旅をする本 開こう、心おどる読書の扉

丸山晃(著者)

• 販売会社／発売会社: ラグーナ出版
• 発売年月日: 2020/07/01
• JAN: 9784904380956

商品レビュー

2023/10/05

ラ・サール校の英語教諭である丸山晃さんによる80冊の「私的読書案内」。
元々は生徒たちへ向けて取り組みが始まった読書案内冊子を、10年を機に一般に向け書籍化したもの。
内容は
・紡ぐ...言葉×物語
・伝える...人間×ノンフィクション
・暮らす...家族×鹿児島
・学ぶ...学校×先生
・訪れる...岩手・宮城×沖縄/日本自転車紀行・三陸海岸旅日記
・働く...仕事×社会
・考える...葛藤×哲学
・想う…人生×共感
・旅をする1…世界×多様性
・旅をする2…日本×追憶
卒業生からの寄稿、
あとがき
からなっています。

まずこれが中高生向けとは、さすがラ・サールの生徒だなと思う内容でした。
本と旅の大好きな若い先生による好奇心いっぱいの一冊で、どの本も読んでみたくなりました。
文章もとても面白くてページを捲る手が止まりませんでした。
本の紹介でありながら、人や自然との向き合い方、生き方、様々ことを深く考えるきっかけや気づきにもなりました。
いい歳をした大人でも本当に楽しめた一冊。

2021/02/07

ラ・サール学園の英語教師が生徒たちにおすすめしてきた本の紹介文をまとめたもの。普段教壇に立って授業をしている人が書いたせいか、テンポがよくとても読みやすい文章でした。まるで、お話をライブで聴いているかのようでした。
本の紹介が話のベースになっていますが、あくまで多くの文字数を割かれているのは、ご自身のこれまでの体験談です。そしてその体験にリンクさせて本から感じ取られたことを書かれています。
最後のラ・サール学園の卒業生さんの文章でも書かれていましたが、本は読む人によって思い出させるものや、学ぶものが異なるのですね。「人生の体験に読書を織り込む」という発想はなるほどなと思いました。
紹介されている本は7割近く始めてタイトルを聞くものばかりでしたが、よ全部読みたくなりました。そして、また読み終える度に、この本の感想を見て、丸山先生と心の中で意見交換するのも楽しみです。

2020/09/13

地球っこさんのレビューを読んで、絶対に読みたいと思って取り寄せた本。
地球っこさんはsagami246さんのレビューをみて読まれたとのこと。

ラサールの英語教師である著者が生徒達のために紹介した80冊。
だけど書評だけじゃなく、著者の想いがぎゅっと詰まった一冊。

知り合いに、子供から「どうして勉強をしなければいけないの？」と聞かれて困っていると聞かれて答えたことがあったけれど、この本にもヒントがたくさん込められているように思いました。

この本に出会えたことに感謝です。
ずっと手元に置いておき、何度も読み返したいと思いました。

メモ
雨の日には雨を聴きなさい。心も体も、ここにいなさい。あなたの五感を使って、今を一心に味わいなさい。そうすれば分かるはずだ。自由になる道は、いつでも今ここにある。

「見つめる」という行為は、頭脳を澄み切らせ、言葉に磨きをかけること。

質問する、問い返す。

教育の目的というのはいろいろあるでしょう。その中で、教育を通して「"自分でメシを食える力“＝”自分でカネを稼げる力”と言うことは、とても大切なことだと思います。学生でいる間に、じぶんできちんとお金を稼ぐことのできる力を身につけて欲しい。率直な願いです。もちろん知識上・技術上のことばかりではありません。時間を守ることができる、きちんと挨拶ができる、失敗したら素直に謝る。そういうあらゆることが、「自分でカネを稼げる力」になっていくのだと思います。

「人は誰かを幸せにするために生きているんだよ。」

卒業生から
「読書を織り込みながら人生を編んでいく楽しさを少しでも伝えられたらいい」という控えめに呼び込むようなこの本のメッセージに、とても共感したところです。