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ぼそぼそ声のフェミニズム
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 作品社 |
発売年月日 | 2019/05/30 |
JAN | 9784861827518 |
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ぼそぼそ声のフェミニズム
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商品レビュー
4.3
16件のお客様レビュー
就活、婚活、学校教育、非正規雇用 Me too 運動。 枠組みとしての制度が、すでに時代にそぐわないのかもね。 個人的に、会社で新卒採用担当はしてないが、 入社後の諸々を担当してる身からすると、 就活に対しての内容は少し心に響いた。 大学生時代、疑問に思ったことと共感しつつ、...
就活、婚活、学校教育、非正規雇用 Me too 運動。 枠組みとしての制度が、すでに時代にそぐわないのかもね。 個人的に、会社で新卒採用担当はしてないが、 入社後の諸々を担当してる身からすると、 就活に対しての内容は少し心に響いた。 大学生時代、疑問に思ったことと共感しつつ、 採用側としての心当たりもあったので、 採用側に回ってしまったか、という気づき。
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「私にとっての『勉強』とは、 自分のキャリアを積み上げるための ものではなく、大げさに言えば、 『自分と社会を知り、その両方を必要に 従い変えていく』ものとして捉えていた」 (P18) 冒頭「はじめに」にある穏やかな語り口 とは裏腹にかなりハードでラディカルで 骨のある、辛辣な内...
「私にとっての『勉強』とは、 自分のキャリアを積み上げるための ものではなく、大げさに言えば、 『自分と社会を知り、その両方を必要に 従い変えていく』ものとして捉えていた」 (P18) 冒頭「はじめに」にある穏やかな語り口 とは裏腹にかなりハードでラディカルで 骨のある、辛辣な内容だった。 こんな指摘は初めてだ、と唸ったのは 「シューカツを巡る〈大人〉の欲望の まなざし」(P63)と 「『気持ち悪い』男・『気持ち悪い 出来事』(P167)。 前者の「就職活動」と「シューカツ」の違い。 後者の「人をバカにするような、エラそうに 振る舞いたくなる自分自身に向き合わず、 運動をやって社会を変えようとするなんて ありうるのだろうか」(P168) 「持ち出しでやった上で威張られるなんて、 奇怪以上の何物でもない」(P168) は鋭いと思った。 「そもそも、『結婚したい』とは何を 望んでいることなのだろうか? 子ども? いざというときに養ってくれる人? 老後に面倒みてくれる人? 性的なパートナー? これらの欲望を『パッケージ』にして 『どうぞ』と言っているのが 結婚(制度)なのだろうか。逆に言えば これらすべての欲求を『一人の人間』が 担えと言っているのが、結婚なのだ、と 私は理解した。だからこそ、 私は無理だと思った」(P122) 「そもそも結婚が自分の選択だけで できるものなのか」(P122) 「なぜ結婚制度を疑うことなく 『婚活』は語られるのか」(P123) 「婚活という言葉は家族社会学者の 山口昌弘氏が作ったものだ」(P123) 「私は彼に向かって『あなたの造語のせいで どれだけの人が苦しんだかわかるか』 と発言した記憶がある」(P124) 「私と現実の複雑さを複雑なままで、 存在しているすべてをも『ないこと』 として否定するのでなく、『存在している』 こととして言葉にするために、 私は言葉を発し、文章を書いている」(P49)
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某東大教授フェミニストより遥かに理性的な文章。攻撃的でなく、冷静に読める。違和感をうまく言語化されており、興味深い、納得できる考え方も多かった。 ―「正社員」になって「結婚」をした個人に対して、どうこう言いたいわけではない。この社会制度が、とりわけ男性が「正社員」となり、そこか...
某東大教授フェミニストより遥かに理性的な文章。攻撃的でなく、冷静に読める。違和感をうまく言語化されており、興味深い、納得できる考え方も多かった。 ―「正社員」になって「結婚」をした個人に対して、どうこう言いたいわけではない。この社会制度が、とりわけ男性が「正社員」となり、そこから「結婚」をし、「子ども」を持つということを社会保障制度や税制でも「モデル」としている、ということを問題にしたいのだ。 ―たいていは「舐められないために、一人前になって頑張って、見返してやりなさい」となるだろうけれど、「一人前」にはなれないからといって「トップにならずにサブのままでいて、常に補助的な位置にいなさい」と決めつけられるのもうんざりであるということ… ―しかし今の日本の少子化対策というのも「結婚」ありきで仕組まれている。むしろどんな家族形態であっても「出産」できる体制を整えるほうが、よっぽど「少子化対策」としては合理的だろう。 ―(※生活保護に関して)そもそも「努力ができるのか、できないのかはっきり判断できないままで、行為としてはできていない状態」をそのまま受け止めたらどうだろう。 ―社会的強者の立場に立ったときは誰でも気持ち悪くなる可能性が高くなるわけだが、それならば、どうやったら「気持ち悪く」ならないで済むかということだ。…もし、強者の立場に立った際に、支配欲を克服するためには、性差別に対して気の利いたことを言うよりも、それこそ言葉や振る舞いによって相手を萎縮させない方法についてまず考えるべきだ… もちろん突っ込みどころはあったが、これも反論しない練習。と言いつつ… ・性別役割分業を否定する講座を聞いて「家と仕事を両立できるような女性になろうと毛ほどにも思わずに済んだ」という筆者は、「家と仕事を両立できる男がアタリマエ」とされている現状をどう考えるのかは気になった。筆者の思考に沿うと、「男だって毛ほどにも気にしなくて良い」か? ・「女は愚かだから軽んじてよい」という差別は括りがおかしいのはもちろんだが、「愚かだから軽んじていい」という発想に対して怒るべきという。「愚かさ」「弱さ」を帯びていても最低限の尊重を求めて生きていけるのが良い、というものの、「気持ち悪さ」を帯びているせいで最低限の尊重すら得られていない男と対比させたくなってしまった。最低限の尊重とはなんだ?気持ち悪い男も得られてるものか?では自分のこの苦しみはなんだ? こういうことを考える男は絶滅したほうが良いですね。ところでこういう責任の矛先を自分だけではなく社会にも向けるためには、まず心身の披露が癒やされることが重要だとも書いてあった。自分が癒やされた結果、矛先を向ける「社会」とはどこだろうか。 自分は死んだほうが良いという呪いを取り去ってくれるヒントは得られた気がする。これが”弱者男性のためもなるフェミニズム”か?
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