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証言 沖縄スパイ戦史 集英社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2020/02/17 |
JAN | 9784087211115 |
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証言 沖縄スパイ戦史
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商品レビュー
4.4
5件のお客様レビュー
生まれも育ちも沖縄県。戦争のことは幼い頃からTVや新聞、学校や図書館など、耳にし目にして来ました。当時の写真を見た時は子供ながらにショックが大きかった。夜になると当時の過酷な状況を想像し切なく悲しくなることも。 内容に出てくる地域を知っている為 とても衝撃的でした。戦争体験者の...
生まれも育ちも沖縄県。戦争のことは幼い頃からTVや新聞、学校や図書館など、耳にし目にして来ました。当時の写真を見た時は子供ながらにショックが大きかった。夜になると当時の過酷な状況を想像し切なく悲しくなることも。 内容に出てくる地域を知っている為 とても衝撃的でした。戦争体験者の方々の貴重な証言。辛い経験を話す事は大変だと思います。話すことによって影響を受ける人もいますし、小さな集落ではみんな知り合いなので本当に勇気のいる事だと思います。 気丈な祖母から 一度だけ、少しですが戦争の話を聞いたことがあります。「捕虜になったら大変だと言われアメリカの兵隊が来たらみんな山に逃げた」と。
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●は引用、その他は感想 ●「今日只今の事に死力を尽くせ」これが隊員らが今日まで、すべて暗記するほどに徹底された村上隊長の訓示だった。死ぬ気でやれ、と言ってはいるが村上隊長は少年兵に繰り返し「絶対死ぬな」とも言っている。(中略)兵士の命など鴻毛より軽いと叩き込まれた当時の軍隊教育...
●は引用、その他は感想 ●「今日只今の事に死力を尽くせ」これが隊員らが今日まで、すべて暗記するほどに徹底された村上隊長の訓示だった。死ぬ気でやれ、と言ってはいるが村上隊長は少年兵に繰り返し「絶対死ぬな」とも言っている。(中略)兵士の命など鴻毛より軽いと叩き込まれた当時の軍隊教育と、中野式の教育はこの点でかなり異なっていた。スパイも、生きて帰らなければ任務は達成できない。捕虜になっても敵情を視察して戻って来いというのが大前提であり、決して「死んで来い」という部隊ではなかった。しかし場面によっては戦車爆破隊など自爆も辞さないテロ作戦もあったのは事実である。 ●辺野古問題。敵は陣地にしか撃たないから、僕は恩納岳にいたが、基地があるからアメリカがあっちこっちから攻撃した。その辺が一番頭にあるね。だから基地というものは作らせてはいけないなと。今でも(日本にある米軍施設の面積の)74%の基地が(沖縄に)あることわかってるわけだから。基地がある所のしか弾は来ないから。 ●民間人が住む地域では住民を使っての遊撃戦をせよ、と中野学校のマニュアルは簡単にいうものの、作戦途上にある軍隊にとって敗残兵と住民は足かせでしかない。(中略)上陸地点にいる住民というのはこれを利用しなければ戦えないし、同時に邪魔されないように「始末のつく」状態にしなければならないという、全く矛盾した存在になってしまうことが理屈抜きで理解できるようになる。軍隊は住民を守らなかったという残酷な事実が沖縄戦最大の教訓であるが、住民を守るための作戦と、軍隊が勝つための作戦は全く一致しない。まずは勝たないことには住民を守れない、という大前提のもとに軍隊は動くものであるが、すでに戦場になった地域にいる住民は、これを守ることはほぼ不可能であり、作戦上にある兵士にそれを求めても殺生だ、ということでしかない。(中略)住民のいる地域で戦争をしたら住民は当然守れない。だから戦争をしていい場所は、少なくとも人が生活している土地のどこにもないということだ。→ロシア軍のウクライナ侵攻作戦 ●もし半年でも終戦が遅れてこの教令のもとに「本土決戦」が始まっていたら、敵の攻撃による被害とは別に地域社会の中に不逞分子の処置が横行し、しかも軍人すら介入しない処刑も起きうる状況にあった。沖縄戦以上の悲劇が各地で起きていたことは明らかである。 ●戦争になれば、兵隊と兵器をどう動かして勝つのかが優先であって、住民も労働力や兵器にしか見えたこないのが軍人だということ。玉砕する場所で住民を救うという発想は出てこないこと。戦争に勝つという大義の中で、個々の戦場に残された住民などは始末の対象でしかないこと。つまり、軍中枢部がその方針なのに、現場で「私たちを守ってくれないのですか?」と問われても現地部隊に何もできなかったのも道理だ。「国を守る」ことと「そこに住む人を守る」ことは決して同義語ではないということを私たちは肝に銘じておかなくてはならない。この軍隊の発想を私たちの側が理解しない限り、軍隊は私たちを守ってくれるという都合のいい解釈で軍事費増大を許し、軍事政権に力を吹き込んで、自らの手で悲劇を引き寄せていく愚かな民に逆戻りしてしまうからだ。 ●つまり専守防衛の自衛隊はそもそも国土戦を想定せざるを得ず、その場合敵を内陸に引き込んで戦うわけだから国民の自発的な協力は不可欠であると捉えていて、沖縄戦のような状況が再び実現する纐纈さんは言っているのだ。自衛隊が国土戦に備えるなら、当然過去に国内で実践された遊撃戦とそんも時の住民の動向が最大の参考事例になる。ということであれば、なおさら私たちはこの本でつぶさに見てきたような沖縄戦の中のゲリラ戦と、その時に住民の置かれた状況をよく理解しておく必要がある。自衛隊が国民に自発的に協力してもらうためには、平時から構造的にも国民を統制しやすい体制を作っておくことが肝要である。そして軍事作戦に協力させる一方で、軍事機密を漏らされては困るので軍の機密を守る法整備を完了させておく必要がある。これは、まさに今、日本で進行中のことではないか。国民を「始末のつく」状態にしておくことこそ、戦争に勝てる国の必須条件だという考えが戦前から一貫して変わっていないことは、歴史的証拠を積み上げて論理的に理解しておくべきだろう。なんとなく戦前のような空気になってきた、という言葉をよく聞くようになったが、国の管理が進み、表現が不自由になり、軍機保護法の再来である特定秘密保護法が報道や市民活動を規制し、共謀罪(テロ等準備罪)が監視社会を作る。私たちは始末の悪い国民から、今まさに始末のつく状態に変えられつつある。もはや戦争をするまであと一歩なのだ
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750ページ。新書らしからぬ分厚さは、手軽に読めるという感覚ではない。手軽でなくても手をつけた。思ったより速く読めた。2018年に公開された映画の原作というものではなく、その後に加筆されたもので追加の取材も入っている。戦争が行われるその場所で起き得ること。住民は軍事物資の一部とな...
750ページ。新書らしからぬ分厚さは、手軽に読めるという感覚ではない。手軽でなくても手をつけた。思ったより速く読めた。2018年に公開された映画の原作というものではなく、その後に加筆されたもので追加の取材も入っている。戦争が行われるその場所で起き得ること。住民は軍事物資の一部となり、また信じられない対象となる。軍隊による住民の殺害、住民同士の殺害。守る対象であるそのものを犠牲にする戦争に大儀はあるのか。尖閣・竹島・北方領土・拉致・ミサイル。現代にも存在する紛争の種。力による力への対抗が何を招くか。大事なのは我々国民の感情。短絡的にならず、冷静に対処を見極るようにしたい。
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