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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2019/12/18 |
JAN | 9784750516226 |
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8件のお客様レビュー
数学者マーティン・ガードナー (1914-2010) は、1960年に『詳注アリス』、1990年に『新注アリス』、1999年に『詳注アリス 決定版』を出版しましたが、2010年のガードナー没の後、アリスの出版150周年記念の2015年に『詳注アリス 完全決定版』が出版されました。...
数学者マーティン・ガードナー (1914-2010) は、1960年に『詳注アリス』、1990年に『新注アリス』、1999年に『詳注アリス 決定版』を出版しましたが、2010年のガードナー没の後、アリスの出版150周年記念の2015年に『詳注アリス 完全決定版』が出版されました。この最後の完全決定版を和訳したのが、本書です。 https://www.honzuki.jp/book/284527/review/284164/
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『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の先行研究を網羅的に参照し、膨大な量の語釈を施した注釈本の決定版。初代挿絵画家であるテニエルのイラストを全て(鉛筆スケッチも)掲載する他、古今のイラストレーターが描いたアリスの挿絵を多数収録。 重厚感にビビっていたけれど、一度開けば面白...
『不思議の国のアリス』『鏡の国のアリス』の先行研究を網羅的に参照し、膨大な量の語釈を施した注釈本の決定版。初代挿絵画家であるテニエルのイラストを全て(鉛筆スケッチも)掲載する他、古今のイラストレーターが描いたアリスの挿絵を多数収録。 重厚感にビビっていたけれど、一度開けば面白すぎてあっという間に読み終えてしまった。ガードナーは数学者でもあり、『自然界における左と右』の著者と同一人物。同姓同名の別人だと思ってた。注のなかでもアリス由来の名前が付けられた数学問題などについて嬉々として解説してくれる。 とにかく丁寧に注が振られていて、ときにそれ自体ひとつの小咄としても読めるサービス精神旺盛な本だ。特に21世紀に日本語でアリスを読む読者にありがたいのは「ヴィクトリア朝イギリスでは当たり前だった/よく知られていたこと」「当時のオックスフォードでは有名だったこと」「キャロルとリデル姉妹の内輪ネタ」などを、当時の資料・キャロルの日記などをソースにレイヤー分けして教えてくれるところで、今までアリスに抱いていた難解なイメージがほぐれていく。元ネタになった詩などもほとんど全篇載っているから、比べることでキャロルは教科書に載るような詩を茶化したりCMソングを替え歌するような遊びをしていたのだとわかる。 キャロルが画家のテニエルともかなり密なやりとりをして物語を作りあげていったということも本書でよくわかった。その最たるものが巻末に収録の「かつらをかぶった雀蜂」。これは元々『鏡の国』の白のナイトの章にあったエピソードを、テニエルが気に入らず絵が描けないと言うので刊行するときに抜いたという。年齢的にもキャリア的にも、キャロルはテニエルに頭が上がらなかったのかな。 ただ、個人的にはこのエピソードを抜いたのはやっぱり正解だったと思う。ガードナーはアリスがクィーンに相応しい人格を備えたことを示すものとしてこの話の必要性を認めているようだけど、アリスが"模範的に"振る舞う姿は子どもに理想を押し付けているみたいで、あまり面白くない。 こうして解説付きで『不思議の国』『鏡の国』をぶっ続けに読んでいくと、アリスという少女の子ども時代が終わりに向かっていくイメージがたくさん散りばめられていることに気づく。『不思議の国』のこまっしゃくれたアリスに比べ、『鏡の国』のアリスは話し相手が押し付けてくる不文律を察することができるまで聞き役に徹するようになっている。一人の子どもに訪れる変化の時を混沌のトランプから「ポーンがクィーンになる」チェスに置き換えていったのがキャロルの洒落たところだろう。アリスとお別れをするためにキャロルが施した仕掛けについても多くの解説がある。 また、私を含め映像作品からアリスを知った世代の人間は、簡単に脳内で像を結べないことを狙って書かれた言葉遊びが多いことを忘れがちなんじゃないかと思う。テニエルの絵が添えられているから一瞬スルーしがちになるけれど、チェシャ猫の微笑みだってよく考えれば純粋に言葉のなかにしか存在し得ないのだ。 高山先生の訳もテンションが高くてよかった。キャロルが友だちになった少女の日記を出版すると嘘をつく手紙、前に『少女への手紙』(平凡社ライブラリー)で読んで「このクソ野郎…」と思ったものだが、ガードナーと高山先生から総ツッコミを受けていて胸がすいた(笑)。 キャロルは自分が老いていく男であることを強烈に意識しながらも、少女を己の鏡像のように感じていたのではないかと思った。自画像を十代の女の子姿で描く男性がSNSには散見されるけど、キャロルにはあれに近いマインドがあったんじゃないかと思うのだ。
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この本は持ち歩けないし、いろんな意味で重たい! 尊敬するマーティン・ガードナー氏の遺作ということで読んでみることに。 「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」の両物語が謎解きをしながら読めます。 ガードナー氏の注が本編以上の分量で記されており、キャロル(ドジソン)の研究をして...
この本は持ち歩けないし、いろんな意味で重たい! 尊敬するマーティン・ガードナー氏の遺作ということで読んでみることに。 「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」の両物語が謎解きをしながら読めます。 ガードナー氏の注が本編以上の分量で記されており、キャロル(ドジソン)の研究をしているみたいな感覚になりました。 「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」は、かつて何度か挑戦しましたがいつも途中で挫折し読み切れませんでした。 今回初めて読破しましたが、私にはやはりストーリー自体が(ハチャメチャで支離滅裂で)面白くありませんでした。 150年も前の時代の外国の作品ということもあり、物語の背景の文化や流行り事の知識がないのでそのパロディが存分に楽しめません。 あと言葉遊びが多く、注にもその語り口がどうして面白いのか説明されているが、説明されたところで素直に面白さを感じることができません。 そのまま訳すとダジャレとして伝わらないので、翻訳者が苦労して日本語のダジャレや言葉遊びに直していたりしますしね。 一歩引いてこの作品を眺めると、キャロル(ドジソン)ってちょっとヤバイ感じの人のように感じてきます。 この作品に、なぜマーティン・ガードナーがライフワークとして入れ込んだのでしょうか?謎です。 マーティン・ガードナーも実は奇人だったのかな?
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