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秋萩の散る 徳間文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 徳間書店 |
発売年月日 | 2019/10/09 |
JAN | 9784198945084 |
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秋萩の散る
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商品レビュー
4.3
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幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎の娘・河鍋とよ(暁翠)を主人公にした小説で直木賞を受賞した、澤田瞳子。 『星落ちて、なお』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B094HZY84B 明治から大正にかけての、日本画...
幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎の娘・河鍋とよ(暁翠)を主人公にした小説で直木賞を受賞した、澤田瞳子。 『星落ちて、なお』 https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/B094HZY84B 明治から大正にかけての、日本画および絵師たちに降りかかった大きな変化と、そのうねりの中で自らに向き合い絵師であることを貫いた暁翠の内面を表現した、重厚な作品でした。 この作家さんの作品にはまだ未読のものがあることを思い出し、デビュー以来の中心テーマである古代を題材にしたこの作品を、読んでみることにしました。 本作品は、5つの短編で構成されています。 最初の『凱風の島』は、現在の沖縄本島を舞台にした、遣唐使のお話。 日本国内でなかなか進まない、仏教の戒律の普及のために招聘された、鑑真。 6回も繰り返すことになったその渡航が大変だったとは聞いていましたが、彼を引きとどめたい唐側の動きなど、船の運航以外にも要因があったのだということを、教えてもらいました。 そして航海技術が未発達だったこの時代、それぞれの船が無事にたどり着くかどうか、まさに紙一重だったということを、具体的なイメージを持って理解することができました。 表題作の『秋萩の散る』は、怪僧と呼ばれた道鏡が主人公。 孝謙天皇に重用され、天皇の血筋以外としては異例の出世をした彼ですが、女帝が崩御するとすぐに、東国の寺へと流罪同然の左遷をさせられてしまいます。 その地で出会ったのが、「呪い殺しが出来る」と言う老僧。 老僧から誘いを受けた道鏡が、孝謙天皇という女性が自分にとってどういう存在だったのか、その存在に自分はどう向き合うべきか、思い悩む姿が描かれています。 人の評判、歴史上の評価というものはどれだけ、人為的に曲げられるものなのか?歴史上の人物について、自分が知っていることはどれだけ正しいのか?と、考えさせられる内容でした。 5作品に共通するのが、奈良時代、それも女帝・孝謙天皇の時代が題材となっていること。 この時代に起こった大きな出来事の、サイドストーリー的な話を、時代順に読むような構成になっています。 一冊を読み通すことによって、この時代に、日本という国の形成に大きな影響を与えた出来事が起こっていたということを、学ばせてもらいました。 その変動の時代に、夫も子供もいない女性として描かれる孝謙天皇の姿が、(本人は登場しないのでよけいに)印象に残りました。 この作家さんがさまざまな題材を扱っていることは知っていますが、やはり、日本の古代を扱った作品は興味深いですね。 歴史を学ぶという意味でも、作品を探して読んでいきたいと思います。 .
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下野国薬師寺別当として流されてからの道鏡の心境がよかった。坂口安吾の道鏡も好きだが、澤田瞳子さんの道鏡もとても印象的。
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奈良時代の話。 弱くも強くもある人の葛藤や心底が伺える。 澤田瞳子さんは素晴らしい! この本を読んでからの「弧鷹の天」お薦めです!
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