リフォームの爆発 幻冬舎文庫

町田康(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2019/08/06
• JAN: 9784344428881

商品レビュー

2024/12/05

2016年刊行の文庫版。
リフォームを言葉で表現する難しさと
町田康ならではの脱線、言葉のチョイス。
ギリギリな塩梅で、読み進めるかどうか悩みつつ、今回は読了。
担当のU羅君や、各工程の職人たちの、
どこまでリアルなのか境界線があいまいなままのキャラクターたちが面白い。

2024/07/13

はぁー。面白かった。

電車の中でもバスの中でも家の中でも
ニヤニヤ笑いを堪えることができぬまま
ゴールまで突き進んだ。

ひたすらご自宅のリフォームのお話を
かかれているこの作品だが
最後には私自身の人生にも重ねて読んでしまった。

というのも、

町田さん曰く、

「リフォームとは不具合の解消である。それは間違いのない永遠の真実であるが、不具合の解消というとマイナスをゼロにすることと思われがちである。
しかし、右のようにマイナスの要素に積極的な意味を与えていく。そのことによって希望と活力を得る。
これを体験しなければ真の意味でリフォームをなしたとは言えぬ。」

この言葉こそ、ずっと欲しかったものを手に入れた時
その時点で既に無いものへ目が移ってしまう、誰しも覚えのある人間の心理を鋭く突いており
気を緩めただただ楽しく読んでいたところにふと、
眼光をぎらりと向けられたような感情になる。

マーチダ邸、どんだけデカいんだ

2020/09/18

家族（犬２頭＆猫６匹）のために家の不具合を取り除くべく、独自のリフォーム論が展開され、実際のリフォームがどのように進行したのか、その全貌がドキュメンタリータッチで描かれています。あちこちに架空の設定や誇張が織り込まれ、現実と虚構の絶妙なバランスでもってリフォームの大変さ、工務店選びの難しさ、人間関係の厳しさを訴えてきました。実に個性的な書きぶりで、その表現力の豊かさに笑いのツボが刺激されました。