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モーツァルトは「アマデウス」ではない 集英社新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2020/02/17 |
JAN | 9784087211092 |
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モーツァルトは「アマデウス」ではない
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商品レビュー
3.5
6件のお客様レビュー
モーツァルトは生前「アマデウス」と名乗ったことも署名したこともないということは、著者が2004年に出版した「反音楽史」に既に書いていたが、今回はそれをメインテーマとして、新たなモーツァルト像を描くことを試みた本と言える。 著者が本書を書いたのは89歳の時で、高齢にも関わらずこれ...
モーツァルトは生前「アマデウス」と名乗ったことも署名したこともないということは、著者が2004年に出版した「反音楽史」に既に書いていたが、今回はそれをメインテーマとして、新たなモーツァルト像を描くことを試みた本と言える。 著者が本書を書いたのは89歳の時で、高齢にも関わらずこれだけの文章を書くのは立派である。また、文章の面白さはさすがで、数十年前の頃の文体と変わることなく面白く読めた。 だが、モーツァルトはアマデウスと署名したことも、名乗ったことはないということが何度も出てきて、重複・交錯するため、構成がごちゃごちゃしている感もあった。 サリエリによる毒殺説は、近年では大多数が否定的立場を取っているが、本書では肯定するような書き方をしている。それが、面白さを優先させるためにそうしたのか、あるいは本心からそう思うようになったのか(かつては石井氏も否定していた)が気になる所である。 新書なので、門外漢も手に取ることがあるかもしれないが、これはモーツァルト入門書では決してない。モーツァルトの評伝を何冊か読んでいないと、偏ったモーツァルト像を形成しそうである。モーツァルト・ファンにはお勧めである。
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面白い人には,とっても面白い本だと思うけど,興味がない人にはまったくつまらないだろう.文章はくせのない平易な文体で構成もしっかりしていて,よかった.
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ヴォルフガング・モーツァルトのミドルネーム「アマデウス」が本来の名前ではなく、イタリア旅行以降にイタリア語風の「アマデオ」ないしフランス語風の「アマデ」と自称したのに由来する、という事実自体は、過去の伝記や書誌にも記述されていることで、一般には洗礼名「テオフィリス」のラテン語訳...
ヴォルフガング・モーツァルトのミドルネーム「アマデウス」が本来の名前ではなく、イタリア旅行以降にイタリア語風の「アマデオ」ないしフランス語風の「アマデ」と自称したのに由来する、という事実自体は、過去の伝記や書誌にも記述されていることで、一般には洗礼名「テオフィリス」のラテン語訳と捉えられているが、本書では「アマデウス」はドイツ語で、その伝播・定着要因をドイツ国民国家形成過程の文化人らによる「創られた伝統」に求めている。モーツァルト研究の大家であったヤーンやケッヘルが「ヴォルフガング・アマデ・モーツァルト」と表記していたという指摘は重要だが、他方モーツァルトが「アマデ(アマデオ)」の名に固執した背景や、ウィーンの楽壇事情などの分析は、文学畑だからで済ますには史料操作が恣意的で「思い込み」の激しさが気になる。サリエリによる「毒殺説」やコンスタンツェとジュスマイヤーの「不貞説」など、今日ではほぼ否定されている旧説に無頓着な点も問題だろう。
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