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声でたのしむ 美しい日本の詩 岩波文庫別冊
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2020/01/18 |
JAN | 9784003500286 |
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声でたのしむ 美しい日本の詩
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商品レビュー
4.5
9件のお客様レビュー
「声でたのしむ」というタイトル通り、読んでみたくなる俳句や詩、短歌、川柳など。見た目の文字でも面白いものもあり、そのギャップもまた面白いものが多い。解説もあるので読みやすくて、その解説一つ一つも面白い。
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持論だけれども、詩や歌はどれだけ引用され愛誦されたかでその価値が決まると思っている。だから、作者から訴えられない限りは、どんどん引用して広めるべきだというのが私のポリシーである。 「詩は本来、朗唱されるものです。」 ーそういう編集方針で編まれた詩歌のアンソロジー。大岡信・谷川俊...
持論だけれども、詩や歌はどれだけ引用され愛誦されたかでその価値が決まると思っている。だから、作者から訴えられない限りは、どんどん引用して広めるべきだというのが私のポリシーである。 「詩は本来、朗唱されるものです。」 ーそういう編集方針で編まれた詩歌のアンソロジー。大岡信・谷川俊太郎の偏見がかなり入っていて、気に入ったのもあるし、気に入らないのもある。しかもまる2年間半積読していた。元本は90年刊の「和歌・俳句編」「近・現代詩編」を一冊にまとめたものらしい。文庫本になったことで、いつでも携帯できることに気がついた。とりあえず、気に入った詩歌を以下にメモする。その後、気になった詩歌を見つけたら、どんどん追加していこう。コレ案外いい本である。 荻の花尾花葛花瞿麦(なでしこ)の花女郎花(おみなえし)また藤袴(ふじばかま)朝貌(あさがお)の花 ←577577形式の旋頭歌。秋の七草。山上憶良(7-8世紀)が歌った。 大和は国のまほろば たたなづく青垣山籠れる大和しうるはし ←古事記歌謡より。ヤマトタケルが絶命する時に故郷を偲んだ歌と言われているが、実際には儀式の国ぼめのうたが援用されたのだろう。 あらざらむこの世のほかの思い出にいまひとたびの逢ふこともがな 「私が死んであの世にいってしまってからの思い出のために、せめてもう一度お会いしたいのです。」 ←こう言われちゃったら、よっぽどのことがない限り、もう一度会うでしょ。和泉式部(10-11世紀)はプレイガールの元祖。 逢ひ見ての後の心にくらぶれば昔は物を思はざりけり ← 一方、権中納言敦忠(10世紀)の方は、かなりロマンチスト。前の人とはかなり対照的。 仏は常にいませども現(うつつ)ならぬぞあわれなる 人の音せぬ暁にほのかに夢に見え給ふ ←「梁塵秘抄」(12世紀後半)の最も有名な歌。後白河が撰んだ、この頃の歌謡曲。曲調は?声質は?世の辛さを感じていた人々を、この歌がどれほど癒したことか。 蛸壺やはかなき夢を夏の月 ←芭蕉、17世紀の人。辛き世のいっときの癒しの夢を、皮肉めいて笑っている。コレが近世。 大蛍ゆらりゆらりと通りけり ← 一茶、18-19世紀の人。辛き世を、それでも楽しみたいのである。 少年の日 佐藤春夫 1 野ゆき山ゆき海辺ゆき 真ひるの丘べ花を敷き つぶら瞳の君ゆゑに うれひは青し空よりも。 2 影おほき林をたどり 夢ふかき瞳を恋ひ あたたかき真昼の丘べ 花を敷き あわれ若き日。 3 君の瞳はつぶらにて 君が心は知りがたし。 君をはなれて唯ひとり 月夜の海に石を投ぐ 4 君は夜な夜な毛糸編む 銀の編み棒に編む糸は かぐろなる糸あかき糸 そのラムプ敷き誰がものぞ ←谷川俊太郎は「漢文、文語、口語を使いこなすことのできた春夫のような詩人に比べると、口語しか使えぬ現代詩人の多くは、日本語という宝の持ち腐れ」と言う。谷川と共感すること寡ない私乍ら、コレには肯く。 眼にて云ふ 宮沢賢治 だめでせう とまりませんな がぶがぶ湧いてゐるですからな ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから そこらは青くしんしんとして どうも間もなく死にさうです けれどもなんといゝ風でさう もう清明が近いので あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに きれいな風が来るですな もみぢの嫩芽(わかめ)と毛のやうな花に 秋草のやうな波をたて 焼痕(やけあと)のあるい草のむしろも青いです あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが 黒いブロックコートを召して こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば これで死んでもまづは文句はありません 血が出てゐるにかゝはらず こんなにのんきで苦しくないのは 魂魄なかばからだをはなれたのですかな たゞどうも血のために それを云へないがひどいです あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが わたくしから見えるのは やっぱりきれいな青ぞらと すきとほった風ばかりです。 ←ほう、そうか これを撰んだか ほう、そうか これを撰んだか もちろん、絶筆じゃない。 2023年9月25日記入
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いつだったか、音読と黙読の経緯の話を読んでいた。 黙読という読書方法が浸透している中で、声に出して詩歌を楽しむ。音のリズムを楽しむ。 でもそうなんだよな。歌詞だって声に出しているのが当たり前なんだから、詩歌だって今の時代に声に出して楽しんでいいはず。
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