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幽霊島 平井呈一怪談翻訳集成 創元推理文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2019/08/29 |
JAN | 9784488585082 |
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平井呈一(1906ー1976)による海外の様々な怪奇/恐怖小説の古典の翻訳を集めたアンソロジー。 割と最近知ったのだが、平井は永井荷風(1879ー1959)に一時期弟子入りというか、親しく接した時期がある。1935(昭和10年)からの数年間で、その出会ったとき、荷風は57歳、...
平井呈一(1906ー1976)による海外の様々な怪奇/恐怖小説の古典の翻訳を集めたアンソロジー。 割と最近知ったのだが、平井は永井荷風(1879ー1959)に一時期弟子入りというか、親しく接した時期がある。1935(昭和10年)からの数年間で、その出会ったとき、荷風は57歳、平井呈一はまだ29歳。 しかし荷風の伝記をいろいろ読んでいると、どうもこの平井呈一は人格的に危ういところがある。ひそかに自分で書いた書字や色紙を荷風筆と騙って売り金銭を得たりしていた。これは今なら完全に犯罪である。それだけなら荷風はさほど怒らなかったようだが、荷風作の秘本で一種の春本のような原稿を、勝手に持ち出して人に見せて回ったりもしたので、これは自らに筆禍を招きかねないと危惧した荷風は本気で怒り、2人の関係は断絶。そして荷風は短編小説『来訪者』に平井をモデルにした人物を登場させた。 詐欺行為や、人が怒るに決まっていることをやらかす平井青年は、どうもまともな人物とは思えない。 その平井呈一は、怪奇小説の翻訳者として、確かに日本のエンタメ翻訳文化において重要な足跡を残したと言えるのだろう。海外の怪奇/恐怖小説の古典を読もうとすると、どうしても日本では、創元推理文庫で大量に刊行されている平井呈一の翻訳を避けることは出来ない。 しかし、この平井呈一の翻訳は名訳なのか? 私は違うと思う。本書を見ても、ことさらに古めかしい文体を採っているものもあるが、読みにくいだけで決して雅趣があるわけではない。文章がうまいとはどうしても思えないのである。アーサー・マッケンなど、平井呈一でない新訳を、もっとどんどん出してほしいと思う。 翻訳のことを棚に上げて言うと、本書はバラエティ豊かな、さまざまな作品が収められていた。私はシンシア・アスキスの「鎮魂曲」(1931)の物語が気に入った。
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ワイルドの『カンタヴィルの幽霊』が、喜劇色がありながらも切なさもあり面白かった。 付録の対談なども全部で100ページほどのボリュームがあって凄い。
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平井呈一氏の訳文による、19世紀~20世紀前半の英米古典ホラーのアンソロジーである。 ラヴクラフトの中では「ダンウィッチの怪」や「クトゥルーの呼び声」に比べたらマニアックで知名度が低い「アウトサイダー」で幕を開け、ブラックウッドの表題作や、時代を象徴する吸血鬼もの数作等を挟み、最...
平井呈一氏の訳文による、19世紀~20世紀前半の英米古典ホラーのアンソロジーである。 ラヴクラフトの中では「ダンウィッチの怪」や「クトゥルーの呼び声」に比べたらマニアックで知名度が低い「アウトサイダー」で幕を開け、ブラックウッドの表題作や、時代を象徴する吸血鬼もの数作等を挟み、最後を締めるのはオスカー・ワイルドのコミカルな幽霊譚。 もちろん21世紀のホラーやミステリーに期待されるようなものを求めるべきではないが、当時の空気を想像してその世界に耽溺する魅力を上手く見出すことができれば、してやったりか。 付録のヴォリュームが凄い。
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