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渡辺錠太郎伝 二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想
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渡辺錠太郎伝 二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想

岩井秀一郎(著者)

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渡辺錠太郎伝 二・二六事件で暗殺された「学者将軍」の非戦思想

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2020/01/30
JAN 9784093887472

渡辺錠太郎伝

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商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2025/11/14

【こんな人間になりたい…なんて言うのも恥ずかしい】 二・二六で凶弾に倒れた渡辺錠太郎の伝記。歴史書としてもおもしろい上に、人物伝として描かれる彼の生きざまが文句なしに素晴らしい。 まずは歴史書としての観点から。これまであまり知らなかったけど、永田鉄山とともに、もし生きていたら...

【こんな人間になりたい…なんて言うのも恥ずかしい】 二・二六で凶弾に倒れた渡辺錠太郎の伝記。歴史書としてもおもしろい上に、人物伝として描かれる彼の生きざまが文句なしに素晴らしい。 まずは歴史書としての観点から。これまであまり知らなかったけど、永田鉄山とともに、もし生きていたらその後の陸軍、ひいては歴史を変えたかもしれない、日本を救ったかもしれないといわれる大人物。彼に手を下した愚か者が憎いと思った。けど渡辺和子が言うとおり、直接手を下した青年将校や下士官たちよりも、貧しい農村を思う彼らの純朴な思いを利用してクーデターを扇動し、事件を起こさせておきながら、天皇の激怒を知って知らんぷりを決め込む荒木貞夫、真崎甚三郎といった上級将校たちは決して許せない。恥を知れ。そしてその後の歴史まで変えてしまったあなたたちの罪は想像以上に重い。 次に人物伝。天皇機関説や統帥権干犯をめぐる議論をてこに皇道派が強硬に発言力を増す中、それに危機感を抱く林銑十郎、渡辺丈太郎、永田鉄山といった特定の派閥に属さない良識ある人物たち(皇道派に対し、いわゆる統制派と呼ばれる)の抵抗に手に汗を握る。永田が「小説」として書いた(書かされた)クーデター計画案をめぐって渡辺が真崎をやりこめる場面は痛快だ。理知的、冷静でありながら鬼気迫る勢い。満を持して鷹が鮮やかに舞い降り爪を現した瞬間! 人物としての渡辺錠太郎は、今の自分とはあまりにもかけ離れすぎて理想像というのもおこがましいと思ってしまうくらいの人格者。本の表装の、娘の横で幸せそうに笑う普通のおじさん写真(失礼!?)からは想像できなかった。 勤勉、努力家、高潔、自ら望まず、自己顕示欲なし、衣服や金銭に無頓着、義理堅い、正義感強い、逃げない、ぶれない、芯が強い、普段は温厚篤実、肝心なところで曲がったことは通さない、強固な意思、やるときは徹底的にやる胆力。 残念ながら自分との共通点は本好きなことくらい??比べると情けなくなるけど、自分に負けそうなとき、逃げたくなったとき、「渡辺大将ならどうする?」って自分に問いかけるくらいは許してもらおう。

Posted by ブクログ

2020/08/27

二・二六事件で暗殺された陸軍教育総監渡辺錠太郎。貧しい境遇から士官学校、陸軍屈指の読書家で独自の非戦思想。歴史の狭間に埋もれた人物の実像に迫る傑作評伝。 本書の主役渡辺錠太郎の二女の名は渡辺和子。あの「置かれた場所で咲きなさい」の筆者。二・二六事件、青年将校の凶弾に父が倒れた時...

二・二六事件で暗殺された陸軍教育総監渡辺錠太郎。貧しい境遇から士官学校、陸軍屈指の読書家で独自の非戦思想。歴史の狭間に埋もれた人物の実像に迫る傑作評伝。 本書の主役渡辺錠太郎の二女の名は渡辺和子。あの「置かれた場所で咲きなさい」の筆者。二・二六事件、青年将校の凶弾に父が倒れた時、8歳の娘は正に同じ部屋にいたという。53歳で生まれた娘。「長くは一緒にいられない」と孫ほどに年の離れた娘を父は溺愛。 日本の陸海軍士官は旧制高校、帝大と並ぶ当時のエリート。渡辺錠太郎の生涯、凄いのは小学校を卒業後、農業のかたわらで独学、旧制中学を経ずに陸軍士官学校に合格するところ。 二・二六事件に至る陸軍の道、そこにある皇道派と統制派の争い。本書を読む限り渡辺はどこの派閥にも属していない。その分、現代の目から見ても極めて真っ当な主張が多い。軍人が政治に意見する弊害や機関銃、航空機等の近代兵器での武装の必要性、そして総力戦による国家の疲弊と一方で非戦のためな武装論など。 渡辺錠太郎の名は知ってはいたが、本書がなければ略歴その他深く知ることはなかったように思う。歴史の狭間で名のみ残る人物。そんな立志伝中の人物にスポットライトをあてた作品。父娘二代の生涯には大きな感動が。 屈指の評伝です。

Posted by ブクログ

2020/05/31

「渡辺錠太郎伝:二・二六事件で暗殺された学者将軍の非戦思想」(岩井秀一郎)を読んだ。 これは力作です。 見事! 渡辺の言葉で印象に残ったのが、 『それから少数の者が実権を掌握して久しきに溺れば必ずその内容が腐敗して来る』(本文より) いつの時代においても権力が腐敗していくのは同じ...

「渡辺錠太郎伝:二・二六事件で暗殺された学者将軍の非戦思想」(岩井秀一郎)を読んだ。 これは力作です。 見事! 渡辺の言葉で印象に残ったのが、 『それから少数の者が実権を掌握して久しきに溺れば必ずその内容が腐敗して来る』(本文より) いつの時代においても権力が腐敗していくのは同じか。

Posted by ブクログ

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