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自生の夢 河出文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2019/12/05 |
JAN | 9784309417257 |
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自生の夢
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自生の夢
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商品レビュー
4.1
21件のお客様レビュー
SF作家飛浩隆の中短編集。これまでいくつかアンソロジーで短編を読んできた中でも強烈な印象があったけれどやはり凄まじい作家だ。特に表題作『自生の夢』といくつかの派生作品は言語・言葉をテーマとする作品群だが、なんというか読む前と読んだ後で自分が別物に変えられてしまったような感覚がある...
SF作家飛浩隆の中短編集。これまでいくつかアンソロジーで短編を読んできた中でも強烈な印象があったけれどやはり凄まじい作家だ。特に表題作『自生の夢』といくつかの派生作品は言語・言葉をテーマとする作品群だが、なんというか読む前と読んだ後で自分が別物に変えられてしまったような感覚がある。変わってしまったのが言葉や意識についての認識なのか、自分の考え方や物の見方なのか、そしてそれがどの程度なのかを思考したり言語化するのは難しいのだけれども。伴名練氏の解説も流石。なんとなく手が伸びず未読のままになっていた『屍者の帝国』、いよいよ読もうかと思う。
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全体の基盤に「言語」のテーマ性、そして伊藤計劃の存在がずっとうっすら漂っている。出典は忘れたけど作者本人がどこかで「SFは美しく残酷なものと信じている」と言ってた通り、本作もすべての文章が美しく、凄絶で、大体ラストは寂しいか恐ろしかった。 「海の指」…グランヴァカンスの筆致に近いかんじ。人への恋しさ、各々が抱えた寂しさ、それを丸ごと蹂躙していく恐ろしい状況。明るくない結末に向かって疾走していく感覚はずっとあるのに文章が面白すぎて最後まで一気読みしてしまう。志津子さんが「来た」ら、絶対怖いよね… 「自生の夢」…一番強く伊藤計劃へのリスペクトというか、存在を意識しているのを感じる。彼に宛てた文章というか、もはや一個人を二次創作したというか…。伴名練がかなり詳しく解説してくれてるので、それを読んでから再読すると解像度がぐんと上がるのでありがたいですね。間宮へのインタビューの担い手だった〈わたし〉〈ぼく〉はそれぞれ「ハーモニー」「虐殺器官」なのかなぁ、と思って読み直すとかなり熱い。 「はるかな響き」…生物が言語を得る以前、すべてに名前がつきカテゴライズされ、私達が「理解」を得る以前にあった「あの響き」を生命は皆求めている。というのはかなりロマンがある設定で素敵だった。 ⚫︎あらすじ 73人を言葉だけで死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍〉を滅ぼすために、いま召還される。現代SFの最高峰、10年ぶり待望の作品集。「この作者は怪物だ。」――穂村弘 ────────────────────── 73人を言葉の力で死に追いやった稀代の殺人者が、怪物〈忌字禍(イマジカ)〉を滅ぼすために、いま召還される----第41回星雲賞日本短編部門受賞作「自生の夢」他、今世紀に発表された読切短編のすべてを収録。最先端の想像力、五感に触れる官能性。現代SFの最高峰、10年ぶり待望の作品集。 「この作者は怪物だ。私が神だったら、彼の本をすべて消滅させるだろう。 世界の秘密を守るために。」----穂村弘 その他の収録作品: ◎「海の指」第46回星雲賞日本短編部門受賞 霧が晴れたとき、海岸に面した町が〈灰洋(うみ)〉となり、異形の事物は奏でられていく。 ◎「星窓 remixed version」日本SF大賞受賞第1作 宇宙空間からぽんと切り抜いたガラス板を買ってきた。 ◎「#銀の匙」「曠野にて」「野生の詩藻」 天才詩人アリス・ウォンの生み出したもの、遺したもの。 ◎「はるかな響き」 人類誕生以前に行われた犯罪、その結果、人類を殲滅させるに至った犯罪。 (河出書房HPより引用)
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言葉は世界であるとでも言うような物語の数々。その観点から、人の意識をシステム的なものとして捉えているのは、伊藤計劃とも重なるようにおもう。sfの想像力(と言い切ってしまえるかわからないけど)を突き詰めた結果、自意識みたいなところにいくのは面白い。なにか思想的な源泉があったりするの...
言葉は世界であるとでも言うような物語の数々。その観点から、人の意識をシステム的なものとして捉えているのは、伊藤計劃とも重なるようにおもう。sfの想像力(と言い切ってしまえるかわからないけど)を突き詰めた結果、自意識みたいなところにいくのは面白い。なにか思想的な源泉があったりするのだろうか。 自分の基盤を崩されるような恐ろしさもあるが、とても好きな一冊になった。
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