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ヒトの目、驚異の進化 視覚革命が文明を生んだ ハヤカワ文庫NF
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2020/03/05 |
JAN | 9784150505554 |
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ヒトの目、驚異の進化
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ヒトの目、驚異の進化
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商品レビュー
3.7
25件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
筆致が強くて若干引き気味になる部分もあったけど、今までなかった視点がふんだんにあってそれぞれに個性的なデータが示されていて面白かった。 人の色覚は人の体調や感情を肌の色から読み取れるよう進化した。平熱と微熱の一度の差を感じられるのと同様に、普段の肌の色を基準に僅かな差を読み取れる。黄/青(ヘモグロビン濃度高/低)・赤/緑(血中酸素飽和度高/低)が、人の色覚の四原色で、S/M/L錐状体はこれを感知できる設定の配置になっている。人の眼がこのような設定だから、人は今のように世界が見えている。決して正確な描写ではなく、自然淘汰でたまたま生き残った設定で脚色された世界を捉えている。 また、眼は左右の二つがありそれぞれが異なる角度から世界を見ている。二つの像は脳で編集され一つの像として表示される。両眼が前向きについている動物は、自分の眼の間隔よりも細い障害物を透明化してその向こう側を見ることができる。草木の茂る森での生活に適応した結果だろう。 ヒトの眼は自然界での事象を適切に捉えるよう進化した。一瞬先の未来を予測し、知覚した現在が予測と異なっていた場合は修正してから意識される。空間的な配置は二次元の像を脳が分析し解釈して推測される。物体の運動量は網膜に残る光のぼやけから予測される。自己運動に伴う像の変化は予測が容易い。放射様の幾何学的錯視は、前進運動の予測によって起こると考えられる。放射状の線は脳に前進運動を予測させ、脳は前進したとして予想される未来の像を掲示する。同様に、幾何学的錯視の多様かつ数多の例を、現在を知覚するために脳が描く予測の像だと捉えることで体系的に分類することができる。 ここまでは人の眼の進化の話だったが、文字は、自然に合うように進化した人の眼が捉えやすいように、文化的進化を遂げた。人が自然を捉えるときに輪郭を抽出するように、文字は輪郭を成す線画でできている。また、文字に含まれる線画同士の結節点数の割合は、自然の輪郭に表れるそれと符合する。この傾向は、ものの形を模した表語文字だけでなく、発話表記にも見られ、世界中のあらゆる文字が同様の生成原理に依っていると考えられる。自然物を捉えるのと同じプロセスで認識できるよう進化したからこそ、文字は我々の意思疎通に普遍的にストレスなく用いられ、人間社会の発展に寄与してきた。
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本書は、4つの超人的な「視覚」の能力、すなわち、①色覚、②両眼視、③動体視力、④物体認識、の正体を突き止めようとする試みである。 第1章では、なぜ人間は色覚を進化させたのかが論じられる。従来は、人間が食べ物を探しているときに葉の背景から果実を区別するため、あるいは食べられる...
本書は、4つの超人的な「視覚」の能力、すなわち、①色覚、②両眼視、③動体視力、④物体認識、の正体を突き止めようとする試みである。 第1章では、なぜ人間は色覚を進化させたのかが論じられる。従来は、人間が食べ物を探しているときに葉の背景から果実を区別するため、あるいは食べられる若葉が見えるように進化してきたとの仮説が唱えられていた。それに対し著者は、肌の色の変化を見るために進化したのだと主張する。 第2章は、なぜ人間の両眼は前向きについているのか?が検討される。従来は立体視、奥行きを捉える能力に利点があると考えられてきた。著者は、障害物にさえぎられながらも、その向こうの知覚対象をみることができること、つまり大きな視覚認知領域を得ることができることに着目する。 (最新の研究成果に基づき、かなり詳しく説明がされているので、ここまではそれなりに理解ができたが) 第3章は、これまで研究されてきた様々な「錯視」の問題についての、統一的な説明原理が探求され、そして第4章は、解説の言葉を借りれば、「人間は自然界の事物を見るための視覚特徴をもとに文字をつくってきたのであり、それらの視覚特徴という観点から言えば、人間はみな同じ文字を読み書きしている」という。これを文字シンボルの「普遍分布」説というらしい。 何かすごいことが言われているということは分かるが、一読したくらいでは理解が追い付かない。最先端の研究というのはスゴイ、実に面白い!
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マーク・チャンギージー「ヒトの目、驚異の進化」読了。ヒトの脳の半分は視知覚に必要な計算を行う為に特化している。そのため普段気づきにくい目の驚異的な特性がある。それはテレパシー、透視、未来予測、霊読だ。なんとも超人めいた内容に戸惑ったが、魅力的な図解を元に、それらが色覚、両眼視、動...
マーク・チャンギージー「ヒトの目、驚異の進化」読了。ヒトの脳の半分は視知覚に必要な計算を行う為に特化している。そのため普段気づきにくい目の驚異的な特性がある。それはテレパシー、透視、未来予測、霊読だ。なんとも超人めいた内容に戸惑ったが、魅力的な図解を元に、それらが色覚、両眼視、動体視力、物体認識から発現するとの言説に大変感銘を受けた。
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