士 サムライ 天下太平を支えた人びと

東京都江戸東京博物館(著者), 田原昇(著者), 小酒井大悟(著者), 岡塚章子(著者)

• 販売会社／発売会社: 青幻舎
• 発売年月日: 2019/09/01
• JAN: 9784861527517

商品レビュー

2025/10/09

侍が時代の移り変わりと共にどう生きたか、写真を元に考察している一冊。
武人から役人への変遷、大政奉還後の江戸の変容、そして明治維新後の侍の生き様を偲べる素晴らしい写真や資料が収録されています。
武士・侍の活躍や移り変わりを変容、日常、非常、交流、一新に章立てして解説しています。
天下泰平となっても侍は役人として日々奮闘し、災害などの変事とも戦っていました。
災害出勤で白羅紗地桐紋入火事装束に身を包み火事場を指揮した大名火消や幕府直属の定火消、彼らは与力や同心に並ぶ太平の世における真の侍であります。
町人に組織された町火消に大名火消と定火消は押されますが、江戸から明治にかけては侍や町人や農民という身分に関係なく根性のある者が活躍する世へ移っていった時代なのだと私は考えます。
一士族の末裔としては侍の衰退を残念に思わないと言えば嘘となりますが、もはや出自など関係ないと断言いたします。
本書を読み終え、兵どもが夢の跡だと感じました。