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イスラームからヨーロッパをみる 社会の深層で何が起きているのか 岩波新書1839
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2020/07/20 |
JAN | 9784004318392 |
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イスラームからヨーロッパをみる
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商品レビュー
4.1
8件のお客様レビュー
イスラーム圏に少しでも身を置いたことがあるものとして、友人にも多くのムスリムがいる一人の日本人として、もっと早く読んでおくべきだった本。 一部の国では「宗教を批判することも、神を冒瀆することも、表現の自由のうちに含まれる」は想定外で「自由」のレベルが我々の想像を絶していることを...
イスラーム圏に少しでも身を置いたことがあるものとして、友人にも多くのムスリムがいる一人の日本人として、もっと早く読んでおくべきだった本。 一部の国では「宗教を批判することも、神を冒瀆することも、表現の自由のうちに含まれる」は想定外で「自由」のレベルが我々の想像を絶していることを理解した。 いくら文字で「自由」と記載しても理解が違うんだな…そりゃぁ、お互いを分かり合うことは難しいし、共存も難しい。ただ、お互いを「尊重」することはできると思うのは日本人だからなのだろうか。いや、そうであって欲しくはない。
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先日「イスラエル」という本を読み、ユダヤ教とヨーロッパの関係について理解を深めたので、次はこちらでイスラームとの関係について知ろうと思った。 まずイスラーム、イスラム教の教えについて、私もご多分に漏れず過激なイメージがあったので、そこが訂正された。弱者を救済する、心に平穏をもた...
先日「イスラエル」という本を読み、ユダヤ教とヨーロッパの関係について理解を深めたので、次はこちらでイスラームとの関係について知ろうと思った。 まずイスラーム、イスラム教の教えについて、私もご多分に漏れず過激なイメージがあったので、そこが訂正された。弱者を救済する、心に平穏をもたらす。宗教はみなそうゆうものだと思っていたけど、作者曰く、その他の宗教よりもその作用が大きいように書かれていると理解した。 ジハードで銃を持ちテロを起こす人たちはイスラーム世界の中でもごく一部。 また、ヨーロッパ社会各国の異文化、異民族への考え方も新たな知識となった。フランスのライシテ、ドイツの血統主義など、ヨーロッパと一口に言っても、それぞれの主義主張は違うし、イスラームへの対応も異なる。日本人は排外主義=極右と捉えがちだけど、リベラル層も排外主義に傾いている。 しかしながら、いずれの国も排外的な政策に傾倒していることは間違いない。 そしてそうしたヨーロッパやアメリカ、その他社会の排外的な政策や、イスラームは危険という決め付け、欧米的ポリコレなどの思想などなどが世俗的だったムスリムさえもイスラームに再覚醒させたのではという筆者の指摘は納得だった。 このところ、イスラエル、ロシアプーチン大統領に関する本を読んでいて、共通するところは、欧米諸国が自分たちの考え方を正として、相手のことを理解しようともせず、押し付けていることが火種となっている、ということだと思う。 流行りの言葉でメタ認知の重要性をより感じる本(たち)だった。
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現代イスラム地域研究が専門の著者が、イスラム側から眺めた現代の相克。西欧の視点、キリスト教の側からイスラムを分析したものを読むことが多かったから、バランスをとる意味でも有益な本だった。特に地理的にも歴史的にも東西の文化が交わるトルコに関する記述は学びが多かった。 「多文化主義」と...
現代イスラム地域研究が専門の著者が、イスラム側から眺めた現代の相克。西欧の視点、キリスト教の側からイスラムを分析したものを読むことが多かったから、バランスをとる意味でも有益な本だった。特に地理的にも歴史的にも東西の文化が交わるトルコに関する記述は学びが多かった。 「多文化主義」という言葉も、この本を読みながら定義しなおすことができた。フランスの世俗主義、ライシテ、公的領域における非宗教性と、すべての宗教を平等に扱う制度の異同。非宗教性が国家原則になっているということは、多文化主義が根付く素地がない、という解釈。コミュニティごとに分かれて国家に参画するという考え方と、人種でも民族でもなく、個人として共和国の一員となるなら受け入れる、というスタンスの違い。オランダの歴史を読みながらこの部分がよく理解できた。
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