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声の物語 新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 早川書房 |
発売年月日 | 2019/04/18 |
JAN | 9784153350441 |
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声の物語
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商品レビュー
3.6
19件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
人が言語を獲得したのは、必要だったからなのに、それをあえて奪うとは。しかも、女限定。そんなに従順で話さない貞淑な女が欲しいなら、別に生身の人間でなくても宜しいのでは?と作中何度思ったことか。色々な本に触れていつも思うのだが、何を持って優劣をつけるのか。神が男から女を生み出されたから、とか力、知性、品格、色々な判断基準があるのに、どうしていつも男だけが優位な社会なのか。天才でも人として終了な男、馬鹿でも人として素晴らしく、皆に好かれる男。男にも女にも恐ろしく多様な人や考え方があるのに、自分の意見に添わぬと言うだけで都合の良いように、黙らせることは出来ない。ガチガチに縛られ、あれもこれも禁止された社会というのは、何とも悍ましくつまらない。ある程度の余裕、遊びの部分があってこそ、ルールを守る気になるのに思う。子供や大人は一晩の内に劇的に変わるのではない。教育という名の少量の毒を毎日、長い間摂取することによって、変わっていく。おかしなことを、おかしいことと考えずに当たり前のこととして、捉えてしまう恐ろしさ。ノーを叫ぶ声をそもそも奪われ、強制的に黙らせる世界。現実でもネット社会でも、何か似たようなことが起きてるような。作中のような世界にならないよう、自分で考えて行動出来る人間になりたい。
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読みやすくて分かりやすいディストピア。 途中、息子の変貌ぶりがこわかった。 自分的にはディストピアの結末はバッドエンドが好きですが、この本はこの先も希望が持てそうな結末でした。 あと主人公の不倫なんかは心の広い男たちによって許されていて、よほどいい女設定なのかなと思った。
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いやー面白かった。すごく読み応えのある作品だった。 女性だけが1日100語という発話の制限が課せられる。聖書の歪んだ解釈による蛮行。途中まではこの世界観の理不尽なミソジニーさが苛立たしくて仕方がなかった。著者の、現実の女性蔑視・不平等への怒りがそのまま伝わってくるような文章。 ...
いやー面白かった。すごく読み応えのある作品だった。 女性だけが1日100語という発話の制限が課せられる。聖書の歪んだ解釈による蛮行。途中まではこの世界観の理不尽なミソジニーさが苛立たしくて仕方がなかった。著者の、現実の女性蔑視・不平等への怒りがそのまま伝わってくるような文章。 どうして数千年も前に書かれた文章を元に、その後人類が血にまみれた歴史の果てに獲得した人権というかけがえのないものを踏み躙ることができるんだろう?不思議でしょうがない。 ホモソーシャルでミソジニーでホモフォビアでレイシストの白人男性による白人男性のための白人男性の国、アメリカ。半世紀前から拡大した貧富の格差を女性や黒人や移民のせいにして自分達のグレートな国を取り戻したい白人男性が支配する病んだ国、アメリカ。 しかしここに描かれている内容を完全にフィクションと笑い飛ばすことはできない。彼の国では最近、女性の中絶は違憲であるという最高裁判決が出た。レイプや近親相姦などによる妊娠の例外も認めず違法、という州法が成立している州もある。キリスト教の古い信仰が篤い州だ。そしてこんな判決を出した保守派の判事達を最高裁に送り込んだのはこの作品の大統領のモデルになったと思われる、あの前大統領だ。現実とフィクションがどちらがよりディストピアを作り出せるか、チキンレースをしているように見える。 終盤は少し失速した様に思えるのが少し残念。クライマックスまでの盛り上がりに比して、結末が尻切れ感が拭えない。場面描写も少しアンダスタンダビリティに欠けるところがあった。 しかしこれがデビュー長編なのは恐るべし。次回作に期待大。
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