幽霊島 の商品レビュー
御大平井呈一の翻訳による怪談を集めた一冊。その訳文については賛否あるだろうが、私は嫌いではない。もちろん贔屓目もあるし、このジャンルに合っているという面も大いにあるだろう。それぞれの短篇の良し悪しではなく、全体を通した平井呈一風味を堪能する一冊ではないか。生田耕作との対談も必読。
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面白かった…! 短編でサクサク読めるのもあるが、おそらく平井呈一訳が個人的に肌にあっているからだと思う。 先に読んでいた『吸血鬼ドラキュラ』が良かったから購入したけれどやはりアタリ! 魔物?幽霊?が迫る緊迫感と不気味さがたまらない『幽霊島』、 吸血鬼モノ四作はどれも格別。 王道...
面白かった…! 短編でサクサク読めるのもあるが、おそらく平井呈一訳が個人的に肌にあっているからだと思う。 先に読んでいた『吸血鬼ドラキュラ』が良かったから購入したけれどやはりアタリ! 魔物?幽霊?が迫る緊迫感と不気味さがたまらない『幽霊島』、 吸血鬼モノ四作はどれも格別。 王道·古典的な『サラの墓』、夢の不気味さを兼ね備えた『塔のなかの部屋』、情景が禍々しくもどこか幻想的な『血こそ命なれば』。 翻訳作品のラスト『カンタヴィルの幽霊』は、神話無き新興国アメリカ人の一家(究極の陽キャ連中)に散々な目に遭わされる英国の老舗古参幽霊おじさん(職人気質の陰キャ)の散々な日々を描くコメディ。とはいえ、終わり方はとても爽やか。 ラヴクラフトの名状しがたい世界からはじまり、得体のしれない怪異、おそろしくも美しい吸血鬼たち、忍び寄る憑依現象におぞましい黒魔術と続いて、最後は喜劇&大団円の幽霊譚。 いやー、いい読書体験だった…。 あとの付録で平井氏の紹介している日本の作品のいくつかは東雅夫編『日本怪奇実話集 亡者会』に収録されている。 この本は本来平井呈一編訳『世界怪奇実話集』を復刊させるために編まれたものなので、こちらの付録に収録されたオススメが載っているのは当たり前といえば当たり前だけど…。『亡者会』では平井氏本人が体験した気味の悪い話も載っているので、あわせて読むと面白いかもしれない。
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オトランド城が好きでこの本を買ったのだが、正直半分くらいは外れかなと思ってしまった。 こういっちゃなんだけど、エンタメ感もないしオトランド城のような深いデティールから浮かび上がるおどろおどろしさみたいなものも感じなかった 幽霊が逆にアメリカ人の家族にボコボコにやられる話は面白か...
オトランド城が好きでこの本を買ったのだが、正直半分くらいは外れかなと思ってしまった。 こういっちゃなんだけど、エンタメ感もないしオトランド城のような深いデティールから浮かび上がるおどろおどろしさみたいなものも感じなかった 幽霊が逆にアメリカ人の家族にボコボコにやられる話は面白かった
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平井呈一(1906ー1976)による海外の様々な怪奇/恐怖小説の古典の翻訳を集めたアンソロジー。 割と最近知ったのだが、平井は永井荷風(1879ー1959)に一時期弟子入りというか、親しく接した時期がある。1935(昭和10年)からの数年間で、その出会ったとき、荷風は57歳、...
平井呈一(1906ー1976)による海外の様々な怪奇/恐怖小説の古典の翻訳を集めたアンソロジー。 割と最近知ったのだが、平井は永井荷風(1879ー1959)に一時期弟子入りというか、親しく接した時期がある。1935(昭和10年)からの数年間で、その出会ったとき、荷風は57歳、平井呈一はまだ29歳。 しかし荷風の伝記をいろいろ読んでいると、どうもこの平井呈一は人格的に危ういところがある。ひそかに自分で書いた書字や色紙を荷風筆と騙って売り金銭を得たりしていた。これは今なら完全に犯罪である。それだけなら荷風はさほど怒らなかったようだが、荷風作の秘本で一種の春本のような原稿を、勝手に持ち出して人に見せて回ったりもしたので、これは自らに筆禍を招きかねないと危惧した荷風は本気で怒り、2人の関係は断絶。そして荷風は短編小説『来訪者』に平井をモデルにした人物を登場させた。 詐欺行為や、人が怒るに決まっていることをやらかす平井青年は、どうもまともな人物とは思えない。 その平井呈一は、怪奇小説の翻訳者として、確かに日本のエンタメ翻訳文化において重要な足跡を残したと言えるのだろう。海外の怪奇/恐怖小説の古典を読もうとすると、どうしても日本では、創元推理文庫で大量に刊行されている平井呈一の翻訳を避けることは出来ない。 しかし、この平井呈一の翻訳は名訳なのか? 私は違うと思う。本書を見ても、ことさらに古めかしい文体を採っているものもあるが、読みにくいだけで決して雅趣があるわけではない。文章がうまいとはどうしても思えないのである。アーサー・マッケンなど、平井呈一でない新訳を、もっとどんどん出してほしいと思う。 翻訳のことを棚に上げて言うと、本書はバラエティ豊かな、さまざまな作品が収められていた。私はシンシア・アスキスの「鎮魂曲」(1931)の物語が気に入った。
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ワイルドの『カンタヴィルの幽霊』が、喜劇色がありながらも切なさもあり面白かった。 付録の対談なども全部で100ページほどのボリュームがあって凄い。
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平井呈一氏の訳文による、19世紀~20世紀前半の英米古典ホラーのアンソロジーである。 ラヴクラフトの中では「ダンウィッチの怪」や「クトゥルーの呼び声」に比べたらマニアックで知名度が低い「アウトサイダー」で幕を開け、ブラックウッドの表題作や、時代を象徴する吸血鬼もの数作等を挟み、最...
平井呈一氏の訳文による、19世紀~20世紀前半の英米古典ホラーのアンソロジーである。 ラヴクラフトの中では「ダンウィッチの怪」や「クトゥルーの呼び声」に比べたらマニアックで知名度が低い「アウトサイダー」で幕を開け、ブラックウッドの表題作や、時代を象徴する吸血鬼もの数作等を挟み、最後を締めるのはオスカー・ワイルドのコミカルな幽霊譚。 もちろん21世紀のホラーやミステリーに期待されるようなものを求めるべきではないが、当時の空気を想像してその世界に耽溺する魅力を上手く見出すことができれば、してやったりか。 付録のヴォリュームが凄い。
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滅茶苦茶面白かった。 ページ数500ページと少し分厚いけれど、短編集なので読みやすい。怪奇小説は普段あまり読まないジャンルだが、見事に沼に落とされた。
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13の翻訳短編、生田耕作との対談、「THE HORROR」掲載等の エッセイ、書評と、平井呈一尽くしの一冊。 ・翻訳短編・・・アウトサイダー、幽霊島、吸血鬼、塔のなかの部屋、 サラの墓、血こそ命なれば、サラー・ベネットの憑きもの、 ライデンの一室、“若者よ、笛吹かばわれ行かん”、...
13の翻訳短編、生田耕作との対談、「THE HORROR」掲載等の エッセイ、書評と、平井呈一尽くしの一冊。 ・翻訳短編・・・アウトサイダー、幽霊島、吸血鬼、塔のなかの部屋、 サラの墓、血こそ命なれば、サラー・ベネットの憑きもの、 ライデンの一室、“若者よ、笛吹かばわれ行かん”、 のど斬り牧場、死骨の咲顔、鎮魂曲、カンタヴィルの幽霊 付録I 対談・恐怖小説夜話・・・生田耕作との対談 付録II 「THE HORROR」・・・掲載のエッセイ等 付録III エッセイ・書評 出典一覧有り。 思えば「怪奇小説傑作集1」はボロボロになるまで読んだものです。 あれは丸ごと平井翻訳の傑作集でした。怪奇の愉しさといったら! その、英米の怪奇小説翻訳の第一人者である、平井呈一。 翻訳短編、対談、エッセイ、書評と、彼の翻訳職人としての 拘りや想い等が窺える一冊。紀田順一郎による解説と略歴もある。 短編は読んだものが多いけど、改めて味わい深く楽しめました。 生田耕作との対談は、当時の文学界や翻訳者たちに対する、 率直な考えが窺えて、興味深かったです。 エッセイや書評は未読ばかりで、良かったです。 改めて小泉八雲や「オトラント城」を再読してみたくなりました。
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平井呈一氏と生田耕作氏の対談が興味深かった。平井氏のアン・ラドクリフへの評価が低いのが意外。『ユードルフォの謎』の一日も早い訳出を望む。『ヴァテック』『オトラント』『モンク』は一応読んだけど、忘れてるな。アーサー・マッケンは昔読みかけて挫折。平井先生がここまで絶讃されるなら、再挑...
平井呈一氏と生田耕作氏の対談が興味深かった。平井氏のアン・ラドクリフへの評価が低いのが意外。『ユードルフォの謎』の一日も早い訳出を望む。『ヴァテック』『オトラント』『モンク』は一応読んだけど、忘れてるな。アーサー・マッケンは昔読みかけて挫折。平井先生がここまで絶讃されるなら、再挑戦せねば。 ゴシック文学は文体という両氏の発言に快哉。東雅夫氏編のゴシック名訳集成を読んだ時、そう思った。 この対談の1975年当時、平井先生は最近の作家は翻訳ものを読まないと嘆いておられた。あの頃でさえそうなら、今は…
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平井呈一訳の短編、エッセイ、そして生田耕作との対談(!)を纏めた1冊。 まさか平井呈一名義の文庫で生田耕作の名前を見るとは思わず(生田耕作は澁澤龍彦とセットで語られることが多かった)、これは嬉しい驚きだった。対談の内容も面白かった。 短編は、これはしょうがないことだが、既読の作品...
平井呈一訳の短編、エッセイ、そして生田耕作との対談(!)を纏めた1冊。 まさか平井呈一名義の文庫で生田耕作の名前を見るとは思わず(生田耕作は澁澤龍彦とセットで語られることが多かった)、これは嬉しい驚きだった。対談の内容も面白かった。 短編は、これはしょうがないことだが、既読の作品が多かった。何度読んでも面白いのだが。その代わりにエッセイは殆ど読んでいないので、こちらも嬉しかった。
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