心にしみる皮膚の話 「この中にお医者さんいますか？」に皮膚科医が…

大塚篤司(著者)

• 販売会社／発売会社: 朝日新聞出版
• 発売年月日: 2019/08/20
• JAN: 9784023318359

商品レビュー

2024/07/23

著者は皮膚科医の大塚篤司氏（1976ー）です。
本書は同氏の日々の臨床をベースにしたエッセイです。

大塚氏は一般家庭の長男として生まれます。
教育熱心な母の元で勉強を続け、中学まではトップクラスの成績を収めました。
高校は理数系に強い進学校を選んだところ、レベルの高さについていけず落ちこぼれてしまいます。
しかし両親の励ましを受けて一念発起して猛勉強し、二浪を経て信州大学の医学部へ進学しました。
医学は性に合ったことから学生時代は優等生で過ごし、卒業後は京大の皮膚科に所属して基礎研究に取り組みます。
研究は当初は成果をあげ、スイスにも留学して順調に出世コースを歩みます。
「人間やればできるし、できない奴はやらないからだ」
という強者の理論を振りかざし、傲りのような気持ちを抱いていました。
ところが激務が続き、それにも関わらず結果が伴わなくなると、燃え尽き症候群となってうつ病になってしまいました。
当時の上司は人格者で、その人の指示で休息をとり、数年がかりでようやく回復に至りました。
遠回りしましたが鬱の苦しみは心の宝となり、以前とは違った境地で仕事に従事するようになりました。

本書はそうした医師としての１６年の経験から紡いだ一般向けの医療エッセイです。
2018年からの「AERA dot」の連載記事を加筆修正したものが元となっています。
「皮膚科医が飛行機の中で【お医者さんいますか？】と問われたら？」
「病院の待ち時間が長いのはなぜ？」
「ホクロと皮膚癌の見分け方」
「皮膚科医の初恋」
「患者さんとの死別」
などについて短いエッセイが描かれていました。

本書はこのように一般の人が抱く医療への疑問、日々の臨床、若かりし頃の思い出などがまとめられていました。
合間には皮膚疾患の機序や最新のウンチクもわかりやすく示されていていました。
色々な思いが込められていて味わい深く、初めの印象を超える良書で嬉しい誤算でした。

2020/09/08

皮膚科の専門家の先生

皮膚科医であっても最低限の応急処置は出来ないといけない

救急車呼ぶか迷う時：#7119（救急安心センター）

患者と連絡とるということは病院以外の時間にも責任を持つということ。病院の診察以外でも相談出来、直接連絡をとろうとしてくる。

顔面にステロイド使うと皮膚が薄くなり、毛細血管の拡張が目立つようになる

チョコレートはサイトカインの産生を増強させる可能性が試験管レベルで報告
牛乳とニキビの関係が認められる
魚・野菜・フルーツを週3回以下しか食べない人の方がニキビできやすい
でもはっきりせず、食事指導は推奨しない

ニッケルを含むから金属アレルギーの人はチョコレートで皮膚炎増悪

43度以上のお湯は末梢神経に作用して痛み痒みを誘発する。細胞死を誘導してしまう

ディープラーニング：ホクロと悪性黒色腫の鑑別は皮膚科専門医より優れている。
画像の何を認識し、どこで判断しているかはブラックボックスなので専門家によるクオリティチェックは必要
すんなり受け入れられるのか。伝え方、寄り添う力など

他人の喜びや悲しみを自分のものとして感じる共感性高い看護師はバーンアウトしやすあ

2019/12/03

皮膚病は根気よく治す必要があるということが良くわかりました。変なサプリや民間療法には注意。
個人的には星4だけど専門用語が多く読み辛い所もあるので。