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商品レビュー

3.8

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2026/03/15

『庭の話』を読んだあとだとその前日譚としての思考の流れが追跡できて興味深い。ただ、宇野さんの本を読んでいると世の中の人ほぼみんなSNS依存みたいに錯覚してしまうが、実際は(もちろん世代によって差はあるだろうが)スマホ所有者の半分から7,8割くらいのものではないだろうか。 吉本隆...

『庭の話』を読んだあとだとその前日譚としての思考の流れが追跡できて興味深い。ただ、宇野さんの本を読んでいると世の中の人ほぼみんなSNS依存みたいに錯覚してしまうが、実際は(もちろん世代によって差はあるだろうが)スマホ所有者の半分から7,8割くらいのものではないだろうか。 吉本隆明の共同幻想論を現代的に解読する3章がとくに面白かった。 60年代に反乱を起こした学生たちの国家権力や資本主義への敗北を、進歩的思想(マルクス主義や戦後民主主義)からの「自立」だと言い換え、家庭を築くことが社会変革よりも本質的な人間の解放(自立)であるという方便を与えたのが吉本だと。しかし転向者の多くは企業や団体の歯車としてその思考を停止させていき、結局本質的には自立できなかった。学生運動→挫折→転向して企業戦士→郊外に家を買い、妻子を持つことで「自立」の夢を叶えようとした。この図式は説得力がある。高度成長期以降の日本社会もまたこうした家庭を一般的モデルにしようと誘導したふしが窺える(配偶者控除や住宅ローンなど)。 偽りの「自立」像を鵜呑みにした彼らがやがて妻子からそっぽを向かれ、職場にしか居場所を見出せない孤独な中高年男性となり、憂さ晴らしや承認欲求を満たす目的でSNSでヘイトや煽りポストをするようになる…のかもしれない。そうならないための「庭」づくりの必要性を説いたのが『庭の話』…と続くのだろう。

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2025/10/26

自己幻想の肥大化を防ぐべき、という主張は面白く、遅いインターネットと標榜される方向性にも共感する。 しかしanywhereとsomewhereの分断はやや単純化し過ぎな気もするし、そもそもSNS漬けの人が前提なのも違和感がある。 あと糸井氏の試みがsomewhereな人に響かない...

自己幻想の肥大化を防ぐべき、という主張は面白く、遅いインターネットと標榜される方向性にも共感する。 しかしanywhereとsomewhereの分断はやや単純化し過ぎな気もするし、そもそもSNS漬けの人が前提なのも違和感がある。 あと糸井氏の試みがsomewhereな人に響かないことを主張しつつ、最後の試みはもっとハイソなんじゃないかなとも思ったり。ご本人が言うように、モヤっとするところは結構あった。

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2025/05/06

『庭の話』を読もうとしたけどその前にこちらまだ読んでなかったなと思い引っ張り出してきた。今思えばここ10年くらいの振り返り本とも思える。文化の4象限と3つの幻想、「考えること」と「書くこと」。ここ近年、AIというキーワードが大きくなってきた今こそ内容が刺さる一冊だった。 「速度...

『庭の話』を読もうとしたけどその前にこちらまだ読んでなかったなと思い引っ張り出してきた。今思えばここ10年くらいの振り返り本とも思える。文化の4象限と3つの幻想、「考えること」と「書くこと」。ここ近年、AIというキーワードが大きくなってきた今こそ内容が刺さる一冊だった。 「速度の自由で僕たちが手に入れなければならないのは、むしろ情報への進入角度と距離感を自分自身の手で調整できる自由なのだ」

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