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死を受け入れること 生と死をめぐる対話
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 祥伝社 |
発売年月日 | 2020/07/01 |
JAN | 9784396617301 |
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商品レビュー
3.6
11件のお客様レビュー
『小堀)何年か前の有識者会議では、二〇二五年に介護難民が四三万人になるという数字が出ていました。介護要員が足りないから、都内から地方へ移住したほうがいいという記事も出ていました。 養老)介護施設も足りなくなるでしょう。東京の人口が増えているのは、基本的には老人の流入なんです。それ...
『小堀)何年か前の有識者会議では、二〇二五年に介護難民が四三万人になるという数字が出ていました。介護要員が足りないから、都内から地方へ移住したほうがいいという記事も出ていました。 養老)介護施設も足りなくなるでしょう。東京の人口が増えているのは、基本的には老人の流入なんです。それは、暮らしやすいから。まず、財政的に豊かでしょう。 小堀)子どもが親を呼び寄せるんです。 養老)僕は行きたくないですね。虫が捕れないもん。ここ(箱根)だったらすぐ捕りに行けます。ずっと探していた虫が、玄関にいることだってあるんだから。 小堀)高齢者には無理な延命措置をしなくていいと考える医師が、不具合がある高齢者の検査をしなかったという事例を、親しい人から直接聞きました。それでは、詳しい検査をして必要な治療をやるのがいいかというと、そうとも言い切れないんです』―『第一章 「死ぬ」とはどういうことですか?』 森鴎外の孫と養老孟司の対談、と銘打てば、書籍不況でも話題になる。特に、養老先生が自ら嫌いな病院へ行って検査を受けた結果、心筋梗塞と判り入院した後に出版された(対談は東大病院で検査を受ける前に行われたもの)となれば、その死生観はどう変化したのか、あるいは変化しなかったのか、と養老ファンなら思う筈。しかも対談相手もまた東大医学部の先生だったのだから、さぞ話がぶんぶん飛び回って面白かろう、と想像してしまうだろう。 同い年の同じく東大医学部卒の東大医学部勤務とはいえ、二人に直接的な面識はなかったらしい。まあ教授会に本を持ち込んで暇だからと読んでしまう養老先生なので顔を会わせていても他の科の人のことにそれ程興味はなかったのかも知れない。小堀医師の方は恐らく学年で三つ上の先輩のことは知っていただろうと思う。そしてこの対談は小堀医師の求めに応じて行われたものだと本書にある。 読み始めて直ぐに気付くのだけれど、二人の死生観、もっと言えば価値観はまるで水と油のように違う。どちらがいいとか悪いとかでは、もちろん、ないのだけれど、どうも二人の会話が噛み合っているようには読めない。但し、対談の雰囲気は文字に起こされた段階で消えてしまっているだろうから、そうと断定もできないのだけれど。ただ、巻末の小堀医師の言葉にもこんな風にある。 『初対面の日から、養老さんは"養老ワールド"から一歩も出ない人であることが判明した。私が"小堀ワールド"から一歩も出ない人間であることは、物心ついて以来自覚しているから、対談が成り立たないのではないかと危惧したが、案に相違して支障なく進行した』―『おわりに』 一方の養老先生は冒頭でこんな風にも言う。 『私の場合は、死から生を見るということで、視点が普通とは逆転してしまう。その二人の対談がどういう結果になったかは、本書の読者の判断ということになる』―『はじめに』 身体の不具合を既に感じていたのか、養老先生の言葉にいつもの調子が出ていないようにも感じるが、考えは違えど「死」と長年向き合ってきた人との対話で発せられる言葉はより芯に近いものとなっているようにも思う。そして同じく多くの死に接していても死生観が異なる相手に対して、より丁寧に自分自身の言葉の背景にあるものを語っているようにも。養老ファンにとってはそこがこの本の一番の魅力ではないかと思う。そして、恐らく小堀ファンにとっても同じように小堀医師の言葉の背景にあるものを知る機会になっているのではないかとも想像する。それにしても対談を進行する人がもう少し上手くやれたのではないかなと思ってしまう対談集。
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死には、1人称、2人称、3人称がある。1人称の死は自分の死だから分からない。問題は2人称の死であることを認識することが大切という。
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養老孟司の対談ものは他にも読んだことがあるが、一気読みしたのは初めてかも。それくらい引き込まれ、そして話の展開も面白かった。
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