下手くそやけどなんとか生きてるねん。 薬物・アルコール依存症からのリカバリー

渡邊洋次郎(著者)

• 販売会社／発売会社: 現代書館
• 発売年月日: 2019/11/10
• JAN: 9784768458716

商品レビュー

2023/10/13

時々、当事者が書いた本を読むようにしている。自身のリカバリーだけでなく、ピアカウンセリングの難しさについて書かれているのは良かった。自分の体験から語ってしまうので、同じようにできない人を責めてしまう。「親の会」とかでもそう。ちなみに、心理士も育児にかんしては同じ沼にハマる。「育児していないから育児相談ができない」とか。逆もしかり。ニューヨーク大学の教授の言葉を思い出す。「あなたは、プロでしょう。外科医が胃がんになったことがないからと言って手術を断りますか？レイプされたことないからと言って、レイプ被害者のカウンセリングを断るんですか？自分の経験から語るのは近所のおばちゃんと一緒です。」支援者は支援のプロ。当事者はその人生のプロ。

2023/01/30

評価なんておこがましいけど、平易な言葉で、ものすごく大事なことがてんこ盛り書いてあった。ABC理論にも通じると私が感じたところもあった。とにかく、全て、全てが、作者自身の体験に基づいて出てきた言葉だから、説得力が違うんよ。しかも福祉三本柱と言われる国家試験、ぜーんぶ取得していらっしゃるし…。この感じ(とにかく言葉が、表現が普段着なんです…)で、それですかって、ちょっと嫉妬してしまうくらいでした。すごいな。いろんなところからいろんな角度でものを見た人だ。最後の締めくくりがとても良かった。「私とともに生きてください」私も、この言葉、使ってもいいですか…。

2022/05/15

幼少期から生きづらさを抱えていて、学校にもなじめなかった洋次郎さん、関心を持ってもらうために悪さをするという行動から、シンナー使用を繰り返すようになった。アルコール依存にもなって、入院や服役を繰り返してからのリカバリーの人生を振り返って書いてくれた作品。ソーシャルワーカーはどんな人でも回復できるという確信をもって対峙してほしいというメッセージが重い。だけど、洋次郎さんの存在が、どんな人でも回復できるということを信じさせてくれる力になる。
幼少期の生きづらさがどこから出てきたんだろう、子ども時代にどんな支援者と出会えていたらよかったんだろう、まだまだ考えないといけないな。