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サガレン 樺太/サハリン境界を旅する
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2020/04/24 |
JAN | 9784041076323 |
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商品レビュー
3.7
31件のお客様レビュー
第1章は鉄道紀行、第2章は宮沢賢治の旅の考察。時代より名前が変えられてしまう島の歴史にも触れていて興味深く読めた。
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前半に惹かれるのは、鉄ちやんだからか。 後半の、賢治の旅が、もう一つ入りこむための鍵を見つけられなかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今年90歳になった私の父は樺太からの引揚者だ。 だから、何度も国境線が引き直された樺太の、父が暮らしていた頃の風景が読み取れたら、と思って読んだのだ。 この本は二部構成になっていて、第一部は著者が寝台特急でユジノサハリンスク(豊原)からノグリキまでを往復する旅。 第二部は宮沢賢治の旅をなぞる旅。 樺太の領有の歴史を整理すると以下のとおり ①1854(安政元)年 全島が日ロ両国の雑居地として定められる(日露和親条約) ②1875(明治八)年 日本は樺太を放棄し、千島列島を領有する(樺太千島交換条約) ③1905(明治三十八)年 北緯五〇度線を国境と定め、その南側が日本領となる(ポーツマス条約) ④1945(昭和二十)年 ソ連が北緯五〇度線を越えて侵攻し、以降、実効支配 こうやって見ると日本とロシア(ソ連)の2国間の問題のように見えるけれど、ウィルタ(オロッコ)、ニブフ(ギリヤーク)、ウリチ(サンダー)、エヴェンキ(キーリン)、サハ(ヤクート)などの少数民族の他にもアイヌ人や南朝鮮の人たちも住んでいた、大いなる雑居地だったのです。*( )内はロシア語読み 他民族多言語の土地だったので、日本語で話していても樺太なまりというのがあったと以前聞いたこともあります。 父の生まれ故郷と言っても今は外国。 遠くて遠い国と思っていましたが、③期の日本では、意外にも樺太は人気観光地だったようです。 というのも島国の日本に陸の国境線があったのは、この時のここだけだったから。 東京に住んでいた時、絵画館の駐車場の片隅にひっそりとある国境標石のレプリカを見てきました。 北海道にも北海道神宮の敷地内と道庁別館の資料室にあるのですが、父は見に行こうとはしませんでした。 国境を見たいのではなく、樺太に一度帰ってみたいのだと言います。 この本を読んで、改めて、父が生まれたのは大日本帝国だった日本なのだと思いました。 以前父に、日本史上の出来事は西暦ではなく紀元(皇紀)で教わったと聞きましたが、それも含めて大日本帝国だったのだ、と。 今、樺太は石油などの資源で景気が良くて、都市化も進んでいるそうです。 その反面日本時代のインフラも残っていたりして、北海道拓殖銀行の建物も健在だとか。 東京から飛行機で行くと、沖縄より近い樺太。 だけど遠いよなあ。 日本からの地図の持ち込みは禁止なんですって。 北方領土が日本の領土として書いてあるから。 こころの距離は相変わらずとてつもなく遠い。 日本がもっと早く降伏していたら、8月6日の広島への原爆投下も、8月9日の長崎への原爆投下も、8月11日のソ連の樺太侵攻もなかったのに、と思う。 思っても詮無いことだけれど、もっと早く降伏していたら…。 そしたら父と母は出逢わないから、私は生まれなかったけれど。 第二部の宮沢賢治の樺太行を巡る旅も面白かったけれど、やっぱり父のことを考えながら読んだ第一部のほうが印象が強い。 もう少し樺太についても勉強しよう。
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