英国レシピと暮らしの文化史 家庭医学、科学、日常生活の知恵

エレイン・レオン(著者), 村山美雪(訳者)

• 販売会社／発売会社: 原書房
• 発売年月日: 2020/07/20
• JAN: 9784562057788

商品レビュー

2020/09/21

17世紀、近代初期の英国にて、上流家庭で流行した、
知識のレシピ作りについてを、詳細に解き明かす。
序章　レシピ、家庭、生活の知恵
第1章　近代初期のイングランドにおけるレシピ帳作り
第2章　離れた地から健康と邸宅を守る
第3章　レシピ収集の手順
第4章　近代初期の邸宅のレシピ試験
第5章　家族史を綴る
第6章　売りだされたレシピ
おわりに　邸宅を飛びだしたレシピ
2ページのカラー口絵は、当時のレシピ帳の画像。
原注(参考文献を含む)有り。
17世紀の英国上流家庭で、大切で貴重だったのは“レシピ帳”。
主人や女主人により筆記帳に書き込まれたレシピの数々は、
料理のみならず、食料保存と備蓄、家庭薬、家事、栽培や酪農等、
健康を保つことの大事さと邸宅の管理・運営のために必要な
内容が集められています。用途により携帯帳・中継帳・清書版が
あること、家族や親類、社交・交友によるレシピの入手や、
レシピ作りのノウハウもわかります。
また、家族に残す大切な家族史としての、レシピ帳の位置も。
生活の文化史の一端を担う史料という一面も内在しています。
家庭環境が自然研究や科学の探求に不可欠な要素であることは、
エリザベス一世～名誉革命の時代である17世紀の、
科学や医療の状況が垣間見られて興味深いものでした。

2020/07/26

具体的なレシピが書いてあるというよりは純粋な文化史の本に近い。歴史と伝統を感じる。特に医学に関する知識はかなり綿密に調べられている。