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銀の猫 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2020/03/10 |
JAN | 9784167914554 |
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商品レビュー
4.3
47件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
お咲が何もかもできるヒロインでないところがいい。実の母との確執、それを乗り越えその先の介護まで覚悟を持つラストに読者の心もやっと緊張がほぐれる 介護は今この令和の時代も大きな関心事。今現実的ではない人々も必ず向き合わねばならない問題。個人も国も試行錯誤している現状 高齢者を“老害”の言葉だけで片付けようとする風潮は高齢者だけでなく若者たちにも明るい未来がない。誰もが向かう先に一人一人咲のように真摯に向き合う心を持たないといけないと痛感した 肩肘張らずにそんなことを考えさせられる物語
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舞台は江戸時代、年寄の介抱を仕事としている主人公お咲と、彼女に関わる人々との物語です。 作中に出てくる解放される人達の振る舞いは、一見すると身勝手なように捉えられます。しかしお咲との関わりと通してその人達の背景が見えてくると、なぜこの振る舞いとなったのか分かるようになります。ーこ...
舞台は江戸時代、年寄の介抱を仕事としている主人公お咲と、彼女に関わる人々との物語です。 作中に出てくる解放される人達の振る舞いは、一見すると身勝手なように捉えられます。しかしお咲との関わりと通してその人達の背景が見えてくると、なぜこの振る舞いとなったのか分かるようになります。ーこの振る舞いとなったのは、その人が今まで生きてきた過程の中で根底に残る事柄があるのではないか?これは現代の介護の世界でも見受けられる光景や理解をする際に必要な視点なのではないかと感じました。 よく参考書や教科書などでは、行動の背景に何があるのか知ることが、その人らしさを尊重しつつ適切な援助が行えるようになる…といった事を書かれていますが、この作品では物語(主人公)を通してその気づきを得られるような感覚がありました。実践とまではいきませんが、具体的な例のようにすっと理解できる感じです。 また主人公の人との関わる姿勢が印象的です。戸惑いや理不尽なことに対する怒りなどの感情があっても、相手と正面から向き合い関わっていく姿が心強く思えました。 介護の場で思うことがあった時だけでなく、作品を通して人と向き合う姿勢を感じたいと思う際に読むのも良いかと思います。
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現代に当てはめても心に刺さる部分のなんと多いこと。でもなんだか愉快な場面も多く、介護問題を抱えている人にとって、ほんの少しだけでも気持ちが軽くなるように思う。 めんどくさい人に思えたご隠居のおぶんさんがその後凄く頼りになる存在になったのが良い。 最後のほうで庄助の母の通夜の...
現代に当てはめても心に刺さる部分のなんと多いこと。でもなんだか愉快な場面も多く、介護問題を抱えている人にとって、ほんの少しだけでも気持ちが軽くなるように思う。 めんどくさい人に思えたご隠居のおぶんさんがその後凄く頼りになる存在になったのが良い。 最後のほうで庄助の母の通夜の後、お咲と庄助とおぶん、家族でもない、友人というわけでもない3人でお茶を飲んで喋っている場面になんともいえず和んだ。
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