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神奈備 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 2019/05/17 |
JAN | 9784087458749 |
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神奈備
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
馳さんの、③山系。山の厳しさ、美しさが巧みに描かれている。時間的・空間的な広がりは少ない分、読後も辛さが残る。いかにも、馳さんワールド。
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※このレビューにはネタバレを含みます
飲んだくれの母のもとに生まれ、自転車競技選手となる夢を諦めさせられ、工場で働く17歳の青年「潤」。「ぼくはどうして生まれてきたの?」。神様にその答えを問うために、二つ玉低気圧が近づく豪雪の中、御嶽山の山頂を目指す。一方、潤の母「恭子」に、潤が自分の息子であると聞かされた男「孝」は、御嶽山の山岳信者たちを運ぶ強力(ごうりき)として、潤の捜索を行う。 孝は、雪に包まれた御嶽山を捜索する過程で、不幸な潤の身の上を思い、潤の父となる決意をする。しかし、そんな決意も虚しく、潤は、雪の中、低体温症となり逝ってしまう。 御嶽には、神様がいることを信じ、山を登る潤に対して、孝は、神の存在を信じない。数年前に起きた御嶽山噴火の際には、多くの罪のない人々が死んだ。もし、神がいるのであれば、どうして彼らは死ななくてはならなかったのか。そして、神様の存在を信じる潤は、なぜ残酷な母のもと苦しい生活をし、死ななくてはならなかったのか。孝にとって、山で起こる全ての神秘的な体験は、科学的に説明のつく自然現象で、神が起こす奇跡ではない。 潤は、最期にあって、朝日に照らされ、黄金に輝く朝靄と「霧虹」と呼ばれる白い虹に、神を見る。そして、「ぼくはどうして生まれてきたの?」という問いに、神様からの答えが聞いた。 「この日この時ここにこうしてあるためだ。」 それは、消え行く意識の中で聞いた幻聴に過ぎなかったのかもしれない。しかし、潤は、この幻聴に「ありがとう」という言葉を繰り返し「至福」を感じて死んでいく。 出会ったこともない、たった二人の人物が、同じ雪山に、ただ同じときにいたというだけの物語である。それは、神様がいると信じられたからこそ、幸福の思いを抱いて、死ぬことができた青年と、その死を不幸に思い、救えなかったことを悔いる男である。 孝は、頑なに神を信じなかった。しかし、一つだけ科学的には説明のつかない出来事に出会う。死んだ潤のもとへと誘った、いるはずのない「ライチョウ」である。 ライチョウは、神の使いだったのか。もしそうだったのだとしたら、噴火により大勢の命を奪ったのと同じように、潤が死んでしまってから孝を巡り合わせるそのライチョウは、御嶽の神は、徹底的に残酷だと思う。 どうしても、ただただ、潤が痛ましく見えてしまう。ぼくにとって、この物語は、神も仏もいない、ただ、人を襲う自然の脅威たる山の姿を描く山岳小説だった。
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悲惨な人生を送ってきた少年・潤は“神”に救いを求め、霊山・御嶽へ向かう。そんな潤を、荒天の中、強力の孝が捜索することに。神とは? 人間の絆とは? 極限状態の人間心理を描く。
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