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テセウスの船(十) モーニングKC
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 2019/12/23 |
| JAN | 9784065177587 |

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テセウスの船(十)
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テセウスの船(十)
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商品レビュー
3.7
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
■どんな過去でも自分を生きろ テセウスの船の矛盾とは、当初の部品が全て無くなった船は最初の船と外見は同じだが部品は同じではない。この船は最初の船と同じと言えるのか、というもの。そして、これが人間だったらどうだろうという問いかけがこの本の主題だ。 主人公の田村心は、殺人犯(収監されている)の父親を持つ息子として肩身の狭い思いしながら生活をしており、やりたかった教員に就くのも諦めていた。又、妻の由紀は子どもを出産して死んでしまう。そんな時、心は殺人事件が起こった音臼町を訪れ過去へタイムスリップしてしまう。 心は過去で自分が生まれる前の家族や音臼町の人々と苦闘しながら、真犯人を突き止め未来を変えることになる。 未来の心は教員となり、同じく教員となっている由紀を家族(父母兄姉全員が生存)に紹介する姿は幸せそうだ。 自分の境遇から無力感に囚われ、生き方を狭めていた主人公が過去をやり直せるという偶然を活かし、向き合ったことで人生を取り戻した。 当然父親は冤罪であり、別に真犯人がいたから心にとっては理不尽でしかない。しかし、心は数えきれない部品(今ここ)を選択することで未来の自分自身を作り直すことに成功した。最終巻の主人公は外見は1巻と同じ人物だが、当初の主人公ではない。 テセウスの船は、当初の部品が全て入れ替わった時にこの船は最初の船と同じかという問いが生じたがこの本を読んだ後では、私は最初の船と同じだと思っている。英雄の船を後世に残すことが目的だった民衆にとって、同じかどうかはその船にまつわるテセウスの英雄性を思い出せるかどうかが重要だったはずで、その物語性は同じだ。 では人間は当初から部品(中身)が入れ替わったからといって矛盾と言うだろうか。いや言わないだろう。 一方で過去と向き合わなかったことで、自分も周りも不幸にしてしまったのがみきおだ。自分が手に入れた鈴が当初の鈴と違う(それも自分が原因)と、更に間違った方法で自分も周りをも不幸に巻き込んでいく。 心の父親の言葉「どんな過去があろうとも過去に逃げず今を生きろ」。これは、過去と向き合い今を積み重ねることで別人のようになることもある。でも、人はそう生きるべきだというのがこの本の主張だと思っている。
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【あらすじ】 お泊り会当日。21人が毒殺される未来を変えるために、警戒を強める心と文吾は、持ち物検査を実施。さらに、飲食も禁止にする。そして行方不明の和子と鈴を探して音臼岳の小屋に行った心は、殺人鬼と対峙。一連の事件の異様な動機を知ることに。時を超え揺れ動いてきた佐野家の未来が、...
【あらすじ】 お泊り会当日。21人が毒殺される未来を変えるために、警戒を強める心と文吾は、持ち物検査を実施。さらに、飲食も禁止にする。そして行方不明の和子と鈴を探して音臼岳の小屋に行った心は、殺人鬼と対峙。一連の事件の異様な動機を知ることに。時を超え揺れ動いてきた佐野家の未来が、ついに決まる――衝撃のタイムスリップ・サスペンス、ここに完結。 ・‥…━━━☆・‥…━━━☆・‥…━━━☆ 登場人物はそれほど多くないのに最後まで誰が犯人なのかわからず、すごくハラハラさせられました。また、タイトルである『テセウスの船』という言葉の意味から、この物語の終着点が果たしてハッピーエンドだったのだろうか、と考えさせられた。家族の幸せを取り戻すために搬送した心はこの世におらず、別の人生を歩んだ心がいる幸せな佐野家…それは本物だけど偽物の「佐野家」なのでは?と感じました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
全10巻読み終えました。 タイムリープ系サスペンスの秀作だと思います。 その中心には家族愛があり、過去に戻った心と父文吾との関係も、お互いの不信から友情へ、そして、親子愛へと昇華しており、悲しいながらも、清々しい最後だったと思います。 タイトルのテセウスの船は、部品が全て新しくなっても、最初の船と同じと言えるかの投げかけですが、私は同じだと思います。 大切なのは部品ではなく、作り手の想いやコンセプトにあると考えるためです。 過去に戻った心の体は亡くなりましたが、 心が残した大切な人を守るという強い想いは 文吾や家族に引き継がれており、 それがまた、未来の心や岸田由紀、 そしてこれから生まれてくる未来にも 繋がっていきます。 それこそが、佐野家の理想の家族像であり、 人が変わっても、 変わらずに続いていくものだと思います。
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