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映画にまつわるXについて(2) 実業之日本社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 実業之日本社 |
| 発売年月日 | 2020/08/05 |
| JAN | 9784408556147 |
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映画にまつわるXについて(2)
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商品レビュー
4.5
5件のお客様レビュー
西川美和監督のエッセイ。 僕は西川監督の映画がかなり大好きなので、こんないい台詞や画がどうやって生まれてくるのか、どんな人から生まれてくるのか、とても興味がある。 随筆を楽しむような時間や心の余裕を数年ぶりに取り戻したので、kindleで購入し、二晩ほどかけて寝しなに愉しんだ。...
西川美和監督のエッセイ。 僕は西川監督の映画がかなり大好きなので、こんないい台詞や画がどうやって生まれてくるのか、どんな人から生まれてくるのか、とても興味がある。 随筆を楽しむような時間や心の余裕を数年ぶりに取り戻したので、kindleで購入し、二晩ほどかけて寝しなに愉しんだ。 「カエルとダザイ」を読んで、 日本の少年少女の一部が通過するダザイは、 欧米の少年少女の一部が通過するJoy Divisionかな、って思いました。 なんの脈絡もないけど。
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映画を観るのは好き。 だけど、映画の製作過程についてあまり思いをよせたことはなかった。 このシーンいる?批評的な見方だったり、こんな気持ち悪い置物どこに売ってんねん!下世話なツッコミだったり。映画・監督・自分の三角形の内でおさまるような感想ばかり話している。 もちろん一つの映画に...
映画を観るのは好き。 だけど、映画の製作過程についてあまり思いをよせたことはなかった。 このシーンいる?批評的な見方だったり、こんな気持ち悪い置物どこに売ってんねん!下世話なツッコミだったり。映画・監督・自分の三角形の内でおさまるような感想ばかり話している。 もちろん一つの映画に大勢の人がかかわっているのは知識としてある。どんなに退屈な映画にも長い長いエンドロールが流れるからだ。 このエッセイはエンドロールについての話が多い。 映画に身をひたす人の、息継ぎの瞬間をパシャリとカメラでおさめたような。だから写った顔は、時に鬼の形相をしている。 もちろん被写体は他人だけでなく、作者も含まれている。 その諸刃のジャッジは読者に対して誠実だし、真実ぽい何かをみいだす。 泳がせて泳がせて息を吸い込む状況を演出し、描き出す。その方法には悪意がみえる。と言っちゃっていいのかもしれないし、また魅力でもある。 映画って、こんなにも面倒くさいんだ。 その面倒くさい手順を辿ってでも、表現したい何か、撮っておきたい何か。 文体はエネルギッシュでとっつきやすい。すらすら読める。例えもドラマチックだし画が浮かぶのも面白い。 西川美和さんの映画も本もみたくなる一冊だった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本も、前作に続いて映画作りにまつわる色々なことと、プラスアルファ短編小説と全く別な形のエッセイ。時期的には「永い言い訳」を着想し、制作している時期が多いようだ。「永い言い訳」は本木雅弘さんが主演で、モッくんはNHKの「坂の上の雲」で秋山真之を演じてめちゃくちゃ好きになったのだけど、意外にめんどくさい性格で、この映画の主人公幸夫と本当に同じみたい。でも、このエッセイを読んで、西川監督のこだわりも思った以上に凄くて、なかなかご一緒するのは難しそうな感じがしました。それは仕事の面でも、仮にプライベートな知り合いであっても・・・そういうこだわりがあるから、着想が生まれて、こだわりのある作品が作れるのだろうけど、身近にいたら一言で言うとめんどくさいかな。 一番の違いは、我々は効率を優先しがちで、100点を取ることではなく、どうやって効率的に合格点の60点を取るかという思考をしがちで、かつ行動は真にそのもの。でも、一本の作品に何年もかけて、手作りで作品を作る人たちはやっぱり妥協を許さない。何が違うのか説明できなくても、違うものは違う。「こんなもんでいいか」がない。そして、その分私生活は意外にルーズそう。なかなかこういう人達とは生きている世界が違うなと、何かそんなことばかりを感じてしまいました。 ・ものを作るのに、必要なものは何か。アイデア、情熱、才能、自信、金、愛情、怒り、希望、欲望、羨望、人望、その他各種色々だろうけれど、〈孤独は、人のふるさとだ〉と言った 坂口安吾 のことばの通り、さびしさに身を沈め、じっと孤独と詰める瞬間がなければ、作り手の中の鬼は物語で踊らない。 ・映画は俳優本人の根っこにあるものを映し出してしまう。嫌な人間を演じる俳優は、根っこのところではやっぱり『良い人』でないと、観客には愛されない。 ・心に誰かを宿すことで、人は心強さを得ると同時に守りの姿勢が芽生え、迷い、心に波風が立ち、そして何より孤独でいることに耐えられなくなる。
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