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思考の技術 新装版 エコロジー的発想のすすめ 中公新書ラクレ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2020/08/07 |
JAN | 9784121506962 |
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思考の技術 新装版
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4.4
15件のお客様レビュー
環境破壊、地球温暖化そして人口の爆発的増加など人類が立ち向かわざるを得ない問題は数多く存在する。何故なら勢い止まず、このまま将来に渡り継続するなら、いつかは人類の生存環境として存在し得なくなる事は容易に想像がつくからだ。近年昆虫食が静かに身近にも近づいている。虫嫌いな私は当然ショ...
環境破壊、地球温暖化そして人口の爆発的増加など人類が立ち向かわざるを得ない問題は数多く存在する。何故なら勢い止まず、このまま将来に渡り継続するなら、いつかは人類の生存環境として存在し得なくなる事は容易に想像がつくからだ。近年昆虫食が静かに身近にも近づいている。虫嫌いな私は当然ショッピングモールなどで開催されるイベントで試食を勧めらても中々手が出ないし、生きている姿を見て食えと言われたら、とてもじゃないが飢え死にした方が良いとさえ思ってしまう。人口の急激な増加は食料不足を引き起こすのは間違いなく、加えてそうした地域は発展途上にある事が多いため、エネルギー不足や工業化に伴う環境汚染を助長する可能性も高い。益々地球は温暖化し、南北両極上空のオゾン層破壊により、皮膚がんの増加なども引き起こす。近年、持続可能な開発目標を立てて環境を守ることを高々に宣言した世界であるが、こうした団結が生まれてくるあたり、いよいよ地球の危機も目前に迫ってきた事を証明しているかのようだ。 本書は1970年ごろの著者立花隆氏の処女作であるから、ゆうに50年以上前のものではあるが、既に現在の地球規模的課題を先読みしたかの如く、想定したリスクはほぼ現実のもとなっている。当時はまだまだ日本が急激な成長を続けている最中であり、社会は大きく変異していたであろうから、その中に違和感を見出して将来に向けて警鐘を鳴らした様に思える。人類よ自分たちだけが地球を棲家にしているのではない、と言う声が聞こえてくる様だ。立花氏はその様な状況に於いて、人々が地球と共存し、深い関係性の中にいる事にもっと目を向けて考えよ、といってくれている。人間の存在や営みは地球上の凡ゆる生物の活動と関係があり、人類がひとたび自分たちの利益のみを優先しようとするなら、それは関係性を部分的に破壊し、結果的に自分達へのしっぺ返しとして戻ってくる。地球上の食物連鎖も、植物の光合成も、宇宙線から我々を守る大気の存在も、それら全てが微妙かつ複雑に絡み合う事で、今の地球がある。それぞれの持つサブシステム同士が接続され地球というトータルシステムが成り立っているのだ。 生態学を考える時、この凡ゆるものの関係性を少しずつ調査解明していく手段が用いられるが、科学物理の様な明確な解は見当たらない。何故なら地球上には我々人類が到達できていない地、発見されていない生物種、この瞬間にも環境変化にうまく対応し進化を遂げる新たな種が生まれている可能性さえある。だからあくまで知り得た知識の中から、より関係性の深い事象を並べ繋ぎ合わせていく事で、新たな解を作り上げる。この流れは普段我々が何か事を起こそうとした時、成し遂げようとした時に自然と頭の中で実施している思考の技術に近い。筆者は更に関係性を維持していくためには、この複雑に絡み合う生態系を維持する事をメインに据えて思考すべきと訴えているようだ。過剰・極端が生み出す人々の行為は前述の様な生態系の破壊や、現代の地球課題の多くに繋がっていくのではないだろうか。 一方ではモノが溢れ手に入れては棄てる事を繰り返す先進国。その一方で1日1ドル以下で生活せざるを得ない貧困国。戦争とは無関係にソファに寝転がってスマホゲームに興じる人々。ミサイルの爆風に窓ガラスが吹き飛ばされ、身体中に傷を負いながら寒さに震える戦禍の人々。人類の間でさえ関係性を希薄なものに置き換えてしまう思考回路。自分さえ良ければ良いと言った考え方は、やがて自分達の首を強く締め上げる事になりそうだ。そうなる前に氏曰くエコロジー的発想で物事を思考していく技術を身につけ、それを磨き続けることが重要だ。
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立花隆氏の処女作。 文系理系関係なく、上流から下流まで大局的な視点で物事を捉える事の大切さを感じさせる。
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先般読破した『評伝立花隆』を経て、原点に立ち返ろうと読んだ「知の巨人」立花隆氏のデビュー作『思考の技術』(新装版)。本書が提唱するエコロジー的発想は「自然の英知で脳を鍛えよ」。新カント派の発想に基づくという高校から文系と理系に分かれるのが通例である我が国の教育制度に対し、自然科...
先般読破した『評伝立花隆』を経て、原点に立ち返ろうと読んだ「知の巨人」立花隆氏のデビュー作『思考の技術』(新装版)。本書が提唱するエコロジー的発想は「自然の英知で脳を鍛えよ」。新カント派の発想に基づくという高校から文系と理系に分かれるのが通例である我が国の教育制度に対し、自然科学と人文科学という2つの科学の必要性を認めないシカゴ学派。物体の存在から精神の作用に至る全てを貫通する基本的な法則性を見出しうるとする立場が科学主義。文系と理系を一体で考える教育が必要ではないだろうか。
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