いいからしばらく黙ってろ！ の商品レビュー

竹宮ゆゆこ(著者)

2022/05/30

自由奔放な双子に挟まれた五人兄弟の三番目として生まれた『富士』は、その環境から困った状況を見ると放ってはおけない性格だ。
婚約を破棄され就職も出来ず、大学卒業祝いの飲み会では友人から酷い言葉を浴びせられる。傷心の最中、強く心を惹かれた劇を見に走る。廃墟のような会場にビビりつつも始まった劇に一瞬で心を奪われるも、会場トラブルで直後に中断、しかも団員同士で乱闘が始まる始末。
その後、誘われてその劇団に参加するも、予想に違わぬ酷い状態で、今後の上演はおろか存続の危機にあった。富士は沈没寸前のような難破船を無事航海に導くことが出来るのか？

数ページしか出てこない強烈な富士の上下の双子の兄妹。そしてそれに劣らず強烈なメンバー。個性の大渋滞のようだが、主人公も負けていないので、とっ散らかった印象はない。あの状況をすんなり（？）受け入れられるのは、十分に強烈だと思う。
大人になればなるほど、好きなことで生きていけることなんてほとんど無理だって分かってくる。いや、子どもだってわかってる。そんな世の中だからこそ、「生きてる！」って叫ぶために、後先考えず、成し遂げるだけの情熱と能力を持って突っ走れるって凄いことだと思う。まあ、私は傍から見てるだけで十分なんですがね。

2022/01/16

どんどん話が展開していく。
主人公は大学は卒業したが、これからどうするか悩んでいる。もう限界と思ったときに目に入ったチラシをみて演劇を見に行くことに。
ピンチになったときに自力でどうにかしていく主人公がたくましい。周りの個性的な人たちにもひるまず突き進んでいくのがいい。
主人公が自分の気持ちが追いつめられて隣りの部屋をのぞいた時、追いつめられながらも無心で楽しそうに仕事をしている隣人の背中をみて、決断する場面が印象に残った。

2021/12/12

終始ドタバタしてて山あり谷あり(ほとんど山)で、演劇の熱量とかトラブルの熱量が凄く伝わってきて熱くなったりハラハラしたりとても楽しめました。
好事魔多しって考え方すごくわかる気がする。
全てうまくいくことなんてありえないんだから、トラブルを楽しむ力や打ち勝つ力が必要だなって思いました。
登場人物はみんな個性的でめちゃくちゃいい。特に南野は笑える笑
桶尾だけちょっとよくわからなかったなー…。

2021/02/17

面白かったー！！

ツイッターでこの本の漫画を見かけて、漫画を買って読んだあと続きが気になって原作に手を出してしまった。
嵐のように物語が進んでいくので半日くらいで読み終わった…！
蟹江くんがとても好き。

笑えるし感動できるし元気をもらえる。
ぜひぜひ続きが読みたい〜

2021/02/15

元気になれる一冊！
婚約破棄され、友だち（だと思っていた人たち）にはボロクソに言われ、就職先もない‥‥人生ドン底の主人公の富士（ふじ）。
そんな時に出逢ったバーバリアン・スキルという劇団の芝居。そこから富士の人生が大きく転がり始める！

『適材適所』
この一言に尽きる。私には何の取り柄もない‥‥なんて思うことはない！自分の良さが活かされる場所に辿り着いていないだけ。その場所を見つけられれば輝ける！
でもそれをおとなしく待っているだけじゃダメ。
大事なのは「自分の中身をさらけ出」し、「勇気をもって、自分を表現すること」、「どうせ無力だと決めつけ、望みからは目を逸らし」ていては置き去りにされてしまうのだ。
ドン底だった富士がなりふり構わず自分の居場所を見つけようとしている姿に、読んでいて元気をもらえました。

2021/01/24

バランス役をやらされて(やっていることに自負もある)いる主人公の、バタバタながらも自分というものを貫く姿が、とても美しいと思った。
全力で走り、頭をフル回転させ、ぶつかり合って進もうとするエネルギーは圧巻。一緒に楽しめたら幸せだろうなって思う。
どん底からよく耐えた！

2021/01/10

こんっなにドタバタしてるのに、面白い！！ホワッと感動する！！めっちゃ元気もらえる！！もっと、もっと前に進む力をくれる！！
メンバーも大好き！！！
なんて面白い本なんだ！！
バリスキのすっげー舞台を一緒に観劇できる。何回も観たいって言うてる観客さんと一緒の気持ちになる！
何回も、読みたい。
ものっすごい好きな本やった！！
元気になった！

2020/12/28

アニメのとらドラが大好きで、同じ作者の最新作ということで気になっていた。
450ページと長編だが、物足りなさも残る。
魅力的な登場人物ばかりなので、もっと一人ひとりの掘り下げたストーリーを見たかった。

2020/09/01

　出だしは、ちょっと引き気味だったが、そこを抜けたら一気に作品の世界へ。本当に、プロローグの部分が必要だったのか？という気はする。

2020/08/23

なんと清々しい小説だろう。
そして、読後に胸が熱くなる！
なんか、なんでもいいから頑張りたい気分になる！
そんな小説。

この小説はkazzu008さんの短いけど研ぎ澄まされたナイフのようなレビューで読んでみたい！と思いました。
いつも、ありがとうございます！

友人、婚約者、就職先を失って大学を卒業した龍岡富士は、ひょんなことから劇団「バーバリアン・スキル」の公演を観に行くことになる。しかし、上演中に異臭騒動で突如中止に。
10分足らずしか見れなかった芝居に心を奪われ、続きを見ることを諦めきれない富士は、個性的な団員たちに振り回されながらも劇団の立て直しに奔走することとなる。

ー というストーリー。

それにしても登場人物のキャラが濃い。
不幸な主人公・富士のほか、俺様キャラの主宰・南野、痩せてて猫背でンフっと笑う中坊&脚本担当・蟹江、クールな実務担当&舞台監督・樋尾、存在感はないが潜在能力は凄い大也…
みな素敵だけど、僕は超ドSの元バレエ・ダンサー・蘭が特に好きだな。

そんな登場人物たちの自由奔放なセリフがビシバシと、まるでマシンガンのように飛び交うので、結構分厚目の本だけどスイスイ読めちゃいます。自由奔放過ぎてストーリーはなかなか展開しないのだけど（笑）

最後の50ページくらいはとても気持ちよかった。
残念な休日出勤での通勤中にケミカル・ブラザーズ（昨夜YouTubeで配信されたフジロックの過去映像は泣きました）のビキビキな高速ビーツを聴きながら読んだせいか（笑）、メチャクチャ幸せな気分になった。セリフのテンポがいいから高揚感もハンパなく、一種のトリップ状態（笑）

なお、この小説のタイトルは長い旅路の始まりの言葉。
バーバリアン・スキルの未来が見たい。
続編希望します。

関係ないけど、来年はうちの娘とフジロックに行きたいな。はやくコロナが終息してくれないかな。