ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う 集英社新書

阿部公彦(著者), 沼野充義(著者), 納富信留(著者), 大西克也(著者), 安藤宏(著者), 東京大学文学部広報委員会(編者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2020/06/17
• JAN: 9784087211245

商品レビュー

2024/05/06

そもそも新指導要領の内実は又聞きレベルでしか把握しておらず、論理国語のような取り組みにたいして、登壇者がそれぞれの専門分野から議論を引き出す様は、単なる国語教育の問題で済まされず、言葉や教育といった壮大な領野に渡ってこの時宜にこそ考えを見つめ直す機会にせねばならないのだと思わされる。

2021/07/23

だいぶ前から気になっていた、読解力と注意力の関係。自分が教えながら感じていたことが、やっぱりそうだったんだと再認識できた。

2021/04/24

2021/4/24

ことばはもとより、文学の在り方に何度もハッとさせられた。文学を読むことは訳の分からない作品の世界に入り、その世界のコンテクストを想像し、理解すること。文学はそういう力を陶冶するんだ、と。これがひいては他者理解の助け、そして世界理解に繋がるのではないか。

ことばは誤解に満ち、表現したいことを表現できない不器用さを備えているが、その前提を理解しなきゃいけないんだと思う。昨今、すぐに役立つとか、すぐに稼げるとか目先のものを追求する態度が人気を博しているが、そのために何かをツール化することは自分が何かのツールと化すことになってしまう。そこには納富先生の言う魂はありえない。