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律令国家と隋唐文明 岩波新書1827
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2020/02/22 |
JAN | 9784004318279 |
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律令国家と隋唐文明
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商品レビュー
4.1
12件のお客様レビュー
日本における律令国家の受容と形成を、東アジアの国際関係(とりわけ隋唐)という視点から論じ、そのなかで国号「日本」や君主号「天皇」といった、こんにちの日本にも連なる国家の基礎が作られてゆく様子をダイナミックに描き出す。 推古朝に隋との関係の中で、天皇号が成立した。ここで有名な...
日本における律令国家の受容と形成を、東アジアの国際関係(とりわけ隋唐)という視点から論じ、そのなかで国号「日本」や君主号「天皇」といった、こんにちの日本にも連なる国家の基礎が作られてゆく様子をダイナミックに描き出す。 推古朝に隋との関係の中で、天皇号が成立した。ここで有名な「日出ずる処の天子」問題が起こった。本書は、煬帝が怒ったのは「日出ずる処」が「日没する処」にという一節だとする俗説を排している。これらは仏典に基づく東西関係を表すだけで、仏教的朝貢において文帝の歓心を買おうとして考えられた表現であったとする。そうではなく、「天子」を名乗ったことが、中華思想に反するものとして問題視されたという。ここからも日本における君主号の問題が対外的な関係によってかなり制約され、そのなかで成立していったことが分かるので面白い。 国号「日本」も、もともとは東方であることを示す一般名詞であったが、白村江の戦いで悪化した唐との関係を回復し、新たな関係を築く試みのなかで成立した。 律令国家もまた、危機的な状況のなかで国家を強化する必要性から、唐から急速に摂取されたものだった。そのなかで文明が接ぎ木されてゆく。例えば、中国では天子がときに法の上に立って勅断を下すが、日本では天皇も律令に拘束された。このように日本のそれまでのあり方を踏まえて現実的に摂取された部分と、「あるべき」理想として空文化された部分がありながら律令国家が作られてゆく。 天皇制は最後の砦だったのか、唐の律令が天子らの衣服の色を厳密に定めるのとは対象的になかなか規定されることがなかった。本書では唐風化という流れから吉備真備や鑑真がさらに律令の受容を進めていったことを論じ、藤原仲麻呂が唐風化に与えた影響を再評価している。 新書としては学術書寄りというか難しい部類に入るけれど、日本という国の成立を当時の国際関係とともに生き生きと感じられて、読み応えのある一冊だと思う。
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中央集権国家における政治経済面での支配体制の確立について知りたかったのだが、文化面から「日本」誕生≒「天皇制」の誕生をメインに描いている印象。これはこれで興味深い話ではあるが、中国文化の影響を受けていることを多少拡大解釈しているようにも思える。元ネタの研究が「日本古代国家における...
中央集権国家における政治経済面での支配体制の確立について知りたかったのだが、文化面から「日本」誕生≒「天皇制」の誕生をメインに描いている印象。これはこれで興味深い話ではあるが、中国文化の影響を受けていることを多少拡大解釈しているようにも思える。元ネタの研究が「日本古代国家における中国文明の受容とその展開~律令制を中心に~」らしいので、こっちの方が題名的にはしっくりくるような。新書の題名としてはマズイのだろうけど。
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国郡里制や条里制について知りたかったので期待と異なる内容だったが、知らない事ばかりで興味深く読めた。特に平安以前の日本政府がこんなにも外交を活発に行っていたとは全く想像外だった。
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