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少年の名はジルベール 小学館文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2019/11/06 |
JAN | 9784094067132 |
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少年の名はジルベール
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商品レビュー
3.8
18件のお客様レビュー
まず表紙のジルベールの美しさに惹かれ やはり竹宮先生は素晴らしいと第一に 思った。 先に萩尾望都先生の、一度切りの大泉の話を 読んでいたのでどちらの立場が良いか悪いか は別として、大泉サロンと言う場所から 全てがはじまり二人の偉大な漫画家が 誕生した事に読み手の私達は感謝している...
まず表紙のジルベールの美しさに惹かれ やはり竹宮先生は素晴らしいと第一に 思った。 先に萩尾望都先生の、一度切りの大泉の話を 読んでいたのでどちらの立場が良いか悪いか は別として、大泉サロンと言う場所から 全てがはじまり二人の偉大な漫画家が 誕生した事に読み手の私達は感謝している。 竹宮先生の風と木の詩は、初めて読んだ時 衝撃を受けた。 作画の繊細さも美しく、内容にもときめいた。 この漫画が出版されるまでの、竹宮先生の 苦悩や挫折が全て曝け出している。 萩尾望都先生との出会いと別れは、当事者 同士しか分からない事だと思うが 多くの天才が、伝説の大泉サロンから刺激 を受け私達読者に素晴らしい作品で 夢を見させてくれたのは間違いない。
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萩尾望都の「一度きりの大泉の話」を読んで竹宮恵子側も読まねばと思い読んでみたが、ただの自伝だったのでがっかりした。「風と木の詩」をいかにして発表したかの話であるが、それほど大した作品かとちょっとしらけてしまった、特にバッドエンドにしたのは自ら少年愛を否定したかの様だった。少女漫画革命と何度も言っているが、今も少女漫画は恋愛ものばかり、そのせいで映画までクソ映画の連続だ。それに少女漫画に変革をもたらしたのは萩尾望都、山岸凉子、大島弓子だ、竹宮恵子はそこからは外れる。まあ石ノ森章太郎を師事したのが間違いの元だろう。
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『一度きりの大泉の話』を読んだので、こちらも読まなければフェアじゃないと思い、読む。 やっぱり竹宮さんは賢くて情熱的な人だなと思う。 萩尾さんの本でもアシスタントに対する注文が非常に的確だったとあったが、この本を読んで納得した。漫画だけでなくあらゆる芸術作品をきちんと研究・分析し...
『一度きりの大泉の話』を読んだので、こちらも読まなければフェアじゃないと思い、読む。 やっぱり竹宮さんは賢くて情熱的な人だなと思う。 萩尾さんの本でもアシスタントに対する注文が非常に的確だったとあったが、この本を読んで納得した。漫画だけでなくあらゆる芸術作品をきちんと研究・分析し、それをどう漫画の表現に活かすかを考え抜いてきた人だと思う。だから大学で教えるというのも向いていた。 徳島大学に行っていたというのも、当時の世間の常識(女の子は学歴は必要ない、親元から通える学校に行くのが当然)を考えると、相当頭が良かったのだと思う。 この本はスランプに陥りながらも『ファラオの墓』を経て、代表作『風と木の詩』を生み出すまでの過程を丁寧に描いている。大泉サロンの見取り図もあり、当時の様子を想像しやすい。 ヨーロッパ旅行の様子も詳しく、外国の情報を得る手段が圧倒的に少なかったあの時代、若い漫画家たちがヨーロッパ文化にいかに刺戟を受けたかがリアルに伝わってきた。また、たかが少女マンガ、と考えている人が多かったのに、いかにリアルに描くかにこれほどこだわっていたことに胸が熱くなった。 当時の少女マンガの編集者は(もちろん出版社のトップも)全て男性で、「女の子はこんなのが好きなんでしょ」という思い込みのもとに作られていたこともよくわかった。そこに「革命を起こす」(自分たちが描きたいもの、読者が本当に読みたいものを描く)ことを意識してやったのは増山さんと竹宮さんだった。萩尾さんも革命的ではあったが、意識的に行ったわけではない。(なのに萩尾さんの方が先に革新的な作品で評価されたことは、竹宮さんを苦しめた。) 『風と木の詩』の連載が決まったあとはすぐに「大学で教えるということ」になっており、24年間は省略されている。 ここが、ちょっとな…と思った。 大泉サロンが解散したのは仕方ないと思う。ゴッホとゴーギャンじゃなくても、才能のある作家が同居するというのは無理があったのだ。萩尾さんを傷つけてしまったことも自覚しているようだし、そこはもうそっとしておいてあげたい。 しかし、増山さんについては、竹宮さんはきちんと書き残す義務があるのではないかな。 言動はきつかったけれど、まさにミューズであり、彼女が竹宮さんに与えたインスピレーションは多大だった。忠告は的確で、美意識の高さ、教養の深さは目を見張るものがあった。何より少年愛を描くという困難を竹宮さんが成し遂げられたのは増山さんがいたからだと思う。 しかし、マンガのプロデューサーという仕事自体が当時は存在せず、彼女の立場は公式には認められなかった。収入だって契約してないとすれば竹宮さんの意識だけにかかっているわけで、それは心許ないことだっただろう。 そして増山さんは亡くなっているのだから、竹宮さんは増山さんと別れる(実際には亡くなる前に蜜月が終わっていたとしても)までを書くべきだったのではないかな、と。でないと増山さんが浮かばれないと思う。 三人の中で、ただ一人(自分の、と言える)作品を残せていない増山さんの気持ちはどうだったのだろう、と思わずにはいられない。 もともと萩尾さんのペンフレンドだった増山さんと竹宮さんが出会い、増山さんの家のすぐそばで竹宮さんと萩尾さんが暮らし、そこに名だたる少女マンガ家たちが集ったというのは本当に奇跡だと思う。 また、上原きみ子みたいな王道の少女マンガ(今となっては古く感じる)がどのように描かれていたのかもよくわかった。 少女マンガの歴史的資料としても貴重な本だと思う。
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