幸福な監視国家・中国 NHK出版新書

梶谷懐(著者), 高口康太(著者)

• 販売会社／発売会社: NHK出版
• 発売年月日: 2019/08/10
• JAN: 9784140885956

商品レビュー

2024/11/25

筆者が描く、主に民間による個人信用データを活用した社会秩序維持・拡大による「幸福」の向上は、中国の経済成長が順調だった時代には当てはまるのだろう。

筆者は「天理」だか「徳」だかという現代中国に生き残っているかどうかもわからない概念に依存し、ある意味性善説に則り功利主義が全体最適に帰結するかのように説くが、コロナ禍の上海での人権弾圧や筆者も指摘するウイグル族に対する民族浄化、昨今の不動産バブル崩壊に端を発する経済停滞、政府による「国進民退」という民業圧迫、突発的無差別殺人などの社会不安に直面し、観光客が本邦で無作法に我が物顔で振る舞う彼の国に対して、筆者たちは何を書くのだろうか。

2024/10/03

途中で読むのやめました。
最初の方は中国の実情が書かれていて面白かったが、だんだん政治的な話や歴史的、思想的な話が増えてきて、自分の興味から逸れていってしまって、話が入ってこなくなってしまった。

2024/07/04

大多数の中国人は、監視カメラによる監視社会に怯えることなく幸福を享受して安穏と暮らしている！？

批判されがちなギグエコノミー（悲熟練労働者の超短期労働）も、中国ではもともとそういう働き方が普及していたという前提があると全然違うよね。やっぱりお国柄を踏まえた上でないと何事も批判できない。

人間を道徳的にスコア評価するというシステムは、たとえ紙の上でしかなくても恐ろしいディストピアだと思うんだけど…。

後半は難しくて理解しきれなかったのでまた読みたい。参考文献も多く、勉強になりそう。