100分de名著 共同幻想論 吉本隆明(2020年7月) 戦後、最も難解な本に挑む NHKテキスト

先崎彰容(著者)

• 販売会社／発売会社: NHK出版
• 発売年月日: 2020/06/25
• JAN: 9784142231126

商品レビュー

2023/12/15

先崎彰容氏の著書の中で、本著が一番洗練されており良いと思っている。
大衆の生活人に対する愛情ある視点や、国民がいとも簡単に国家に扇動される危険性など、氏の主たる主張がよく伝わる。
「人間は間違うので、正しさは他者との関係の中でしか得られない」という関係の絶対性についての解説も、学者という以上の深みを感じさせられる。

吉本隆明への尊敬とともに、この『共同幻想論』に先崎氏自身が深く入り込んで解釈していることが良くわかる。
『共同幻想論』とともに、この解説も名著だ。

2021/11/01

難解だぞ難解だぞと脅しながら，迫ってくる感じは，このシリーズに共通か。
　結局幻想が国家になるプロセスはよく分からなかった。対幻想の特殊性もあまり浮き彫りにならなかったように思う。
　まぁ，原著を読みましょうということですかね。

2021/08/20

　100分ｄｅとあるが、150分程度で斜め読み。

　「遠野物語」「古事記」「ニーチェ」「芥川」「マルクス」が飛び交う『共同幻想論』の最終的に言いたいことは何か。

　ざっくり言えば、自立したこの思想が「個人幻想」であり、ニーチェの言う「貴族道徳」であると、そして、ポピュリズムやファシズムに流されルサンチマンに縛られたマッスの幻想が「共同幻想」であり、ニーチェの言う「奴隷道徳」であるとまとめてある、という風に理解した。とりあえず。

10分de感想（2021/08/20筆）