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なんて嫁だ めおと相談屋奮闘記 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2020/05/20 |
JAN | 9784087441161 |
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なんて嫁だ
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202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~...
202110/よろず相談屋繁盛記シリーズ・めおと相談屋奮闘記シリーズ既刊全10作まとめて。毎回平積で新刊を見かけ気になっていたので読み始めることに。最初は、設定てんこ盛り(幼少時に大病、生き物の声が聞こえ会話できる、老舗料理店の長男、鎖双棍の使い手、相談屋と将棋会所を経営)だな~と思ったけど、主人公は勿論、登場人物達が生き生きと描写されているのでこの世界に入り込んで楽しめた。最初は使い物にならずぼんやりしてた小僧の成長ぶりやちゃっかりぶりも微笑ましい。相談事の内容や解決手法等、物語としてパッとしないものや偶然の産物だったりも多いし、自分の好みではない話(将棋会所で皆が艶話や与太話をただただ話すだけとか)もあるし、時代物とはいえ書いている今の時代にそぐわない描写や設定も感じるけど、総じて面白かった。「主人公と話してたら何故か解決してしまう」のと同様、とらえどころのないなんかわからない面白さもあった。 よろず相談屋繁盛記シリーズ(なんてやつだ/まさかまさか/そりゃないよ/やってみなきゃ/あっけらかん) めおと相談屋奮闘記シリーズ(なんて嫁だ/次から次へと/友の友は友だ/寝乱れ姿/梟の来る庭)
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野口卓氏は「軍鶏侍」を読んで、好きになった著者である。 この本は、どんな本なのかな?と、「なんて嫁だ」と、題名に書かれていて、ちょっと前に話題になったような「鬼嫁」(?)なのか?と、思いながら、読み出した。 (笑) なるほど、よろず相談屋の信吾。老舗の料理屋の跡取り息子なのに...
野口卓氏は「軍鶏侍」を読んで、好きになった著者である。 この本は、どんな本なのかな?と、「なんて嫁だ」と、題名に書かれていて、ちょっと前に話題になったような「鬼嫁」(?)なのか?と、思いながら、読み出した。 (笑) なるほど、よろず相談屋の信吾。老舗の料理屋の跡取り息子なのに、3歳の時の大病で、生き延びたのだが、記憶が飛んだり、生きものと話をすることが出来る身体に、・・・で、引き起こす色んな体験談なのか。 そんな信吾にお嫁さんが、・・・・ 夫婦2人共、少し変わっているのだが、どちらも、人の好い所が、・・・・4話からなる話に、どれもかも、表れている。 竹輪の友のジャダレも含めて、色んな所にユニークさを感じる。 第3話の「そろいの箸」も、お嫁さんの波乃は、お嬢様育ちなのに、実の親ともらい子の子ども達のどちらもの優しさを含めて、奮闘。 誰もが幸せに暮らせる世界を理想に、人を良き方向へ指導して、いい世界が広まって行けばよいと、思われる筋書きが、好感が、持てる。 そして、豊富な知識と経験があっても、一部しか見えてない年寄りも居ると、・・・・ 年だけ年数を重ねたけど、耳が痛い(?)話に自分を重ね合わせてしまった。(笑) 信吾や波乃のような 人から見たら、少し変わって見えるかもしれない夫婦の「めおと相談奮闘記」も面白いシリーズになりそうな気配と、思いながら本を閉じた次第ある。
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〈よろず相談屋繁盛記〉シリーズ第六作なのだが、今回からシリーズ名が〈めおと相談屋奮闘記〉に変わっている。 その理由は作中にて明らかになる。 前作でお嫁さんを貰った信吾。とはいえ、まだ仮祝言しか挙げていないので、正式には『押し掛け女房』の段階。 しかし友人知人、将棋会所の常連客に...
〈よろず相談屋繁盛記〉シリーズ第六作なのだが、今回からシリーズ名が〈めおと相談屋奮闘記〉に変わっている。 その理由は作中にて明らかになる。 前作でお嫁さんを貰った信吾。とはいえ、まだ仮祝言しか挙げていないので、正式には『押し掛け女房』の段階。 しかし友人知人、将棋会所の常連客には少しずつお嫁さんとして認知されているようだ。 空き家だった隣家を新居兼相談屋の客応対場所にしたことで、信吾は将棋会所と新居をいったり来たりと忙しない。 そしてシリーズ第六作にてようやく相談屋らしい話になって来た。 まずは瓦版に載った信吾の経歴を見て、自分も家督を弟に譲って新たな道へ行くことを考える青年とそれを留まらせたい母親がやって来る。 この時代、武家も商家も原則長男が家督を継ぐことになっているのだが、言い方を変えれば長男に生まれたからには生き方を選べない。そこに窮屈さを感じたなら信吾のような生き方を羨ましく感じ自分もそうしたいと思う者もいるだろう。現にかつて信吾の友人も同じような悩みで相談していた。 そして翌日にはその青年の弟がやって来る。弟もまた、生まれながらにして家督を継ぐ兄を助け家を繁栄させることが求められている。生き方を選べるといってもせいぜい暖簾分けをしてもらって分家するくらいだろう。なのに兄の気まぐれで振り回され堪ったものではない。 信吾の応対スタイルは至ってシンプル。正直に自分の状況や考えを話している。 自分の病については実家の商売上明かせないところもあるので微妙に表現を変えているが、基本的なラインでは嘘はついていない。 将棋会所の儲けなど慎ましいものだし、相談屋に至っては儲けどころか赤字になることもある。だが逆に何も解決していないのに相手がスッキリして報酬をくれることもあって水物商売だ。 そうしたことを素直に明かしてしまうところが相手に胸襟を開かせる理由なのだろう。 そして新妻(仮)の波乃もまた相談を引き受けることになる。相手は子どもたち。皆親が違うという『もらいっ子』ばかり五人の姉弟と養父母との関係について話を聞いた波乃は、見事子どもたちと養父母の気持ちに寄り添い、答えを考えていく。 信吾も爽快だが波乃も真っ直ぐだ。 これまで人生経験も知識も乏しい若者の自分が、誰かの相談に乗るなんておこがましいことではないかと考えてきた信吾。それでも相談屋の客には彼なりに対処してきた。 今回の作品で、親分さんにも祖母にも、それで良いのだと背中を押して貰えた。つまり若い分、余計な先入観や縛りなどがなく柔軟に物事を捉えることが出来るということを武器にすれば良いのだ。 信吾を前にするとつい腹に溜めていたことを打ち明けたくなるというのも武器になる。 勿論これから失敗もあるかも知れない。だが夫婦二人で力を合わせていけば何とかなりそう、という前向きな結末だったので明るい気持ちで読み終えられた。 親分といえば、波乃が連れてきた女中のモトと何かしらの縁があるようで、これから二人に何か起こるのか気になる。 新しい家族、子犬の「並の上」はそのうち信吾に喋るようになるのか、これも気になる。 純粋過ぎてファンタジー?と思わなくもないが、小説の世界だから良い。
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