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ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ ハヤカワ文庫NF
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2020/03/05 |
JAN | 9784150505554 |
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ヒトの目、驚異の進化
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ヒトの目、驚異の進化
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商品レビュー
3.7
23件のお客様レビュー
マーク・チャンギージー「ヒトの目、驚異の進化」読了。ヒトの脳の半分は視知覚に必要な計算を行う為に特化している。そのため普段気づきにくい目の驚異的な特性がある。それはテレパシー、透視、未来予測、霊読だ。なんとも超人めいた内容に戸惑ったが、魅力的な図解を元に、それらが色覚、両眼視、動...
マーク・チャンギージー「ヒトの目、驚異の進化」読了。ヒトの脳の半分は視知覚に必要な計算を行う為に特化している。そのため普段気づきにくい目の驚異的な特性がある。それはテレパシー、透視、未来予測、霊読だ。なんとも超人めいた内容に戸惑ったが、魅力的な図解を元に、それらが色覚、両眼視、動体視力、物体認識から発現するとの言説に大変感銘を受けた。
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人の目が凄いところが4点描かれている。どれも他の動物にない人間らしい進化によって特化されて来ていることが分かった。特に人の顔色を判別するために目が進化しているというところは、関係性を特に重んじる人間ならではなところだと思った。
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ヒトの色覚はヒトの肌の色の変化をしっかりと見分けることを基準に定まった。であるから、それ以外の色の見え方は偶然の産物。りんごが赤く見えるのも、その色覚の進化の結果であるらしい(場合によれば黄や緑に見えるようになったかもしれない)。肌の色は血流量や酸素飽和度の変化により変わる。それ...
ヒトの色覚はヒトの肌の色の変化をしっかりと見分けることを基準に定まった。であるから、それ以外の色の見え方は偶然の産物。りんごが赤く見えるのも、その色覚の進化の結果であるらしい(場合によれば黄や緑に見えるようになったかもしれない)。肌の色は血流量や酸素飽和度の変化により変わる。それが健康保持や生命保持に関わる人類生存のキーになるものであるので、色覚もそれが最優先され、それに連係して、他の物の色の見え方も決まっていった。肌の色の変化は人間が意識的に変えられる物ではなく(例えば怒りの感情が高まると血流量が増え、顔が赤くなるが、これは自分の意思ではコントロール出来ない。よく、感情が顔に現れるのは平然とした表情を保っても紅潮してしまう。)人間社会を維持発展させるためには利他的行動を促すことが大切であるが、他人の本心や感情を察知することで、利己的行動を自己規制できるようにしたのであろう。もう一つは他者の体調の変化をいち早く察知して、処置救命することに肌の色の変化を見分ける能力は生存維持に重要(医者が色覚異常の場合、患者の変化を素早く察知することが出来ず大変まずい事態に。また女性は男性に比べ色覚異常が少ないのは子育てに関係し、子供の様子の急変に素早く対処できるようになれるためである)。人間が他の動物と違い、進化の過程でどんどんと体毛が少なくなり、肌の露出度が増して行ったのはこれに合致する。 顔の真横に目が付いている動物が多い中、ヒトの目はなぜ、前向きについているのだろうか。横についている動物の視野がパノラマ的に後方まで見えるという利点を失ってまで、なぜヒトの目は二つ前向きについているのか。前方にものがあっても見透せる透視力が後方の視界を失っても有り余るほどのメリットがあったからである。しかしそれは目と目の間隔よりも小さい葉で覆われ、その隙間から前方が見透せるような環境で生活する事で得られるメリットである。現在の人間の生活環境は必ずしもそのようなものではない。後ろの視野がないことのデメリットの方が多い環境である。しかし、人間は後ろの視野が無いことの不便さを経験したことがないので、そのことが実感できない。 心理学者は同じ長さの平行線に手を加えて、長さが違ったり、平行でな異様な錯覚を起こさせる実験図を作る。なぜ、このような錯覚が起こるのか。それは人間の視覚が0.1秒前の現実を捉えるからである。そうでないと視覚が認識した映像が実際に認識されたように感じた時に、すでに過去の映像になってしまうからだ。 なぜ、人間の資格は0.1秒前の映像を先取りするのか。人間にとって最も馴染み深い前進行動をして移動する時に自分と周りのものとの刻々と変化する位置関係を正確に捉えるためである(人間にとって自分と周りの物理的な環境との位置関係を正確に把握することは生存上最も重要なことである)。 前進中は網膜上で発生する光学的なぼやけのパターン(これにより周りの景色が自分の前身とともに後ろへ流れていくような認識を持てる)が錯覚を起こさせる心理学者作成の図に加えられる放射状の線と類似していることが錯覚を起こさせる要因である(流れるぼやけは中心部が上下に比べて膨らむように認識される)。 人間の資格は三次元の現実の環境が自分の移動でどのように変化して見えるかを正確に把握する。だから2次元の絵画で奥行きのあるように見えるものは、実際には同じ長さの直線が手前か奥かで長さが違って見えてしまうのだ。3次元の世界ではそれが現実であるのだから。 最終章は、文字の話。世界には様々な文字があるが、みな自然界の事物を見るための視覚的特徴をもとに作られている。人間はみな同じ特徴の文字を読み書きしているという驚くべき仮説。漢字もアルファベットもその他の文字も現実の世界の中で物を見分ける視覚的特徴のパターンと一致しているらしい。この文字をであるから文字は書き手サイドではなく読み手(それを容易く読み取れるように)に都合よく形取られている。この文字を書き記すことにより、すでに死した人々の声を霊読できるがごとく聴くことができるのだ。さらに、文字を書き記しそれを読み解く視覚を持つことで、短期記憶を際限なく保持し、それをもとにコンピューターのごとくアルゴリズムを実行していける能力を持てるようになった。世にいわゆる「ハウツー」本が手広くでまわり、それを利用して様々なことを手順を踏んで実行していける存在、まさにコンピューターのチューリングマシンのごとき存在となった。
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