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鉤十字の夜
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 水声社 |
発売年月日 | 2020/01/24 |
JAN | 9784801004641 |
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鉤十字の夜
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商品レビュー
3.5
5件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
ナチス・ドイツが世界大戦に勝利してから数百年後の西暦2600年代(ヒトラー暦720年)、ヒトラーを神とするヒトラー教のもとドイツ帝国は統制され、キリスト教徒は迫害を受け、(ドイツ人を含む)女性もまた出産のためだけに存在におとしめられてゲットーに隔離されていた。イギリス人のアルフレッドは、友人のドイツ人が起こした事件を通して宗教指導者である「騎士」のフォン・ヘスと知り合い、フォン・ヘスの祖先が残した書物を託される。ヒトラーは神ではなく人間であったこと、ドイツ以外にも帝国があったこと、キリスト教が支配的な宗教だったことなど、フォン・ヘスとの対話からアルフレッドは歴史の真実を聞くことになる。 ドイツ帝国以前は未開の時代だったと歴史は改竄され、過去を思い起こさせる書物、思想、芸術などは徹底的に破壊された。また、拒絶されプライドを傷つけられることを恐れた男性によって女性が「格下げ」された。 ナチスが勢力を伸ばしていた1937年に発表され、ナチスの蛮行の行き着く先を描いて諷刺した作品だが、図書館の閲覧制限、非モテによる無差別殺人、男女不平等など、現代日本の諷刺としても充分通用すると訳者は指摘する。 フォン・ヘスとの対話が長く、そのなかで世界観とそこに至った経緯が説明されるので、小説としては展開が乏しくて少々退屈ではある。
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図書館で蛍の光が流れる中、走って掴んで借りた本。押し付けがましくて、憂鬱な感じなんだろうな、と思ったけど、自分は読みやすかったです。2600年代位を想定した時代で、ナチス党(宗教?)(ってか世界は日本とドイツのみ)が支配する世界で、大げさに馬鹿らしく描くことにより、水面下で批判し...
図書館で蛍の光が流れる中、走って掴んで借りた本。押し付けがましくて、憂鬱な感じなんだろうな、と思ったけど、自分は読みやすかったです。2600年代位を想定した時代で、ナチス党(宗教?)(ってか世界は日本とドイツのみ)が支配する世界で、大げさに馬鹿らしく描くことにより、水面下で批判しているという構造?皆さんは、女性が「生む機会」として描かれる世界に不快感を感じてらっしゃるが、アメリカレイシストと一緒で、政治家がうっかりそんな発言する現代(!)に生きてて、何をいまさら、って感じがする。真面目に向き合うからしんどい。
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ナチス・ドイツが世界大戦に勝利してから数百年が経った世界を描いたディストピア小説。この世界では女性の価値が男児を産むことのみに貶められている。また、「ヒトラー教」を唯一絶対の価値観とする社会からは、他の知識を人々に伝え得る書物の一切が消えてしまっている。 『侍女の物語』や『19...
ナチス・ドイツが世界大戦に勝利してから数百年が経った世界を描いたディストピア小説。この世界では女性の価値が男児を産むことのみに貶められている。また、「ヒトラー教」を唯一絶対の価値観とする社会からは、他の知識を人々に伝え得る書物の一切が消えてしまっている。 『侍女の物語』や『1984年』などと比べると情景描写に物足りなさを感じる。けれども他の代表的なディストピア小説に先駆けて刊行されたことを思うと、本書の価値は内容以上となるのだろう。他のディストピア小説を読んだあとに読んでみるとよいかもしれない。 訳者が巻末の解説で他のディストピア小説や現代社会との比較を詳しく考察しているので、それについては「訳者解説」を読むとよい。訳者が論じていない点として、本書には宗教に対する盲目的な信仰への批判も込められているように感じる。「ヒトラー教」は言うにおよばず、読み書きを「異教徒的」と見なし、愚かな思い込みに執心するキリスト教徒の描写が印象的だった。
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