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大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝 Νυ´ξ叢書03
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大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝 Νυ´ξ叢書03

斎藤幸平(著者)

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大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝 Νυ´ξ叢書03

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 堀之内出版
発売年月日 2019/04/25
JAN 9784909237408

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大洪水の前に

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商品レビュー

4.2

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2022/10/07

斉藤さんにしては、固い文章だなぁと感じていたが、例の博士論文をベースにし、プラスαしたリミックス本。数字やグラフなどもなく、誤魔化してない。ロッシャーによる掠奪農業主観、SDGsへの批判にもカスる所ある。あと、文庫が出ていたとは!特に叢書である必要はないので、文庫がお勧めかな?値...

斉藤さんにしては、固い文章だなぁと感じていたが、例の博士論文をベースにし、プラスαしたリミックス本。数字やグラフなどもなく、誤魔化してない。ロッシャーによる掠奪農業主観、SDGsへの批判にもカスる所ある。あと、文庫が出ていたとは!特に叢書である必要はないので、文庫がお勧めかな?値段がかなり違うので。

Posted by ブクログ

2022/09/11

ー ここでの問題は、物質代謝の亀裂が世界規模の問題となっていることだ。グアノの枯渇に直面して、イングランドとアメリカ合衆国は貴重なグアノと硝石の資源をめぐってのペルー沖のみならず、南アメリカ大陸の諸島をめぐる領土争いを繰り広げるようになっていった。アメリカ議会は一八五六年にグアノ...

ー ここでの問題は、物質代謝の亀裂が世界規模の問題となっていることだ。グアノの枯渇に直面して、イングランドとアメリカ合衆国は貴重なグアノと硝石の資源をめぐってのペルー沖のみならず、南アメリカ大陸の諸島をめぐる領土争いを繰り広げるようになっていった。アメリカ議会は一八五六年にグアノ資源のある島の併合をアメリカ市民に認める「グアノ島法」を可決し、太平洋上の島々を占有したのである。こうした帝国主義的掠奪は、自然資源も食いつくし、生態系を攪乱していく。例えば、フンボルトペンギンはグアノのなかに巣を作る習性をもっているため、グアノの掠奪は、ペンギンの繁殖を著しく困難なものとした。さらには、グアノ採掘は海鳥の巣そのものも破壊してしまうことで、海鳥も激減してしまう。また、植民地下では深刻な経済的・政治的不平等が生まれ、グアノ採掘のために原住民の生活が破壊されたのみならず、中国人の苦力も劣悪な環境で働かせたのだった。 物質の循環に亀裂の入った資本主義における掠奪と乱費のシステムは、生産力と輸送手段の発展とともに、世界市場上の商品交換と植民地支配を通じた暴力による収奪によって、ますます大量の自然資源を資本蓄積のために利用しようとする。だが、そうした自然資源の利用は、土地の肥沃度や自然資源をかつてない世界的規模で枯渇させ、より暴力的な争いを生み出す。最終的に、「環境帝国主義 (ecological imperialism)」はグローバルな物質代謝の亀裂を生み出し、グアノ戦争や硝石戦争が勃発することとなったのである。 ー マルクスが語らなかった地球の有限性と持続可能性について、マルクスの膨大なノートから読み解く研究書。「物資代謝」という言葉を頼りに読み解いていく面白い作品。 最近、SDGsを意識した仕事もあるので、やっぱマルクスから資本主義について考えるところから始めないといけないかなと。

Posted by ブクログ

2021/12/25

マルクスは、いわゆる経済的な側面しかみていなくて、エコロジー的な側面がないとされる通説に対抗して、エコロジーも視野にはいっている新しいマルクス像を提示。 エコロジカルなマルクスについては先行研究はあるようだが、著者は、新しい全集で整理されつつあるマルクスのノート類や読書記録など...

マルクスは、いわゆる経済的な側面しかみていなくて、エコロジー的な側面がないとされる通説に対抗して、エコロジーも視野にはいっている新しいマルクス像を提示。 エコロジカルなマルクスについては先行研究はあるようだが、著者は、新しい全集で整理されつつあるマルクスのノート類や読書記録などを踏まえながら、丁寧に新しいマルクス理解を展開していく。 読み終わったあとには、かなり説得されていて、マルクスはエコロジカルだったんだと自然に思ってしまう自分がいた。 とはいえ、基本、当時は出版されていない、しかも思索のプロセスを残したノートではなくて、読んだ本の抜き書きなどを踏まえて、出版されたテキストを読んでいくというのはどうなんだろう?とも思ってしまう。まあ、ノートも出版されれば、一つのテキストとして流通するわけだから、テキスト外からマルクスは本当はこうだったみたいに議論するのとは違うと言えば違う。 そこまでマルクス自身がどう考えていたかを問題にせずに、マルクスの思想に現代のエコロジーの考えをどう統合すべきかを議論したほうが早いじゃんというのが素朴な感想。 でも、ちょっとだけわかる気がするのは、マルクスの思想自体から内在的にでてくるものとしてエコロジーをダイナミックにとらえるということのインパクトは、後付けしたものよりパワーがあるなということ。 たとえば、エンゲルスもエコロジカルな視点はあって、自然を収奪する経済発展は、どこかで限界に到達して破綻するということは言っている。これは現在で流通しそうなディスコースだと思う。 が、これは資本主義の外部にエコロジカルな限界を設定しているだけの議論であまり面白くはない。 これに対して、マルクスは資本主義の内在的な論理として、エコロジーが捉えられているという議論。そして、それは初期の労働の疎外といった議論も、同じく資本主義が人間という自然を破壊していくプロセスとして、エコロジーと一貫したものとして捉えることができるという視点を提供している。 この辺の議論は、面白いと思う。

Posted by ブクログ

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