松岡洋右と日米開戦 大衆政治家の功と罪 歴史文化ライブラリー496

服部聡(著者)

• 販売会社／発売会社: 吉川弘文館
• 発売年月日: 2020/02/20
• JAN: 9784642058964

商品レビュー

2024/09/05

松岡洋右と現代；グローバリズムの時代　内政と外交
人物ー外交官・満鉄・代議士：
アメリカ帰りの外交官
満鉄での活躍
時流に乗り切れなかった大衆政治家
現状打破で行き詰まった日本：
崩壊した国際協調
東亜新秩序の蹉跌
現状打破と現状維持
自主外交の追求
自主外交→南進政策
外相になった松岡
日独伊三国同盟：
松岡の外交戦略
日独伊三国同盟成立
行き詰まった対ソ交渉と日中和平
破綻した南進政策：
対日経済圧力と南方経済交渉
タイ仏印国境紛争
調停成立
対米工作
松岡訪欧
破綻した日米関係：
分裂した対外政策
確保できなかった戦略物資
南進か北進か
外相放逐
先を見通す非凡な識見

2021/09/20

「日独伊三国同盟」は今となっては日米開戦への原因とされる。
松岡はA級戦犯、生きていれば死刑だったろう。

2020/10/25

正しい現状・世界認識を持ちながら、それを活かせず淋しい結末を迎えるしかなかった。松岡更迭後の日本は、松岡が危惧した通りの敗戦を受け入れることになる。
英独の関係を見誤ったことが致命傷になるわけだけど、1940年初めに、ドイツに疑いを持つことは世論が許さなかった。やっぱり大衆の言う通りにすれば国は亡びる。
政治家最大の腕の見せ所は、大衆に迎合することなく国民の幸福を追求することだけど、いつの世もこれは難しいってこと。
あの時、戦争を回避するには国民に我慢を強いるしかなかった。いったん利権を手放し国内産業の回復をゆっくり目指すしかなかったわけで、そんな政策を許す国民はどこにも存在しない。やっぱり万民が幸福になる仕組みってないのかね。