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感情天皇論 ちくま新書1398
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/04/04 |
JAN | 9784480072191 |
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感情天皇論
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著者は現代の天皇の被災地訪問などを「感情労働」と説明している。戦後、象徴天皇制となったが、憲法にその職務が記述されているわけではないなかで、天皇自らが考えて行うことにしたのが、国民に寄り添う気持ちを示す「感情労働」だという。その上で、平成天皇の成婚と退位を中心に解説している。大江...
著者は現代の天皇の被災地訪問などを「感情労働」と説明している。戦後、象徴天皇制となったが、憲法にその職務が記述されているわけではないなかで、天皇自らが考えて行うことにしたのが、国民に寄り添う気持ちを示す「感情労働」だという。その上で、平成天皇の成婚と退位を中心に解説している。大江健三郎の「セブンティーン」「政治少年死す」を読み、その当時の出版界での扱いについてを知った上で読んだので、成婚当時の部分は理解できたが、退位当時の部分は、話の核となる「シン・ゴジラ」「平成くん、さようなら」の両方を知らないので、よくわからなかった。特に「平成くん」については、論点が天皇制から離れているように感じた。三島、石原、大江の対比などはわかりやすく、面白く読んだ。一方で全体に、江藤淳への言及が多いのだが、私は彼の評論を読んだことがないので、立ち位置がよくわからなかった。「セカイ系」のような、まだ定義が浸透していない言葉が説明なしに用いられるのも不親切だと思った。皇后や皇太子妃の文学やメディアでの扱いについて1章設けられており、非常に良かった。
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論の切れ味、文章の運びの軽やかさは昔と比較すると正直なところ、一熱心な読者としては、どうしても落ちているのではないか…と思ってしまうところもありますが、それを差し引いても大変に刺激的で面白かった。一章がかなり現実の天皇論で展開されていたので、一年くらい読むのをストップしていたのだ...
論の切れ味、文章の運びの軽やかさは昔と比較すると正直なところ、一熱心な読者としては、どうしても落ちているのではないか…と思ってしまうところもありますが、それを差し引いても大変に刺激的で面白かった。一章がかなり現実の天皇論で展開されていたので、一年くらい読むのをストップしていたのだが、二章以降の怒涛の文学論、そしてそこかしこに配置する江藤淳とフェミニズムの問題、やはり大塚英志の批評は本当に面白い。石原慎太郎、三島由紀夫、大江健三郎の不敬文学のあり方、それぞれの天皇に対する態度から見える戦後日本の屈折の問題も良かったが、さらにそれらを『シン・ゴジラ』や『平成くん、さようなら』といった平成の作品における他者としての天皇不在の問題と対置していく手つきは、やはり鮮やかとしか言いようがない。そしてそこにかねてよりのなんクリ問題も入れ込んでいるので、より議論に幅が出ているし、原武史を引用して展開していく、美智子妃含む女帝論などはかなりユニークだと思うのだけれど。 ちらほらと書かれる脱線のアイデアも面白い。男の手によって描かれる女のビルドゥングスロマンが、男の個としての確立を留保している問題も冴え渡っているし、やはり大塚英志が言うところの江藤の「他者」の問題は、いつもわたしに何らかの痛みを与える。江藤の言う他者が本当にこの使い方での他者なのかという点は、きちんと検証しなければと思っているのだけれど、結局わたしは大塚英志が読む江藤淳が心底好きなのだ。 エヴァの読み取りもクリアだし、本当に閃きの感度が尋常ではないと思う。最後に自分で自分の「少女たちのかわいい天皇」論を否定しているところ、一貫性があると感じる。しかしわたしは、その近代のやりなおし、個の確立を天皇制という人権抑圧装置でぼんやりとごまかし続けている戦後日本への焦りという点は理解しなくもないのだけれどど、あの「かわいい天皇」論が見せるぼやんとした責任感のなさ、とりとめのなさも好きだったのだけれどな。
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なんの権力も持ちえない戦後の天皇は 要するに一個の「感情労働者」にすぎなかった かつて神で今は人間という ダブスタのようなそうでないような一族の立場にあって 平成の天皇が発した「お気持ち」に対し 時の総理大臣である安倍晋三は、国民を代表して共感を表明 のちに国会を通じて特例法を成...
なんの権力も持ちえない戦後の天皇は 要するに一個の「感情労働者」にすぎなかった かつて神で今は人間という ダブスタのようなそうでないような一族の立場にあって 平成の天皇が発した「お気持ち」に対し 時の総理大臣である安倍晋三は、国民を代表して共感を表明 のちに国会を通じて特例法を成立させた しかしそもそも天皇は「お気持ち」を発したわけではなく 「共感」を望んだわけでもなかった 自らの「意見」として、自らの役割を「機能」と表現することにより 天皇のあり方、受け止められ方に理論的な一石を投じようとしていたのだ …と、大塚英志は言う それを無視した特例法は あくまで天皇の人間性をないがしろにするものだと そしてまた大塚は 皇后美智子や皇太子妃雅子に向けられたバッシングへと言及し 皇室の「人間」によって行われた意志決定が 国民によってたかって否定されてきた歴史をとりあげ それらを通じて、天皇とは何か また「個人」とはなんなのかを考えようとする 方法としては 同時代のサブカルチャーに描かれてきた天皇 あるいは天皇的なるものを参照する それが「感情天皇論」だ しかしまあ序章と終章だけ読めばいいような気はします 最後に「少女たちの『かわいい』天皇」を批判したのは良かったが それならいっそ全て自作批判でまとめるべきだった 「マダラ」「サイコ」「贖いの聖者」など 個人的にいろいろ言いたいことはある
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