私の家

青山七恵(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社
• 発売年月日: 2019/10/04
• JAN: 9784087716757

商品レビュー

2025/04/20

自分の家ってどこかな、と改めて考えた。先月、人生11回目の引越をしたこともあり、それぞれの家と共に想い出がある。両親兄弟姉妹と住んでいた時代の自分は梓だったし、今は祥子の気持ちになることが多いのかもしれない。
読みながら梓に対してイライラしたが、あの頃私の母はこう感じていたんだろうな。
表紙の同じような家がたくさん並んでいる様子と実際のギャップを思う。

2024/11/16

それぞれの視点からの家と家族の話
淡々としていてドラマチックな展開があるわけじゃないのに、どこかほろっとさせられるストーリーでした。
伏線で祖母の家に預けられていた祥子の為に母が買って来た着物が家族の間をぐるぐる回って戻ってくるのも因果な感じがして良かった。

2024/07/18

私の家　とは?
誰にでもある家。かならずある家。小さい時は、まだそこが世界の全てであり、当たり前にあった家。世代によっての家への想いや縛られ感は違う。
家は安全？守るもの？心の故郷？戻れる処？実は逃げ出したい？
家から出て、外の世界で生きてきた時、「家」内と外とのビミョーなズレに気づく時、「私の家」は少し遠のく。大人になったからなのか。
でも、そこからまた一歩踏みこむことで見方が変わる。大人になったからこそ気づく事がある。「家」で過ごした時間は人を繋げている。いつか戻って来られる場所として。