いいからしばらく黙ってろ！

竹宮ゆゆこ(著者)

• 販売会社／発売会社: KADOKAWA
• 発売年月日: 2020/02/14
• JAN: 9784041089118

商品レビュー

2022/05/30

自由奔放な双子に挟まれた五人兄弟の三番目として生まれた『富士』は、その環境から困った状況を見ると放ってはおけない性格だ。
婚約を破棄され就職も出来ず、大学卒業祝いの飲み会では友人から酷い言葉を浴びせられる。傷心の最中、強く心を惹かれた劇を見に走る。廃墟のような会場にビビりつつも始まった劇に一瞬で心を奪われるも、会場トラブルで直後に中断、しかも団員同士で乱闘が始まる始末。
その後、誘われてその劇団に参加するも、予想に違わぬ酷い状態で、今後の上演はおろか存続の危機にあった。富士は沈没寸前のような難破船を無事航海に導くことが出来るのか？

数ページしか出てこない強烈な富士の上下の双子の兄妹。そしてそれに劣らず強烈なメンバー。個性の大渋滞のようだが、主人公も負けていないので、とっ散らかった印象はない。あの状況をすんなり（？）受け入れられるのは、十分に強烈だと思う。
大人になればなるほど、好きなことで生きていけることなんてほとんど無理だって分かってくる。いや、子どもだってわかってる。そんな世の中だからこそ、「生きてる！」って叫ぶために、後先考えず、成し遂げるだけの情熱と能力を持って突っ走れるって凄いことだと思う。まあ、私は傍から見てるだけで十分なんですがね。

2022/01/16

どんどん話が展開していく。
主人公は大学は卒業したが、これからどうするか悩んでいる。もう限界と思ったときに目に入ったチラシをみて演劇を見に行くことに。
ピンチになったときに自力でどうにかしていく主人公がたくましい。周りの個性的な人たちにもひるまず突き進んでいくのがいい。
主人公が自分の気持ちが追いつめられて隣りの部屋をのぞいた時、追いつめられながらも無心で楽しそうに仕事をしている隣人の背中をみて、決断する場面が印象に残った。

2021/12/12

終始ドタバタしてて山あり谷あり(ほとんど山)で、演劇の熱量とかトラブルの熱量が凄く伝わってきて熱くなったりハラハラしたりとても楽しめました。
好事魔多しって考え方すごくわかる気がする。
全てうまくいくことなんてありえないんだから、トラブルを楽しむ力や打ち勝つ力が必要だなって思いました。
登場人物はみんな個性的でめちゃくちゃいい。特に南野は笑える笑
桶尾だけちょっとよくわからなかったなー…。