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想像のレッスン ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/05/09 |
JAN | 9784480435828 |
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商品レビュー
4.3
6件のお客様レビュー
p.39 鉄道や自動車や飛行機が発明されて長距離移動が容易になったぶん、わたしたちの脚力が衰えたように、情報媒体がわたしたちの生活のあらゆる場面を被うようになって、わたしたちはじぶんで想像しなくてよくなった。あのひとはどうしているかしらと想いをはせる前に、わたしたちの指先はもう...
p.39 鉄道や自動車や飛行機が発明されて長距離移動が容易になったぶん、わたしたちの脚力が衰えたように、情報媒体がわたしたちの生活のあらゆる場面を被うようになって、わたしたちはじぶんで想像しなくてよくなった。あのひとはどうしているかしらと想いをはせる前に、わたしたちの指先はもう携帯電話のボタンを押している。他の国で起こった災害の状況を想像する前に、わたしたちは先にテレビのスイッチをオンにしている。欲望をかき立てるために性的なファンタジーを展開する前に、わたしたちはもう動画を再生している。 そう、脚が弱るように、情報社会のなかでわたしたちの想像力も萎えてきている。 しかし、(想像)はこの時代にあってもなお、「生きる」ためのもっとも大切な武器である。断じて、このことに変わりはない。 p.163 「福祉の達成」ということが人類社会のめざすところであると言うのなら、いかなるひとであれそのひとの存在をまずは肯定するというところから、その理念は出立しなければならないはずだからである。何もできなくても、ただそこにいるだけでいいと、他者に向かって言い切れるかどうか、あるいは、まだ何もできない子どもとともに、だんだんいろんなことができなくなる高齢者に向かっても、何もできなくていい、ただそこにいるだけでいいと、言い切れるかどうか。そこに「福祉」の理念は懸かっているからである。 そういう地点から、いまの(老い)の問題を考えなければ、その一つ一つが特別な (老い)の声を、ひとはついに聞きそびれてしまうだろう。そしてそれはそのまま、じぶんのなかの「弱い」声を聞きらしてしまうことでもある。 p.176 身体が不透明な実体として浮上してくるのは、それを傷めたとき、それがうまく働かないときだ。とどのつまり、わたしの身体はふだんは透明なのだ。(中略) 言ってみれば、身体に「社会」が書き込まれるのだ。「社会」に拉致された身体、「社会」に侵食された身体。 p.218 二十世紀のアートは、抽象に抽象を重ねていって、ついに「何も表現しなくなる」という(純粋)の途と、それとは正反対の、ジャンルを解体しつづけることで「何でも表現になる」という(不純)の途を、それぞれに突きつめてきたようにおもう。人格でいえば、人格喪失と多重人格のあいだ、とでも言おうか。そのなかでアートと非アートの境界すらも不明になっていった。 p.224-225 顔の出現は、ひとつの強力な磁場をつくる。顔が眼のまえに現われたとき、わたしたちはそれに引きよせられるか、それをけるかする。ときに閉み返すこともあるだろう。とにかく無視することはできない。そういう力が顔にはある。その力は不気味なまでに執動で、壁のしみを見ているとき、天上板の木目を見ているときにも、ふとそこからなにやら顔のようなものが浮かび上がってきて、ぞくっとすることがある。 ところがテレビや街に氾濫している画像としての顔には、そういう力がない。わたしたちはそういう職場に引き込まれることがない。顔と顔との接触や交通が起こることはない。もしそれがほんとうの顔なら、とても平静な気分で街を歩くことはできないだろう。 像としての顔の過剰が、呼びかけや訴えとしての顔を過少にしている。そうおもわずにいられない。
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ここにあるものを手かがりにここにないものを想う。 アート作品、舞踊、ライブなどを起点とした著者の知覚の変容、ゆらぎが言語化されていて同じ作品を著者の感覚とともに追体験してる気分になる。
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冒頭で心掴まれた。 全体の流れがまだ掴めていないので、 また読み直したい! 宗教施設、古い木、場末。
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