでいいんだよって、 優しく包み込んでくれる作品。 そして登場人物がみんな素敵です。 それぞれ自分の生きる道をしっかり歩いていて、 周りと上手に調和しながら、 街に溶け込むように生活する。 この時間の流れ方が大好きです。
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初めてかもしれない、吉田篤弘さんの本を読んで泣いたのが。自然と体言止め的文体(話に出てくるおじさんもそうだった)になることはともかく、一気に引き込まれて気づいたら読み終わってた、どんどん、スルスルと、、紙質は分厚いけど辞書みたいにページめくりしやすくて、ザラヌルリとした紙をめくる楽しさも相まってなのかとにかく一気読み。 次の章に移るときの余白も好き、”銀盤“を聴いてるかのような、合間の空間を想像。 その余白に写る薄っすらと反転した文字を眺めてこれも何かのメッセージなのかと考えすぎたり、しばらく余白に写る反転文字を眺めてぼんやりしたり、急にぼんやり解消したり、ぼんやり解消の暁には「魔が差す」ってこのこと!って思ったり、魔が差すに至っては吉田さんの別の本で出てきたエピソードの「間が差す」にリンクしてもうツボです。この頃にはツボにどハマりして読むのをやめられない。 吉田さんにどハマりし続けてる理由が多分ここにあります。 気づく人は気づくような、些細で穏やかな繋がりを見つけて1人にやついてしまうようなこの感覚がとても好き。 とにかく最後の章は声に出して読まれるための文章というか、本を読む時って自然と自分の心の声が喋り出すんだけれども、その声が段々震えてきて泣いた。 人を思うときの気持ちを言語化する難しさ、それを改めて感じ取り、あえて言語化しなかったことがとても印象的で、というか言語化しない方が良いこともあるのかもしれない、と何でも言語化してもらわないと理解できない私はようやく気付きつつある。
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こんな素敵な終わり方、、泣いちゃう。 わたしは、人は誰かに想われることで輝けると考えてる。 だからきっと読んだと思う。それで女性らしくなったんじゃないのかな。 吉田さんの本を読んでると、白黒つけられないこととか、考えが変わっちゃうこととか、そういうニンゲンらしいふるまいが認...
こんな素敵な終わり方、、泣いちゃう。 わたしは、人は誰かに想われることで輝けると考えてる。 だからきっと読んだと思う。それで女性らしくなったんじゃないのかな。 吉田さんの本を読んでると、白黒つけられないこととか、考えが変わっちゃうこととか、そういうニンゲンらしいふるまいが認められて、やさしく包み込まれているようで、うれしくなる。
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吉田さんの他の作品と同じように、抑揚があり温度の変化があり小さなひとつひとつがつながっていく感覚がありました。 しかしながらこんなにもドラマティックな結末は予想していませんでした。そこがまたいいのですが。 柚利子伯母さんの北極星のような美しさを、白石先生にも垣間見たような気が...
吉田さんの他の作品と同じように、抑揚があり温度の変化があり小さなひとつひとつがつながっていく感覚がありました。 しかしながらこんなにもドラマティックな結末は予想していませんでした。そこがまたいいのですが。 柚利子伯母さんの北極星のような美しさを、白石先生にも垣間見たような気がします。自分の手の届かないような崇高なストーリーと思いきや、自分の身近に存在するものを愛おしく思える小説でした。
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遠吠えとは何なのか。 帯に書かれているものがそれなのか。 不思議につながっていく物語の数々。。
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せつない。 忘れ去られた言葉も、声も この物語も みんなせつない でも、私も手紙が好きで、時々友達に送るのです。 封筒の中身は過去なのか。 今回、これを読んでそれがありありと。 吉田篤弘さんの世界観、やっぱり好き。
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