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執権 北条氏と鎌倉幕府 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/10/12 |
JAN | 9784065175736 |
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商品レビュー
4.8
9件のお客様レビュー
北条家ってつくづく…。
2023年8月読了。 昔から「鎌倉好き」だったのだが、昨年の大河ドラマで久々に〝燃え上がる程の鎌倉愛〟が甦り、最近の研究成果を踏まえた研究書を漁り出したのだが、やはりNHKの力はスゴいもの。 本書と出逢えて、非常にラッキーだった。 『「執権」で有り続けた北条家は、何...
2023年8月読了。 昔から「鎌倉好き」だったのだが、昨年の大河ドラマで久々に〝燃え上がる程の鎌倉愛〟が甦り、最近の研究成果を踏まえた研究書を漁り出したのだが、やはりNHKの力はスゴいもの。 本書と出逢えて、非常にラッキーだった。 『「執権」で有り続けた北条家は、何故〝将軍〟を欲しなかったのか?』をメインテーマとして、歴代執権の中でも対称的なイメージの有る北条義時と時宗を徹底的に“深掘り”した、とても興味深い本だった。 大河ドラマでもそうだったが、あれだけ血腥い事をやり尽くした感の有る義時が、後の時代では『頼朝と並ぶ卓越した得宗(政治家)』として、室町幕府やその後の武家政権からこんなに高い評価と尊敬を集めていたとは…、全然知らなかった。 時宗も、「外交音痴で、闘争的で、後の幕府崩壊の端緒を作った人」ぐらいの認識だったのだが、ここでも「義時」を御手本として、北条(得宗)家の独裁政治を〝ほぼ完成させた〟立役者だった、と云うのには驚きました。それと、「攻められる前に攻めちゃえ!」って本気で考えていたなんて、誇大妄想狂的な可愛らしさ(?)も垣間見れて、本当に「目からウロコ」本でした。 読後、大河ドラマをまた最初から見直したくなった。一般の方々にも理解しやすく書かれているので、興味を持たれた方には是非是非、お奨めします!良かったね、小四郎!!
左衛門佐
鎌倉将軍に準じる立場"なのに"鎌倉幕府を支配したと思われがちな北条得宗家だが、筆者いわく、鎌倉将軍に準じる立場"だから"支配できた。"だから"を支えたものは何か。その仮説が楽しくてたまらない。誰しもが知っている執権の職位...
鎌倉将軍に準じる立場"なのに"鎌倉幕府を支配したと思われがちな北条得宗家だが、筆者いわく、鎌倉将軍に準じる立場"だから"支配できた。"だから"を支えたものは何か。その仮説が楽しくてたまらない。誰しもが知っている執権の職位というリアルな権力とは別に、とあるフィクショナルな権威があったのだ、と。ハードパワーのみが注目されやすい得宗家をソフトパワーから読み解くオススメの一冊。
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北条氏はなぜ将軍にならなかったのか、得宗専制とはそもそも何なのかなど素朴な疑問の提起から始まる本書は、「北条氏の鎌倉幕府支配を支えた論理」の解明を課題としている。 フォーカスされるのは、承久の乱で執権の権力集中を成し遂げた義時と、蒙古襲来という未曾有の危機に際して得宗専制体制を...
北条氏はなぜ将軍にならなかったのか、得宗専制とはそもそも何なのかなど素朴な疑問の提起から始まる本書は、「北条氏の鎌倉幕府支配を支えた論理」の解明を課題としている。 フォーカスされるのは、承久の乱で執権の権力集中を成し遂げた義時と、蒙古襲来という未曾有の危機に際して得宗専制体制を構築した時宗である。あえて北条氏の歴史ではなく、この二人に絞ったことで「支配を支えた論理」とその政治史的意味を明確にすることに成功していると言って良いであろう。初出は『北条氏と鎌倉幕府』(講談社メチエ、2011)。 きわめて真面目な内容なのだが、資料の解釈など現代的な大胆に噛み砕いている部分が多く、初学者にもわかりやすいように配慮がされている。 本書の構成は以下の通り。 はじめにー素朴な疑問 第1章 北条氏という家 第2章 江間小四郎義時の軌跡ー伝説が意味するもの 第3章 相模太郎時宗の自画像ー内戦が意味するもの 第4章 辺境の独裁者ー四人目の源氏将軍が意味するもの 第5章 カリスマ去って後 おわりにー胎蔵せしもの 素朴だが重要な問題の回答については、ネタバレになるので書かないが、第4章後半の全体のまとめ的な部分を読めば、諒とされるであろう。また現在放映中の大河ドラマも面白く観ることができるように思う。
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