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なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門
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なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門

エリック・R.カンデル(著者), 高橋洋(訳者)

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なぜ脳はアートがわかるのか 現代美術史から学ぶ脳科学入門

定価 ¥3,520

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 青土社
発売年月日 2019/06/22
JAN 9784791771752

なぜ脳はアートがわかるのか

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商品レビュー

4.5

14件のお客様レビュー

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2024/07/05

豪華絢爛な中世ヨーロッパの絵画やルネサンス期のロマンチックな絵画、印象派の画家たちによる名作に負けないほど、美術館で堂々と飾られていて、独特な存在感を放つ抽象絵画。本書を読む前にマーク・ロスコの‘Black Stripe’(1958)を見て、どのような感想が浮かび上がってくるだろ...

豪華絢爛な中世ヨーロッパの絵画やルネサンス期のロマンチックな絵画、印象派の画家たちによる名作に負けないほど、美術館で堂々と飾られていて、独特な存在感を放つ抽象絵画。本書を読む前にマーク・ロスコの‘Black Stripe’(1958)を見て、どのような感想が浮かび上がってくるだろう。そんな複雑怪奇で前衛的な芸術をわれわれはどう“アート”ととらえるのか。それを`REDUCTIONISM IN ART AND BRAIN SCIENCE`という原題の通り、脳科学とアートという分野を往来しつつ、抽象絵画の魅力を解説しているのが本書である。 脳科学の知見によれば、どこか見たことのある風景などを描いた具象絵画は、先天的な知覚システムによるボトムアッププロセスにしたがって処理される。しかし、他方でモノのフォルムを極限まで解体したり、色と線形フォルムだけで絵画を高度に単純化させたりしている抽象画を前にしては、鑑賞者の創造性がより喚起されるトップダウン処理が機能する。それによれば、鑑賞者が独自の経験に基づいて絵を補完できる状況を生み出し(鑑賞者の創造的プロセス)、創造性をよりはたらかせるので、抽象芸術は具象芸術よりも強く鑑賞者の情動を揺さぶるということだった。 感覚されたもの、そして私たちが認識したもののギャップが、より経験を強固なものにする「抽象」の強さを活かした絵画には、鑑賞者をこれまでの経験とともにその世界に飛び込ませ、私たちはさらに新たな経験を得られるというわけだ。 それは、私たちが見ている世界はあるがままではなく、また、モノを認識するのに必要な情報が提供されているだけで、完成されたものが脳に届けているわけではないからである。 本書にあった、光と空間のアーティストと呼ばれるJames Turrellの「私たちが直面している視覚的なリアリティは、自分自身が作り出したリアリティであり、私たちの知覚的、文化的な境界の内部にある」は、ひょっとすると脳科学を対抗分野として自身の分野へと統合していき、また萌芽的な研究を生み出すような、その先のアートのフロンティアを表しているかもしれない。

Posted by ブクログ

2023/02/27

なぜ脳はアートがわかるのか 2023年2月22日読了 「芸術作品の創造や知覚がいかにしてなされるのか」を脳科学の観点から解き明かした一冊。現代アートを数多く紹介しながら、知覚や認知といった脳の機能を解説しており、難しく感じる箇所もあったが、結果的に楽しく拝読させていただいた。(...

なぜ脳はアートがわかるのか 2023年2月22日読了 「芸術作品の創造や知覚がいかにしてなされるのか」を脳科学の観点から解き明かした一冊。現代アートを数多く紹介しながら、知覚や認知といった脳の機能を解説しており、難しく感じる箇所もあったが、結果的に楽しく拝読させていただいた。(というのも実は、一度挫折している…。だが一気に読むと理解が進み、読書が進むことができた。一気読みおすすめの本。) 本書では、芸術作品(特に抽象的な作品)を鑑賞した際に、各人でいくらか異なったあり方で感知・認識する点に注目している。 そこで持ち出されるのが、ボトムアップ情報(処理)とトップダウン情報(処理)である。 ボトムアップ処理とは、脳に生得的に備わる計算プロセスによってもたらされるもので、各人でほぼ同じ基本情報を引き出すことができる。 一方のトップダウン処理とは、自分の経験に基づき眼前のイメージの意味を推測することで、イメージは個人の心理的な文脈置かれる。つまり、個々人で異なる情報が引き出されるのだ。 芸術作品を鑑賞した際、様々な認知がなされるのは「トップダウン処理」によるものとされる。 抽象作品を鑑賞すると、トップダウン処理によって記憶・情動・経験に関するシステムが動員される。 すると、①イメージの構成を分析し、②トップダウン処理によって関連付けが行われ、③これらの脳の動きに基づき情動的反応が起こる、というわけだ。 たしかに私たちは作品を鑑賞すると、作品に物語性を付与したくなってしまう。 おそらく、自分の経験と作品を結びつけ、その中で「自分だけ」のストーリーを構築していたのだろう。作品と個々人経験の両者がそろって鑑賞となるならば、各人の認識は異なって当然といえる。 なお、抽象作品の鑑賞は本質的に「快」の情動が引き起こされる。そのわけは、この関連付けによる「補完」によって、私たちの創造性が刺激され、ポジティブな経験がもたらされるからだ。 鑑賞している間に補完や再構築によって、脳内で創造が起こっていたとは…。人間はかくも何かを生み出さずにはいられない生き物なのだなと思った。 自分が好きな芸術鑑賞について、なぜ好きか説明することができなかった。 ただ、作品が好きだから、美しいものが好きだからと思っていた。 しかし、本書を読み作品鑑賞が「内省」となっており、自分自身と向き合える場になっていることに気づくことができた。(もちろん、それだけではないのだろうけれど…) 好きなことへの理由付けができたこともあり、大変腑に落ちた一冊でした。

Posted by ブクログ

2023/02/02

記憶の研究で有名な脳科学者による、現代抽象芸術と脳科学の領域横断的解説 抽象画の見方と現代脳科学を同時に学べる。 アーティストやその作品も掲載されていて、これまでわからなかった抽象画に興味が湧いた。 脳内のことも、ボトムアップ・トップダウンといった簡単な言葉でまとめているので理...

記憶の研究で有名な脳科学者による、現代抽象芸術と脳科学の領域横断的解説 抽象画の見方と現代脳科学を同時に学べる。 アーティストやその作品も掲載されていて、これまでわからなかった抽象画に興味が湧いた。 脳内のことも、ボトムアップ・トップダウンといった簡単な言葉でまとめているので理解しやすい。

Posted by ブクログ

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