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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川春樹事務所 |
発売年月日 | 2020/05/15 |
JAN | 9784758413497 |
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商品レビュー
3.9
41件のお客様レビュー
久しぶりの吉田篤弘さん! 読み終えるのがもったいない…という気持ちで読了。でも『屋根裏のチェリー』『鯨オーケストラ』という続きがあるんだものね。ほくほく。 カナさんの「シを書きなさい」で、外国人にとって難しいという日本語の高低ピッチに気づかされた。オケが音合わせする基準となる音...
久しぶりの吉田篤弘さん! 読み終えるのがもったいない…という気持ちで読了。でも『屋根裏のチェリー』『鯨オーケストラ』という続きがあるんだものね。ほくほく。 カナさんの「シを書きなさい」で、外国人にとって難しいという日本語の高低ピッチに気づかされた。オケが音合わせする基準となる音、「ラ」と絡めて書かれているのも興味深い。 P44 ”どういうわけかカナさんは、「シ」の音を一音上げて発音していた。 それは、ポエムの「詩」ではなく、生き死にの「死」と云うときの音の高さだった。 (略) 僕の中で「死」の音はラの音で、そう思うと、オーケストラが演奏を始める前にラの音を合わせているのがーーもともとそう見えていたけれどーーなおさら厳粛な儀式のように思えた。” カナさんが「シを書きなさい」と言った理由が面白い。今はここにいない人の声や、桜の声を聴いて書き留めておきなさいということなのだと。 P89 ”わたしたちが生きて暮らしている世界がここにこうしてあるということは、わたしたちのいない世界、わたしたちの行ったことのない知らないところがあるということです。その世界のことを一度も考えたり書いたりすることなく、こちらのことばかり考えて暮らしていくのはもったいない。わたしがあなたに、シを書きなさいと云ったのは、そういう意味です。” p154 ”「いい? 太郎君。(略)シの音に表されるものは一冊の詩集に集められた一篇の詩を意味するのか、それとも、命を持ったものがこちらからあちらへ渡っていく死のことを云うのか、(略)わたしには分かりません。それは、わたしの中で分かち難いひとつのものになっていて、だから、平仮名でもカタカナでもいいけれど、シという音、その響きに結晶したものを、わたしはいつでも探しています」” カナさんの編集というものの定義に思わずexatly!と頷く。 編集者の仕事とは、混沌としたものとか、散り散りになってしまったものとか、みんなが忘れてしまったものをひとつにまとめていくこと、ふさわしい輪郭を見つけていくことだと言うのだ。 アルフレッドも同じようなことを言っていたという。 「小さなかけらを拾い集めて、大きな輪郭を見つけ出すこと」。 まさに。だからわたしは編集の仕事で面白いのはそこだ。皆が忘れてしまうことを拾い集めて形を作る。わたしがやらなければ消えていったものたちーーそう思っていた。
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楽しみにしていた本。 物静かにわくわくがとまらなかった。 中盤以降どんどん入り込んでいき、この穏やかな世界観に浸れることがとても幸せに感じる。雨が降っている場面で、現実でも雨が降ってくれて、それもまた気持ちよかった。 吉田篤弘さんの本は、読み終える最後の一行に近くなると少し寂...
楽しみにしていた本。 物静かにわくわくがとまらなかった。 中盤以降どんどん入り込んでいき、この穏やかな世界観に浸れることがとても幸せに感じる。雨が降っている場面で、現実でも雨が降ってくれて、それもまた気持ちよかった。 吉田篤弘さんの本は、読み終える最後の一行に近くなると少し寂しい様なもっと浸っていたい様な気持ちにいつもなる。 続きの「屋根裏のチェリー」がとても楽しみ。
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『鯨オーケストラ』を先に読んでしまったので、あーなるほどこの人物はこういう人なのね、というのが答え合わせが出来た感じ。 鯨オーケストラではすっかり落ち着いた雰囲気だった太郎さんがここでは迷ったり悩んだりと忙しい。 それにしても『鯨オーケストラ』でサラッと書かれていたアキヤマ君の...
『鯨オーケストラ』を先に読んでしまったので、あーなるほどこの人物はこういう人なのね、というのが答え合わせが出来た感じ。 鯨オーケストラではすっかり落ち着いた雰囲気だった太郎さんがここでは迷ったり悩んだりと忙しい。 それにしても『鯨オーケストラ』でサラッと書かれていたアキヤマ君のエピソードは実はかなりヘビーだったのに驚いた。
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